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海外仮想通貨FX業者のレバレッジと顧客資産の保護

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  • 2019.04.26.

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仮想通貨FXレバレッジ

海外の仮想通貨FX業者は高いレバレッジ倍率を適用できますが、証拠金以上の損失を出さないようにするなど、顧客の資産を保護してくれる仕組みがあります。

 

この記事では、高いレバレッジ倍率を適用したときの利益や損失について具体例を上げて解説し、国内取引所と海外取引所における損失を補填する仕組みの違いについて説明します。

 

海外の仮想通貨FX業者のレバレッジ倍率は高い

海外の仮想通貨FX業者は、適用できるレバレッジ倍率が非常に高いことで知られています。

 

国内取引所のレバレッジ倍率と比較してみましょう。

 

仮想通貨FX業者カテゴリレバレッジ倍率
Bybit海外100倍
Deribit海外100倍
BitMex海外100倍
bitFlyer国内4倍(※1)
Zaif国内7.77倍
GMOコイン国内4倍(※2)

(※1)2019年4月22日より適用される予定だが、適用を延期中。それまでは15倍。

(※2)2019年5月15日より適用。それまでは10倍。

 

見てお分かりいただけるとおり、国内取引所は4~7.77倍のレバレッジなのに対し、海外取引所では100倍のレバレッジを効かせられます。

 

レバレッジが高いということは、より大きな金額の注文を行い、より多くの利益を追求できるということです。

 

例えば、100万円分で行える取引の金額を見てみましょう。

 

レバレッジ倍率たてられるポジション(手数料除く)
海外取引所100倍1億円(100万円×100倍)
国内取引所4倍400万円(100万円×4倍)

 

ご覧のとおり、国内取引所で発注できるのは400万円分の取引なのに対し、海外取引所では1億円分もの取引を行えます。

 

1BTC=50万円のとき発注できるBTCの数量は、国内取引所は8BTC、海外取引所は200BTCです(手数料除く)。

 

そして、ビットコインの価格が1万円値動きすると、どうなるでしょうか?

 

国内取引所の場合は8万円の利益を獲得できますが、海外取引所で獲得できる利益は200万円となるでしょう。

 

つまり、ハイレバレッジを適用することで、より大きな利益を狙うことができます。

 

 

レバレッジが高いとハイリスクになる

ハイレバレッジだと高い利益を狙えますが、大きな損失を生じさせるリスクを負います。

 

1BTC=50万円のときに証拠金100万円分の注文をしたとしましょう。

レバレッジ倍率4倍では400万円分(100万円×4倍)のポジションになりますが、レバレッジ倍率100倍なら1億円分(100万円×100倍)のポジションが建てられます。

 

値上がりすると予測して買いポジションを建てたのに、逆にビットコインが値下がりしたとき、それぞれのレバレッジ倍率においてどのような変化があるでしょうか?

 

レバレッジ倍率4倍レバレッジ倍率100倍
発注したBTCの数量8BTC200BTC
BTCが1万円値下がりしたときの損益▲8万円(▲1万円×8BTC)▲200万円(▲1万円×200BTC)

 

このように、1BTCが1万円の値動きをしたときはレバレッジ倍率4倍の損益はマイナス8万円、レバレッジ倍率100倍のときの損益はマイナス200万円となります。

 

レバレッジ倍率が高いほうが、非常に損失が大きくなってしまいます。

 

次に、口座残高を値動き前と値動き後で比べてみましょう。

 

レバレッジ倍率4倍レバレッジ倍率100倍
値動き前の口座残高100万円100万円
値動き後の口座残高92万円(100万-8万円)▲100万円(100万-200万円)

 

レバレッジ倍率4倍では、残高が8万円減って92万円(100万-8万円)となりますが、損失は証拠金内で収めることができます。

 

ですが、レバレッジ倍率100倍だと、口座残高はマイナス100万円(100万-200万円)となってしまいます。

 

このマイナス残高は、「預け入れた証拠金では損失を補填できなかった」ということを意味しています。

 

このように、レバレッジが高ければ高いほどリスクが大きく、値動きに対する損失が拡大しやすくなります。

 

損失の拡大を防ぐロスカットは万能ではない

 

トレーダーの損失が証拠金額を上回るときには、自動的にポジションを強制決済する「ロスカット機能」が発動しますが、万能ではありません。

 

というのも、相場の急変時には注文が約定しないことがあるからです。

仮想通貨FX取引所の処理能力の高低もありますが、注文が殺到してしまうとシステムがビジー状態になり、注文が通らないケースもあります。

また、注文が通ったとしても注文板が厚く、自分の注文が通るまでに時間がかかってしまう場合もあります。

 

注文が通らないうちに、相場がどんどん変化してしまい、口座残高がマイナスになってしまう・・・というのは、十分考えられることなのです。

 

 

口座がマイナスになったときの対応の違い

レバレッジが高いと、トレーダーや取引所にとってリスクが大きいことはご理解いただけたと思います。

 

では、トレーダーの口座残高がマイナスになってしまったとき、国内取引所と海外取引所はそれぞれどのような対応を取るのでしょうか?

 

実は、国内取引所では、トレーダーに対しマイナス残高を回復するよう追加入金を求めますが、海外取引所では求めません。

つまり、国内取引所では損失のリスクをトレーダーが負わねばなりませんが、海外取引所はトレーダーが負わなくても良い仕組みを採用しています。

 

詳しく見てみましょう。

 

海外取引所はゼロカットシステムを採用

海外取引所では、預け入れた証拠金以上の損失が出ないゼロカットシステムを採用しています。

つまり、利用者の口座残高がマイナスになったとしても、そのマイナス分は取引所の顧客や保険基金が回復させてくれるわけです。

そのため、利用者が負債を抱えることはありません。

 

先ほどの、レバレッジ100倍で口座残高がマイナス100万円になってしまったときの例を見てみましょう。

 

(1)値動き前の口座残高100万円
(2)値動き後の口座残高▲100万円(100万-200万円)
(3)ゼロカットされたあとの口座残高0円

 

値動きして残高がマイナス100万円になってしまったあと、ゼロカットシステムが適用されて口座残高は0円に回復します。

トレーダーがトレードを再開したいときは、口座に新たに証拠金を入れることで再開できます。

トレーダーは借金を追うことがないので、安心して取引できるでしょう。

 

一方、国内取引所は、口座がマイナスになったとき、追加で証拠金の差し入れを求めます。

これを「追証制度」といいます。

この追証の支払い猶予は銀行営業日で2営業日までなど、非常に短いです。

支払いを無視すると、督促状がきて財産の差し押さえなど法的な措置をとられる可能性があります。

つまり、何が何でもお金を用立てて、支払わなければならないのです。

 

トレーダーにとっては最悪のパターンで、この追証をきっかけにトレードをやめてしまう人もいるでしょう。

 

預け入れたお金はなくなるものの、それ以上の借金を負うことがない海外取引所の「ゼロカットシステム」はトレーダーにとって最後の砦的存在だといえるでしょう。

 

なぜゼロカットにできるのか?

では海外取引所は、どのようにしてマイナス分をカバーしているのでしょうか?

仮想通貨FX取引所によってその仕組みは異なるため、Bybitを例にとってみます。

 

Bybitの場合は、トレーダーの損失をカバーするための仕組みが2つ導入されています。

この2つの仕組みについて、その考え方を紹介します。

 

1つ目は「保険基金」です。

 

「保険基金」は、トレーダーの口座残高がマイナスになったときの補てんに使うための積立金のことです。

 

相場の急変動があってロスカットが間に合わず、口座残高がマイナスになってしまったときは、この基金からマイナス分が充当されます。

 

この保険基金の積立金は、清算の際に破産価格よりも良い条件で清算された場合、口座に残った証拠金残金を寄付する仕組みになっています。

 

2つ目は、「ADLシステム」です。

 

ADLシステムは損失が莫大で、積み立てられた「保険基金」ではカバーできないときに発動するもので、一番利益率の高い相対ポジションを持っている他の顧客とマッチングさせて、「損失を出さない価格」で強制決済を行うものです。

 

なおADLシステムはBybit独自のシステムで、他の海外仮想通貨FX取引所は社会的損失システムと呼ばれる、利益の出ている顧客全員で損失をカバーするシステムを採用しています。

 

Bybitではこれら2つの仕組みに加え、「リスク制限」としてポジションが増加すると、適用できる最大レバレッジ倍率が低く、さらに証拠金率が上がる仕組みも取り入れています。

この仕組みによってユーザーは極端に大きなポジションを持つことができなくなり、万が一の時でも、莫大な損失を抱えることがなくなるわけです。

 

「ゼロカット」でもリスク管理は大切

海外の仮想通貨FX業者のレバレッジと、顧客を守る「ゼロカットシステム」をまとめると、以下となります。

 

レバレッジについて

・海外の仮想通貨FX業者のレバレッジは100倍と国内業者と桁違いに高い

・レバレッジが高いと、より大きな利益を追求できる

・ただし損失もその分大きくなる

 

ゼロカットシステムについて

・海外取引所では口座がマイナスにならない「ゼロカットシステム」を採用

・利用者は証拠金以上の損失が出ることはなく、安心して取引できる

 

海外取引所は、より多くの利益を追求できるのにもかかわらず、借金を負うリスクがない仕組みが導入されています。

ただし証拠金を全て失ってしまう可能性はありますので、そのことを十分考慮して取り組むようにしましょう。

 

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

リスク警告

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

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