仮想通貨FXチャート分析の手法21【フィボナッチ】
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仮想通貨FXを行う上で欠かせないテクニカル分析。
テクニカル分析でもメジャーと言われるテクニカル指標はいくつか存在しますが、ここではそのメジャーなテクニカル指標の1つでもある、「フィボナッチリトレースメント」について解説していきたいと思います。
このファンダメンタルズではなく、完全に需給で動く仮想通貨の相場だからこそ、テクニカル分析がとても重要であり、かつ、メジャーなテクニカル指標は必ず仮想通貨FXを行う上では知っておくべき知識と言えるでしょう。
今回は「フィボナッチリトレースメント」の基礎からトレードの利用方法まで解説していきたいと思います。
フィボナッチリトレースメントを徹底解説
フィボナッチリトレースメントとは何か?
仮想通貨FXのトレーダーから現物株、外国為替のFXのトレーダーまで幅広く愛されているフィボナッチリトレースメントですが、まず使い方の前にフィボナッチとは何か?について説明したいと思います。
このフィボナッチリトレースメントはフィボナッチ数列を利用して作られたテクニカル指標です。
フィボナッチ数列の歴史は13世紀に遡ります。
この数列の発見者は数学者である、レオナルド・フィボナッチです。
1202年に計算の書というもので公表されました。
隣り合った2つの数字の和をつなげて作られる数列をフィボナッチ指数と言われています。
この数列から計算される比率を黄金比と呼ばれており、これは自然界の中でもこの数列にあてはまる植物や、木の年輪、ピラミッドや歴史的建造物等がたくさん発見されており、マーケットのための数列ではないことが重要です。
自然界で理由は定かではないものの、その比率に基づいて様々なものが形成されていることが多いことから黄金比とも呼ばれています。
これをマーケットに応用したものが「フィボナッチリトレースメント」です。
フィボナッチリトレースメントの算出方法
ではこの数列はどのような計算式で算出されているのか理解しましょう。
フィボナッチ数列は以下のようなものです。
1 1 2 3 5 8 13 21 34 55 89 144 233 ……
見て頂くと気づくかもしれませんが、直前の2つの項の和が次の項の値になっています。
1+1=2、1+2=3、2+3=5、3+5=8と表すと理解できるのではないかと思います。
この数列の特徴を簡潔に表したものが下記になります。
- 任意の項で、その1つ前の項を割った値は0.618に収斂する動きとなる。
- 任意の項で、その2つ前の項を割った値は0.382に収斂する動きとなる。
- 任意の項で、その3つ前の項を割った値は0.236に収斂する動きとなる。
この収斂する数字の位置がフィボナッチ数列から計算された重要なラインということになります。
特に61.8%は「黄金比」と呼ばれており、トレードをする場面でもこの比率はマーケットのレポートや解説、重要な節目等様々な場面で、出てくる比率でもあるため必ず覚えておきましょう。
フィボナッチリトレースメントの見方
フィボナッチリトレースメントは一定の比率を目安に押し目をラインを探るために用いられます。
その比率は「0%, 23.6%, 38.2%, 50.0%,61.8%,76.4%,100%」となっており、トレーダーが利用する目処のラインとなります。
フィボナッチリトレースメントは相場が大きく上昇したり、急落したりした後の戻りの目処を探るために利用されることが多いです。
では実際にチャートでどのようにフィボナッチリトレースメントが機能し、トレーダーがどのように利用しているか見てみましょう。
下記のチャートはbybitのBTCUSD4時間足チャートです。
チャートは一度上昇した後天井をつけているのがわかると思います。
そのため上昇する前の最安値から、天井をつけた位置でフィボナッチリトレースメントをチェックします。
ご覧頂くとわかる通り、一旦トレーダーが常に注目する38.2%戻しの位置で綺麗に止まっていると思います。
その後反発も次の目処である23.6%の位置で頭を抑えられて再度下落しており、フィボナッチリトレースメントがどれだけ機能するのか上のチャートから理解できるのではないかと思います。
基本的に上のチャートのように大幅な上昇が起きた場合にトレーダーが考えることは「どこまで相場が下押ししたらロングでエントリーしようか」ということになります。
トレーダーはもちろんできるだけ低い位置でエントリーしたいため、その目処を何かしらの方法で探しにいきます。
そこで使われているのがこのフィボナッチリトレースメントということになります。
フィボナッチリトレースメントの注意点
フィボナッチリトレースメントは自然界の数列から計算されているため、ある意味自然界の摂理でもあるため信用しやすい目処ですが、もちろん注意点があります。
それはあくまで相場が調整のために止まりやすい位置をいくつかの数列で教えてくれるだけであり、どこで止まるかは全くわからないということです。
もちろん「3分の1戻し」、「半値戻し」、「3分の2戻し」等よく説明で使われる目処はとても大事なのですが、そこで止まるかどうかの判断はまた別途オシレーター等でしっかりと分析して考える必要があります。
またフィボナッチリトレースメントが機能するのは、安値と高値が正確に把握できた場合であり、フィボナッチリトレースメントを計算するために利用した高値や安値が正しくなかった場合は、比率自体が機能しなくなるため注意しましょう。
初心者の時期に自分で考えた位置でフィボナッチを引いたものの、全く目処とは異なる位置で止まったりすることが多々あると思います。
その場合はローソク足の時間軸を伸ばしたり、明らかに高値や安値が把握できる位置でチェックしてみましょう。
フィボナッチリトレースメントと併用すべきテクニカル指標
最後にフィボナッチリトレースメントをより有益に使いこなすために、どのようなテクニカル指標と併用すべきかご紹介したいと思います。
①移動平均線との併用
これはトレンドがしっかり出ているのか確認してからフィボナッチリトレースメントを使うようにするためです。移動平均線がゴールデンクロスしていることや、移動平均線の位置とフィボナッチリトレースメントが目処となるラインに合致していたらエントリーする等ルール作りがベターと言えます。
②レジスタンスラインやサポートラインと併用
トレンドが出ている場合は明確にレジスタンスラインやサポートラインがチャート上で引けると思います。
そのレジスタンスラインやサポートラインがフィボナッチリトレースメントの目処となるラインと合致することで、押し目と捉えエントリーしやすくなるためトレンドラインは併用しやすいテクニカル指標でしょう。
このようにテクニカル指標は併用することで、単体で利用する以上に有益な取引判断の材料となります。
逆に1つのテクニカル指標のみで取引し、継続的な利益をあげることは難しいため、必ず上記のような方法で「何が失敗を少なく、シンプルな取引判断を行うことができ、利益を上げることができるのか」自分自身で考えてみてください。