ビットコイン2021.7.20の下落背景と20年後の姿
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- 2021.07.20.
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- ビットコイン2021.7.20の下落背景と20年後の姿
2021年7月20日15時現在のビットコイン価格は29,727.10ドルと、下落傾向が続いています。
特に7月19日に入ってからの落ち込みは大きく、一気に3万ドルを割り込んでしまっています。
この下落の背景にはどんなことがあるのでしょうか。
また、これだけ下落基調が続いていると、ビットコインの将来に対しての不安感も膨らんできます。
ビットコインの短期的予想は現状では難しいものの、長期的な視点でとらえた時、ビットコインはどうなっていくのかについて、仮想通貨の専門家を対象にした調査が実施されています。
現在のビットコイン価格下落の背景と、将来像に関する調査結果について詳しくご説明しましょう。
ビットコイン価格下落の背景に何がある
ビットコイン価格が2021年7月19日以降に大きく下落した背景には幾つかの要素が指摘されています。
その要素をご説明しましょう。
新型コロナのデルタ株による再度の感染拡大
米国における新型コロナウイルスの新規感染患者数が、デルタ株の猛威によってまた増えつつあります。
米国での1日あたりの新規患者数は2021年1月2日がピークであり、30万人近くに上りました。
その後はワクチン接種などの効果が出はじめ、少しづつでも減りつつあったのですが、新型コロナウイルスの変異株であるデルタ株の出現により、新規感染患者数が再び増えつつあります。
2021年7月9日時点では48,241人でしたが、16日時点の新規感染者数は79,310人と再び増加傾向にあります。(NHK発表データ)
米国におけるワクチン接種完了人数(2回の接種を終えた人の数)は、2021年7月20日現在、100人あたり48.57人となっています。
つまり現時点で半数が2回の接種を終えていないということです。
さらにデルタ株にはワクチンの効果が薄いことも指摘されています。
これらのことから、新型コロナによる景気回復は期待していたよりも鈍いのではないかと言われ始めました。
米NYダウ平均株価の大幅下落
米の金融市場では、NYダウ平均株価が大きく下落しました。
以下の画像は、2021年1月19日から7月19日現在までのNYダウの推移グラフです。
画像引用:nikkei225jp
このグラフによると、7月12日時点で34,996.18を記録し、15日には34987.02となっているものの、19日には33,962.04と大きく下落しています。
この下落は、7月12日や15日の高値記録と前述した新型コロナデルタ株による感染拡大傾向の両方が影響していると考えられています。
つまりNYダウが高値を記録した一方で、新型コロナが再び猛威をふるい始めたため、利益確定させるために売却が始まったこと。
さらにその売却益を、非常時の安全資産である米国債に回し始めたことが影響しているとされています。
ビットコインからのリスク回避行動
ビットコインは2021年5月に入って大きく下落した後、下落傾向が続いており、上昇に転じる契機が見出せない状態が続いていました。
さらに新型コロナのデルタ株による再度の感染拡大傾向、NYダウの下落と続いたため、ビットコインから安全資産へのリスク回避行動が目立ってきたというわけです。
ビットコインマイナーによる売却行動も拍車
ビットコイン価格が大きく下落してきたのは、上記だけではありません。
ビットコインマイナーが、マイニング報酬として保有しているビットコインを売却し始めていることが分かりました。
仮想通貨市場におけるオンチェーンデータ分析企業であるCryptoQuantが2021年7月20日にツイートしたデータによると、ビットコインマイナーがビットコインを売却するために仮想通貨取引所へ移動させたビットコインのボリュームが、昨年11月に次ぐ大量のボリュームであることが分かりました。
画像引用:CryptoQuant Twitter
ビットコインマイナーが売却に動いた理由
ではどうしてこのタイミングで、ビットコインマイナーがビットコインを売却する動きにでたのでしょうか。
その理由として幾つかが挙げられています。
まず、世界でも有数のビットコインマイナー拠点地域であった中国において、仮想通貨に関する規制が厳しくなったことがあります。
規制は仮想通貨取引だけでなく、マイニングも規制しており、このことによって拠点を中国から海外に移転させるケースだけでなく、マイニング事業から撤退するマイナーも見受けられます。
つまり拠点を海外に移転するための費用を捻出するため、ビットコインを売却するケース。
さらには事業撤退によって保有していたビットコインを清算するケースもあります。
これらに加え、2021年5月以降から下落傾向が続いているビットコインに明るい兆しがなかなか見えてこないことも、上記に拍車をかけていると考えられます。
ビットコインの将来的展望についての調査
現時点ではビットコイン価格が上昇していく要素を見つけることは難しいですが、将来的にビットコインはどうなっていくと考えられているのかを調査した結果が発表されています。
この調査を実施したのは金融商品や金融ツール、金融関連商品などを比較するプラットフォームであるFinder.comで、42人の仮想通貨専門家に対しておこなわれました。
画像引用:finder.com
ハイパービットコイン化に関する調査結果
この調査では、ビットコインが世界の金融を支配する存在になり得るかどうかを質問しています。
なお調査報告書内では世界の金融を支配することを「ハイパービットコイン化」すると表現しています。
この質問に対し、50%の仮想通貨専門家がハイパービットコイン化すると考えていることが分かりました。
一方、このことを否定した仮想通貨専門家は44%でした。
ビットコインを法定通貨にする動きに関する調査結果
2021年6月24日、エルサルバドルのブケレ大統領が演説をおこない、ビットコインの法定化を9月7日から施行すると発表しました。
この施策に対しては世界中から賛否両論が上がりましたが、このような動きが今後各国で起こるのかということについても調査しています。
この質問に対し、55%の仮想通貨専門家がこの動きは今後他の国、特に発展途上国で広がっていくことが考えられるとしています。
さらにこの動きがどのぐらいの期間で加速するのかという質問に対しては、33%の仮想通貨専門家が10年以内と回答し、21%の専門家は10年以上かかるのではないかと答えています。
今後のビットコインの課題に関する調査結果
調査では、ビットコインの将来に影響する課題についても質問しています。
ほとんどの仮想通貨専門家が同じように指摘していたのは、ビットコインのマイニング環境に関してでした。
特にマイニングによる環境への影響が懸念されていることが、ビットコイン価格に反映されてしまっていると指摘した仮想通貨専門家は93%にも上りました。
なお、その内の31%の仮想通貨専門家は、電力消費に関する事柄が価格に影響していることを指摘していました。
まとめ
ビットコイン価格が、下落傾向に拍車がかかってしまった背景と、将来的なビットコイン像についての総論的な調査結果についてご説明しました。
ビットコイン価格が今後上昇に転じる要素は、現時点では非常に少ないように見受けられます。
ただし、将来的なビットコイン像についての調査結果にあったように、下落する一方では法定通貨としての立場は危うくなってしまいます。
いずれは価格も上昇していくことが予想されます。
また現在の状況であっても、オンチェーン上のデータをみる限りでは、クジラと呼ばれる大口投資家は着実にビットコインを蓄積しつつあるとの説もあります。
これはクジラが、今後ビットコイン価格の上昇を予見しているためともいえます。
仮想通貨FXではともかくビットコイン価格が動いてくれさえすれば、そこに利益を産み出すチャンスがあります。
下落とはいえ、利益を生みだせるのであればトライしてみる価値はあるのではないでしょうか。
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