6.23のマイナーのビットコイン移動急増は下落のサイン?
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- 2020.06.27.
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- 6.23のマイナーのビットコイン移動急増は下落のサイン?
最近のビットコイン価格はこの1ヶ月ほどの間、100万円を少し超えたり、少し切ったりとはっきりしない動きが続いています。
この動きは2020年5月12日の半減期以降に顕著で、仮想通貨FXに取り組んでいらっしゃる方にとっては何らかの動きのヒントとなる指標が欲しいところでしょう。
特に半減期以降のマイナーの動きは気になるところですが、2020年6月25日のブログ記事「ビットコイン半減期1ヶ月後のマイナーの苦況」内でもご説明したように、これまでのところマイナーはマイニング報酬を一気に移動させていなかったようです。
これはつまり、マイニング報酬で得たビットコインを一気に売るつもりはないことの現れだったといえます。
しかしここにきて、マイナーがビットコインを大量に移動させたという情報が飛び込んできました。
大量とはいったいどの程度の量のビットコインを移動させたのでしょう。
また移動先はどこで、ビットコイン価格への影響はあるのでしょうか。
この情報について詳しくご説明しましょう。
マイナーからのビットコイン流出が急増
ブロックチェーンデータ分析企業Glassnodeが発表しているデータによると、ビットコインのマイナーから移動されるビットコイン量が2020年6月23日に、これまでとは比較にならないボリュームで動かされていることが分かりました。
以下のグラフはGlassnodeが発表している、マイナーから動かされたビットコインボリュームをあらわしたものです。
緑色の折れ線はマイナーへのビットコイン流入量をあらわし、赤い折れ線はマイナーからのビットコイン流出量を示しています。
画像引用:Glassnode Bitcoin: Miner’s Netflow Volume
このグラフ内の右端にある赤色折れ線が、一気に伸びていることが分かります。
これは2020年6月23日の流出量を示しており、そのボリュームは2935BTCとなっています。
これだけのボリュームで流出しているのは、2019年6月以来であり、直近の1年では例がないほどのボリュームです。
別の分析企業でも同様のデータ
マイナーから大量のビットコインが動かされているデータを示しているのは、Glassnodeだけではありませんでした。
ブロックチェーンデータ分析企業であるCryptoQuantのデータも2020年6月23日10時ごろに急上昇を示していることが、仮想通貨アナリストであるCole Garner氏によってツイートされています。
画像引用:Cole Garner Twitter
Cole Garner氏は、CryptoQuantのデータとともに、以下のツイートをおこなっています。
一夜でマイナーから流出が大きく増えました。
ビットコイン10,000ドルになって以来2番目に大きい流出です。
すぐに本格的な売りが始まることが期待できます。
引用:Cole Garner Twitter Google翻訳
マイナーからの流出先の多くは仮想通貨取引所
これほどまでに増えたマイナーからのビットコイン移動先は、実はそのほとんどが仮想通貨取引所に送られていることがGlassnodeのデータで分かっています。
以下のグラフは、マイナーから仮想通貨取引所に移動されたビットコイン量をあらわしたグラフです。
オレンジ色のグラフがビットコイン量を示し、黒色のグラフはその時のビットコイン価格(USD)を示しています。
画像引用:Glassnode Bitcoin: Miner’s to Exchanges
このグラフをみると2020年6月23日にマイナーから流出した2935BTCのうち、仮想通貨取引所に移されたのは2843.9BTCでした。
つまり全流出量の96.89%が仮想通貨取引所に移されていたということになります。
しかもこの日の前日である6月22日、仮想通貨取引所に移されていたビットコインはわずか404BTCであったこともこのグラフから読み取ることができます。
さらに、6月23日の直前や当日にもビットコイン価格はそれほど大きく変動していないことが分かります。
仮想通貨取引所への移動量と価格の関係
ではビットコインのマイナーから仮想通貨取引所へのビットコイン移動ボリュームと、ビットコイン価格との関連性はあるのでしょうか。
このポイントは、おそらく仮想通貨FXを取引している方が最も知りたいところでしょう。
上記のグラフをみるとビットコインの移動ボリュームが増えたタイミングで、ビットコイン価格が下落している時もあれば、そうとはいえないケースもあり、残念ながら相関関係はあるとはいい難い状況です。
マイナーのマイニング量と消費BTC量
マイナーがマイニング報酬として得たビットコイン量と、実際に売却したビットコイン量に関して興味深いデータがあります。
それが機関グレードのブロックチェーン分析データを提供しているByteTreeのデータです。
以下の表が、マイナーのマイニング報酬となるビットコイン量と、換金したビットコイン量、さらに在庫として保有していたビットコインをどれだけ消費したかなどが分かる一覧です。
なおこの表の数値は、2020年6月27日にピックアップしたデータとなります。
このデータをみると、多くのビットコインを仮想通貨取引所に移した6月23日が含まれる1Weekつまり過去1週間のデータでは、Generation(マイニング報酬で獲得したビットコイン)より、First Spend(最初に送ったビットコイン)の方が多く、Miner’s Rolling Inventory(MRI)が124.34%となっています。
これは、在庫として保有していたビットコインを24.34%売却したということを示しています。
そして1Dayつまり1日前のデータでは、MRIは116.56%となり、在庫として保有していたビットコインを16.56%売却したということを示しています。
マイナーはできれば、在庫として保有しているビットコインをなるべく高値で売りたいはずです。
その方が利益が出るからです。
しかし在庫のビットコインをこれだけ売るということは、これだけのビットコインを売らないと赤字になるということがいえ、ビットコイン価格は下落傾向にあると考えることができるわけです。
ビットコイン価格との関連性
上記のデータは、あくまでもマイナーのビットコイン保有量などを調べたデータです。
このデータが全てビットコイン価格と連動しているとはいえません。
それはマイナーがビットコインを大量に売却することで、ビットコイン価格を下落させてしまっては意味がないからです。
価格が下落してしまうと、マイニング報酬をビットコインで得ているマイナーそのものが苦しくなってしまいます。
そのためマイナーはビットコイン市場の状況をみながら、売却に市場が耐えられると判断した時に売却するケースがほとんどであリ、マイナーのビットコイン売却量とビットコイン市場価格が常に連動するとは限りません。
まとめ
ビットコインのマイナーが保有しているビットコインを一気に仮想通貨取引所へ移動させたことに関して、値動きとの関連性も含めてご説明しました。
この動きとビットコイン価格が関係していることを証明することはできませんが、6月23日の翌日24日から、103万円台にあったビットコイン価格は下落し始めました。
そして6月27日19時30分現在、ビットコイン価格は98万円台を推移しており、その傾向は継続されているようです。
ご説明したデータとビットコイン価格との関連性をどうとらえるかは、本記事を読まれた方の判断におまかせしますが、少なくとも今回の場合は価格に影響があると考えるのが妥当ではないでしょうか。