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レバレッジが低ければローリスクという認識は正しいのか?

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  • 2019.04.30.

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  • レバレッジが低ければローリスクという認識は正しいのか?

レバレッジの認識

トレーダーの間では、

「レバレッジが低いと安全」

「高いレバレッジは危険」

という話がまことしやかに語られますが、はたしてこれらの認識は正しいのでしょうか?

 

本記事では、レバレッジの高低とリスクの関係性について詳しく解説します。

 

高レバレッジが危険と言われる理由

「ハイレバレッジは危険」と言われるのはなぜなのでしょうか?

 

実は、高レバレッジで大きな損失を出してしまうのは、「適切なポジション管理をできていない」からです。

具体的に言うと、「資金の残額を顧みずに全力でポジションを建ててしまうから」です。

 

具体例を挙げて説明しましょう。

AさんとBさんという2人の人物がいたとします。

どちらも手持ち資金10万円を入金し、レバレッジ100倍で仮想通貨FXを行いました。

 

Aさんは、ポジションに全力投球し、上限の1,000万円で買いポジションを建てます。

Bさんは、上限の4分の1の250万円分の買いポジションを建てました。

 

AさんBさん
手持ち資金10万円10万円
ポジションの額1,000万円(20BTC)250万円(5BTC)

※1BTC=50万円として

 

ところが、1BTC=50万円から値上がりすると予想したのに対し、ビットコインが値下がりします。

ビットコインが2,000円値下がりすると、Aさんの証拠金維持率は大きく下がりました。

 

AさんBさん
2000円値動きしたときの損益▲40,000円▲10,000円
証拠金維持率67%301%

 

一方で、Bさんの証拠金維持率は300%以上と高いままです。

そうすると、まもなくビットコインは5,000円値下がりました。

 

AさんBさん
5000円値動きしたときの損益▲100,000円▲25,000円
証拠金維持率0%252%

 

Aさんの証拠金維持率は0%になってしまい、ロスカットラインを割ってしまいます。

ですが、Bさんの証拠金維持率は252%と高いまま。

 

Aさんはビットコインが5,000円値動きするだけで入金したお金を失ってしまいましたが、Bさんは、余力を残しておいたので、5,000円分の値動きをカバーできました。

 

このように、同じ資金・同じレバレッジ倍率でも、資金に対してポジションが大きすぎると、ロスカットされやすくなります。

 

つまり、「レバレッジが高いのは危険」というのは、「手持ち資金に対するポジション金額を管理できない人」が「レバレッジ倍率を高くすると危険」ということです。

ポジションさえしっかり管理できれば、ハイレバレッジでもリスクとはならないのです。

 

「低レバレッジ=安全」ではない

ハイリッジに対して、「レバレッジが低いとリスクは少なくなる」と言われますが、実はそう言い切ることはできません。

というのも、レバレッジを低く設定していても、損切りを適切に行えないと損失を拡大させてしまうからです。

 

例えば、一般のトレーダーは、予想とは逆に相場が動いて資産が目減りしても「まだ耐えられる・・・」と離隔するタイミングを逃してしまうことがあります。

 

損切りは損を確定させることなので全てのトレーダーにとって嫌なものでしょう。

特に経験の浅いトレーダーは、損切りを何とか回避したいと考えることが多いはずです。

 

レバレッジが低いと、市場価格が変化しても証拠金維持率の減り方が緩やかになります。

そのため、「ロスカットまではまだ余裕」と思ってしまいやすく、ずるずるとロスカットまで耐え続けてしまうことがあります。

 

しかしロスカットまで余裕があるという思考は、損切りのライン=ロスカットラインと考えてしまっていることから起きてくる考えです。

損切りラインをロスカットラインとして無意識に捉えていること自体が適切ではなく、嫌な損切りから目を逸らしているだけであることに気が付いていません。

 

このように、適切にロスカットを行えていないことが損失を拡大させてしまう一因となっています。

 

つまり、「損切りできるトレーダーならレバレッジが低いとローリスク」ですが、「損切りできないトレーダーはレバレッジが低くてもリスクは高い」と言えます。

 

損切りするためにはどうするべきか

では、損切りが苦手な方が損切りをきっちり行えるようにするためにはどのようにすればいいのでしょうか?

 

それは、損切りを自分の感情とは切り離して実行することです。

具体的には、次の2つを実行するようにするとよいでしょう。

 

  • 損切りラインを必ず設けるようにする
  • 逆指値を入れて自動実行する

 

まず、損切りラインを決めるときは、自分なりのルールを設けましょう。

 

損切りラインの基準となる指標は、価格や変動率、テクニカル、直近の高値(または安値)などです。

何がベストなのかは自分のトレードスタイルで変わりますので、とりあえず取り入れやすいものから試してみるのをおすすめします。

 

なお、「このへんでなんとなく」や「ロスカット直前まで耐える」などは、損切りラインを決めていないのと一緒ですので、損失を抑えることは難しくなってしまいます。

いざとなったときに気持ちが揺らがないように、あらかじめ損切りラインを逆指値しておきましょう。

 

ちなみに、損切りが苦手な人は手動で損切りし、得意な人は自動実行することが多いようですが、自動実行は機械的に損切りがおこなわれるので、心理的なストレスはありません。

 

このように、「自分なりのルールを決めて」「逆指値で自動実行する」ことで、損切りをきっちり行えるようになります。

 

この損切りは、レバレッジ取引でリスクを回避するには必須ですので、ぜひ覚えておきましょう。

 

レバレッジは資金効率の指標に過ぎない

そもそも、レバレッジは資金効率の指標に過ぎません。

 

例えば、100万円分のポジションを建てたい場合、レバレッジ倍率4倍のときと100倍のときで、必要となる証拠金の金額を比べてみましょう。

 

<100万円分のポジションをもつときの必要証拠金>

レバレッジ4倍の場合100倍の場合
必要証拠金25万円1万円

 

レバレッジ倍率4倍のときは、ポジションを立てるのに25万円必要ですが、レバレッジ倍率100倍のときはわずか1万円で済みます。

つまり、レバレッジが高いと、資金効率が高くなるわけです。

 

そして、同じ金額のポジションをもったとき、得られる利益は低レバレッジでも高レバレッジでも変わりません。

たとえば、100万円で2BTCのポジションをもち、ビットコインが5,000円値上がりしたときは、どちらの倍率でも得られる利益は1万円となります。

 

レバレッジ4倍の場合100倍の場合
必要証拠金25万円1万円
ポジションの金額100万円(2BTC)100万円(2BTC)
5,000円値動きしたときの利益+1万円+1万円

 

自分の資金を効率的に使えるレバレッジは、ポジションの自己管理ができる方であればメリットは大きいでしょう。

 

損失をコントロールするのはトレーダーのスキル

大きな損失を招いてしまうのは、損切りが上手くできなかったり、自己資金に対してポジションを多く持ってしまったりすることが要因です。

この「損切り」と「ポジションの管理」のスキルが欠如していると、レバレッジ倍率が低くても高くても、大きな損失を招きやすいでしょう。

 

これはすなわち、この2つのスキルさえ習得すれば、高いレバレッジで効率的に取引を行えるということでもあります。

 

損切りするときに「ルールを決めて」「逆指値で自動実行する」ことを心がけ、ぜひ効率的なトレードを目指してください。

 

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

リスク警告

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

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