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第4次FATF対日審査が10.28から実施中、対象となる仮想通貨取引所は?

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  • 2019.10.30.

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FATF

画像引用:FATF

 

2008年にFATFによって実施された第3次対日審査からおよそ10年後の2019年10月28日、第4次対日審査が始まっています。

第3次対日審査の結果は散々なものであり、金融関係者は今回こそは汚名を挽回するべく準備を整えていたといわれています。

 

第3次対日審査の結果はどう悪かったのでしょう。

また今回の第4次対日審査のポイントはどのようなもので、政府としてどのような対策を講じてきたのでしょうか。

 

そしてFATFの審査は、どこの金融関連機関を審査するのか事前に知らされていないとされていますが、金融関連機関が予感することなどはあるのでしょうか。

現時点で明らかになっていることについてご説明しましょう。

 

第3次対日審査の散々な結果

2008年に実施された第3次FATF対日審査では、日本は散々な結果になってしまったといわれています。

具体的にはどのような問題があったのでしょうか。

 

以下の画像は、第3次FATF対日審査における審査結果です。

警察庁刑事局組織犯罪対策部

画像引用:警察庁刑事局組織犯罪対策部

 

この表で分かるように×印が多く、△も目立つ状況でした。

FATFの40あるマネーロンダリングやテロ支援資金供与防止策の勧告のうち、9つに×印が付いています。

これは遵守できていない項目が9つあったということであり、日本は制度そのものに実効性がないと判断されたということになります。

 

このような結果になった理由としては、国がFATFの勧告を制度化しきれていなかった点、そして対象となった金融機関がマネーロンダリングやテロ支援資金供与防止策を書類上のチェックで済ましていた感があると指摘されています。

 

万全の体制で臨む第4次対日審査

第3次FATF対日審査の結果に対して、金融庁だけでなく関係各局が危機感を感じたことから、2011年に犯収法と呼ばれる「犯罪による収益の移転防止に関する法律」を改正しました。

しかしこれも施行の翌年にFATFから不十分だと勧告を受け、再度改正を実施する羽目になってしまいました。

 

これらが契機となり関係各局が本腰を上げたのでしょうか、FATFが2015年に仮想通貨に対するガイダンスを発表した際には、他国よりも素早く対応しています。

なおかつ、2018年2月にも「マネーロンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」を金融庁が発表ししています。

このガイドラインは、第4次対日審査を見据えた体制作りと金融機関への支援が目的とされています。

 

第4次対日審査の審査ポイント

では2019年10月28日から実施されている第4次対日審査はどのようなポイントに重点を置いて審査されるのでしょうか。

FATFの審査は金融関連機関を対象に実施するため銀行なども対象となりますが、本記事では仮想通貨に関してのみご説明します。

 

FATFは第4次対日審査を前提に、10月13日の週にマネーロンダリング対策に関するミーティングを実施しています。

そこで決まった仮想通貨関連企業に対する審査方針について、コイングラフ日本版が報道しています。

 

それによると、ポイントは大きく4つあるようです。

まず1つが、仮想通貨に関わる活動と提供者について、リスク審査と軽減ができているかどうかという点。

2つ目が仮想通貨に関わる企業を国が監督し、登録やライセンスを与えるようになっているかということ。

3つ目に、法令順守していなかった場合に何らかの制裁を課しているかどうか。

4つ目が、他国や国際機関と連携したマネーロンダリングやテロ資金供与対策が取れているかどうかです。

 

また上記に加え、仮想通貨関連企業がマネーロンダリングやテロ資金供与について正しく認識しているかどうか、そしてこれらを事前に防止することができる対策が確実に取れていることを保証するかなども考慮されるようです。

 

どの仮想通貨関連企業が対象となるのか

第4次対日審査は10月28日から11月15日の予定で実施されます。

審査対象は全ての金融関連機関となるため、対象数は非常に多くなり、3週間で全ての対象を審査することはほぼ不可能だと考えられます。

そのため仮想通貨関連企業についても、全てを対象に審査することはまず無理でしょう。

そこで考えられるのは、金融庁に登録されている仮想通貨取引所の一部をピックアップして審査することです。

 

コイングラフ日本版の報道では、仮想通貨取引所はユーザー数や取引量、過去のセキュリティ脆弱性などを考慮して選ばれるのではないかとされています。

 

どこの仮想通貨取引所が審査されるのかが話題になっている中で、今回は審査に来るだろうと明言している企業があります。

それがSBIホールディングスです。

SBI Holdings

画像引用:SBI Holdings

 

2019年1月31日に開催されたSBIホールディングスの2019年3月期第3四半期決算説明会において、北尾吉孝社長がFATFは今度の審査ではSBIに来ると話しています。

 

北尾社長の説では、SBIホールディングスは仮想通貨だけでなく国際送金事業であるSBIレミットや証券事業も展開している世界最大のコングロマリットだからというものです。

実際にFATFがSBIホールディングスを審査するかどうかは不明ですが、北尾社長の発言からは第4次対日審査が入っても問題ないという自信が感じられるものだったようです。

 

第4次対日審査の今後のスケジュール

FATFによる第4次対日審査は、第1週目に関係当局の審査に費やし、第2週目が民間事業者を対象に実施されます。

第3週目は予備および講評となります。

つまり第3週目に日本の関係者はFATFが審査の結果にどのような意見を持っているのかをある程度把握できるはずです。

 

そして来年2020年4月には審査団との対面会合し、争点の整理をおこない、その内容をもって同年6月のFATF全体会合で対日審査結果に関する報告書の討議と採択が実施されます。

報告書内容が公表されるのは、同年の夏ごろになる予定です。

財務省国際局 金融活動作業部会について

画像引用:財務省国際局 金融活動作業部会について

 

審査結果が悪い場合はどうなる

第4次対日審査の結果が公表されるのは上記の通り2020年の夏ごろになる予定ですが、万が一審査結果が第3次対日審査と変わらない、つまり悪いものであったらどうなるのでしょう。

 

実は、FATFの勧告に対して遵守されていない項目が多くても、それに対するペナルティ的なものはありません。

これは第3次対日審査の結果が散々なものであった時も、日本は何らペナルティ的なものを受けていないことからも分かります。

 

しかしFATFは報告書を世界中に公表するだけでなく、非協力的な場合には声明を出すこともあります。

すなわち日本にはこういう問題があるということをオープンにするわけです。

公表されてしまうと、日本と金融取引をする際にはリスクが伴うであろうことが他国にも知られてしまうため、取引そのものが自ずと厳しくなってきます。

こうなると日本の金融システムが成り立ちにくくなってしまうため、ペナルティよりも厳しい措置といえるかもしれません。

 

まとめ

現在審査真っ最中であるFATFの第4次対日審査についてご説明しました。

 

前回の第3次対日審査の結果が非常に悪いものであったため、今回の第4次対日審査は万全の準備を整えていたはずです。

特に仮想通貨に関する規制では、日本は他国よりも厳しく、進んでいるといわれていますが、これも前回の反省を踏まえた結果でしょう。

 

ただし、その審査結果はしばらくの間公表されることはありません。

仮想通貨FXに取り組む人にとっては日本の仮想通貨取引環境がどうなるのか、その行方を左右する結果であり、公表が待ち遠しいはずです。

 

FATFの勧告に沿うべく改善を重ねてきた国や仮想通貨関連企業を信じ、ここは落ち着いて公表を待とうではありませんか。

 

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

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