仮想通貨FXチャート分析の手法44【ストキャスティクス&究極のオシレーター】
- 仮想通貨FX実践
- 上級編
- 仮想通貨FX入門
- 仮想通貨FXチャート分析の手法44【ストキャスティクス&究極のオシレーター】
仮想通貨には欠かすことのできないテクニカル分析。
メジャーなテクニカル指標は網羅されているサイトというのは多いかもしれませんが、マニアックなテクニカル指標でも、実は使いやすいテクニカル指標があったり、仮想通貨のマーケットに当てはめると実はとても便利なものがあったりということが度々あるものです。
しかしマニアックなものは不要という仮想通貨のトレーダーもいれば、実際にどのように使っていいのかわからないと言った声が出ているのも事実です。
解説がないとテクニカル指標というのは使いづらいことでしょう。
仮想通貨FX入門では、メジャーなテクニカル指標からマニアックなテクニカル指標まで個別に解説を行なっています。
またテクニカル指標をどのように併用すべきかというものまで実例のチャートを交えながら解説しており、全て読んで頂くことで基本的なトレードの知識がつくことは間違い無いでしょう。
ここでは仮想通貨取引手法で「ストキャスティクスと究極のオシレーター」の2つを利用したトレード手法をご紹介したいと思います。
ストキャスティクスと究極のオシレーターを利用した仮想通貨取引手法
ここでご紹介する取引手法はテクニカル指標の「ストキャスティクス」と「究極のオシレーター」の2つを利用することになります。
まずはこの2つのテクニカル指標がどのようなものか簡単に振り返りたいと思います。
もしも2つのテクニカル指標がわからない場合は個別にテクニカル指標のみを解説している記事を載せていますのでご覧ください。
ストキャスティクスの基本的な見方
ストキャスティクス(stochastics)は、買われ過ぎや売られ過ぎをチャートの値動きから判断することができるテクニカル分析手法で、オシレーター系の指標となります。
ストキャスティクスと似ている機能としてRSIが代表的なオシレーター系テクニカル指標です。
「%K」と「%D」の2本のラインを利用した、ファーストストキャスティックスと、「Slow%K」と「Slow%D」の2本のラインを利用したスローストキャスティクスの2種類がストキャスティクスの種類として存在します。
ファーストストキャスティックスは、相場の動きに敏感な動きを示すため、トレンドの初動を捉えやすいのですが、一方でサインが頻繁に出るため騙しが多くなることも特徴となります。
スローストキャスティクスは上記の欠点を補助するために開発されたもので、仮想通貨のトレーダーでもこちらを利用することが多いと言われていますが、これはトレーダー次第とも言えるでしょう。
このストキャスティクスは2本のラインから構成されるため、売られ過ぎや買われ過ぎの他にもゴールデンクロスやデットクロスが発生することから、移動平均線やMACDのようにそのクロスを取引サインとして売買判断を行うことも出来るため、仮想通貨のみならず、外国為替のFXや株等投資商品全般のチャートで広く利用されているテクニカル指標です。
究極のオシレーターの基本的な見方
究極のオシレーターとはテクニカル指標を様々考案しているラリーウィリアムス氏によって考案されたテクニカル指標です。
究極のオシレーターは通常のオシレーターでは設定期間によって定めた期間でしか計算を行うことが出来ませんが、オシレーターの本質は相場の強弱をきちんと反映させて動的に変更させることなので、その欠点となっている部分を補助するために考案されました。
究極のオシレーターで利用されている計測期間は7日、14日、28日の3つであり、この3つを設定することで相場を動的に捉えて視覚的に捉えようと試みたものです。
究極のオシレーターの使い方はダイバージェンスを発見することが最も使いやすい利用方法と言えます。
そして究極のオシレーターが30-50でダイバージェンスが発生した場合や、50-70の位置でダイバージェンスが発生した場合は信頼性が大きく上昇すると考えられています。
あまりダイバージェンスを見るためのテクニカル指標というものはありませんが、究極のオシレーターはその点に焦点が当てられて見る指標と言えます。
ストキャスティクスと究極のオシレーターを利用した仮想通貨取引手法
ここから本題の取引手法に移ります。
テクニカル指標の数値の設定はデフォルトのままで問題ありません。
取引ルールは以下の通りです。
①ストキャスティクスが売られ過ぎの範囲であればロングポジションを検討し、ストキャスティクスが買われ過ぎの範囲であればショートポジションを検討
②究極のオシレーターが45以下でロングポジションを検討し、70以上でショートポジションを検討
③可能であればストキャスティクスがゴールデンクロスの場合ロングポジジョンを検討しデットクロスであればショートポジションを検討
取引ルールは上記の3つとなります。
③は可能であれば同じタイミングでエントリーすることがベターですが、必須事項ではありません。
優先すべきは①と②が同じタイミングということを優先するようにしてください。
では実際のチャートで確認してみましょう。
下記はbybitのBTCUSDの日足チャートになります。
まずチェックする点は究極のオシレーターの位置になります。
中段を見るとチャートではそこまで動いていないものの、究極のオシレーターの位置が徐々に低下しているポイントがわかると思います。
テキストで記載した部分が最初のポイントです。
ここで45を割れてきていることから、その後ストキャスティクスをチェックします。
ストキャスティクスは大きく売られ過ぎを割れてきているのが確認できるためここでロングエントリーをします。
エントリーした後必ず行うことは「ストップロスの注文を設定すること」です。
トレーダーで一番負けるタイプはこれが出来ないトレーダーです。
損切りが出来ない=負けを認めることが出来ない
ということであり、メンタルコントロールが出来ていないと同じ意味になります。
仮想通貨の場合トレンドが出ると一気に2倍、3倍に動くことがあるためストップロスは他のプロダクトと比較しても重要なものになるため、必ず行うようにしましょう。
これが出来ない限り負け続けると考えた方が懸命です。
では次に利益確定の位置についてご説明します。
基本的な利益確定のルールは
・究極のオシレーターが70以上となった時
です。
このルールに該当するまでは保有して問題ありません。
また上記のチャートを見ていただくとわかりますが、究極のオシレーターが再度低下し、ストキャスティクス含めてエントリールールに再度該当するタイミングが現れることがあります。
この場合はポジションの積み増しを行いましょう。
ストップロスは引き上げながら損失は限定するようにしてください。
上記のチャートで考えると利益確定はまだ行なっていないことになります。
しかしポジションを積み増すタイミングというのは2度か3度現れている動き方です。
そのためポジションはある程度増加している状態が現在の理想のポジションということになります。
テクニカル分析を応用するのであれば、二番天井が形成されており、そのネックラインを下割れしている動きとなっているため、一旦利益確定をするという手法も利益確定の1つと言えます。
テクニカル分析に正解はない
上記のトレード手法はテクニカル指標を2つ以上利用するための参考トレード手法です。
もちろんこの2つの組み合わせが正解ではありませんし、テクニカル分析は千差万別であり、仮想通貨FXのトレーダーに合うかどうかという点も大きなポイントとなります。
テクニカル分析を行う上で大事なのは、「シンプルなこと」、「性格に合った手法であること」です。
複雑にすればするほど言い訳ではありません。
継続的に勝ち続けているトレーダーは案外シンプルなテクニカル分析を行なっていることが多いとも言えます。
一番大事なことはテクニカル分析を「覚えること」ではなく「理解すること」です。
テクニカル指標の使い方はすぐに覚えることはできますが、それが考案された背景や、計算式まで理解しているトレーダーは少ないでしょう。
テクニカル分析を追求する探究心と継続力が成功の分かれ目とも言えるため、辛い時でも歯をくいしばって努力するようにしてもらえたら、長期的にはいい結果が生まれると思います。