ビットコインが中長期的な強気相場入りとの主張
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- 2020.08.26.
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- ビットコインが中長期的な強気相場入りとの主張
ビットコイン価格は2020年3月に新型コロナウイルスの影響で大きく価格が下落しましたが、8月17日には130万円台に到達(tradingviewデータより)するなど盛り返したものの、現在は少し値下がりしてきています。
2020年8月25日の夜の時点では123万円台を推移していますが、大きく値下がりするわけでもなく、ここ数日は125万円付近をうろうろしている状態が続いています。
つまり一時よりは少し値下がりしたものの、大きく下がるのでもなく、上がるのでもないという状況が続いているということです。
今後ビットコイン価格はどのような動きになっていくのでしょうか。
以前から本サイトでは、ビットコイン価格は中長期的に上昇していくとの説を何度かご紹介していましたが、仮想通貨取引所の開発メンバーが中長期的な強気相場に突入したとの説をSNSで発表しています。
彼の主張とはどのようなもので、その根拠とはどういうものがあるのでしょうか。
この説について、詳しくご説明しましょう。
仮想通貨取引所の開発メンバーが強気相場の始まりを示唆
125万円付近を推移し続けているビットコインについて、米の大手仮想通貨取引所Krakenの事業開発ディレクターであるDan Held氏が、強気相場が始まったことを5つの理由とともにツイートしました。
画像引用:Dan Held Twitter
Dan Held氏が主張する強気相場突入の理由
Dan Held氏はTwitterの中でビットコインに関するデータや状況、さらに世界的な経済状況など、ビットコインが強気相場に突入している5つの理由を説明しています。
その5つとは以下のようなものです。
1.UTXOの97%が利益を上げている
2.ビットコインの61%が1年以上移動していない
3.半減期を迎えた
4.中央銀行のマネー印刷がオーバードライブしている
5.GDPと世界の債務の比率が、記録された平時の歴史の中で最も高い
引用:Dan Held Twitter Google翻訳
このそれぞれについて詳しく説明していきましょう。
1.UTXOの97%が利益を上げている
ここに出てくるUTXOとは「Unspent Transaction Output」の略で、日本では「未使用トランザクションアウトプット」と呼ばれています。
未使用というのは、まだ送金として消費されていないアウトプットのことで、簡単に説明してしまうと、残高とほぼ同義といえます。
すなわちDan Held氏は、残高の97%が利益を上げていると説明しているわけです。
Dan Held氏の主張を裏付ける発表をしているのが、仮想通貨データ分析企業であるGlassnodeです。
Glassnodeは2020年8月17日に同社の週刊レポート「The Week On-Chain (Week 33, 2020)」内で、BTCのUTXOに関するデータについて発表しています。
画像引用:Glassnode
Glassnodeが発表しているデータによると、BTCのUTXOのうち97%以上に利益が上がっている状態であることが分かります。
さらにGlassnodeは、この状態について以下のように説明しています。
UTXOの97%以上が現在利益を上げているという事実は、価格が現在よりも高いときに作成されたのは3%未満であることを意味します。
引用:Glassnode Google翻訳
またUTXOが95%以上になっている場合には、BTCは短期的に大きな利益を生み出しているとも説明しています。
2.ビットコインの61%が1年以上移動していない
ビットコインの長期保有者が増えていることについては、本サイトのニュース記事でも何度かご紹介していますが、2020年8月24日にはカストディサービス会社であるCasaの共同設立者兼CTOであるJameson Lopp氏も似た内容の情報をツイートしています。
画像引用:Jameson Lopp Twitter
Jameson Lopp氏は、ビットコインの全供給速度と過去1年の間に一度でも取引されたビットコインの供給速度の対比グラフを示しながら、以下のように説明しています。
ビットコインの総供給と1年間のアクティブな供給(つまり、昨年内に少なくとも1回トランザクションされた供給)の速度は、2011年以降見られなかった最低値に達しています。ビットコインを手放したくない人がいます。
引用:Jameson Lopp Twitter Google翻訳
つまりJameson Lopp氏は、ビットコインに投資している人々のうち、長期保有している人の率が増えていることを示しているわけです。
これはすなわち、今後ビットコイン価格が上昇すると考えている人が増えているということをあらわしています。
3.半減期を迎えた
これは今年3月にビットコインが半減期を迎えたことを指摘しています。
半減期は、ビットコインのマイニング報酬が半分になることを指しますが、報酬が半分になってしまうことで必然的にビットコインの市場への供給量が減り、ビットコインの価値が高まっていきます。
つまりビットコイン価格が上昇しやすい環境にあるということです。
4.中央銀行のマネー印刷がオーバードライブしている
この一文は、新型コロナウイルスのパンデミックにより各国の中央銀行が経済対策として量的緩和などをおこなっていることを指しています。
2020年7月29日付けのニュース記事「米の追加景気刺激策がビットコイン価格をさらに上昇?」内でも紹介したように、米では景気刺激策として1,200ドルの給付金を支給しており、その後仮想通貨取引所に1,200ドルの入金が相次ぎました。
つまり過剰な現金給付によって、給付された現金がビットコイン市場に流れ込んでいることがビットコイン市場を強気にすると説明しているわけです。
5.GDPと世界の債務の比率が、記録された平時の歴史の中で最も高い
この内容は、「4.中央銀行のマネー印刷がオーバードライブしている」とリンクするもので、経済対策の量的緩和政策によってGDP以上の紙幣が印刷され、債務比率が上昇していることを指摘しています。
債務比率が上昇していくと、その国の法定通貨の価値が下がってしまい、信頼性が損なわれることにつながっていきます。
特に現在、そのことを危惧されているのが米ドルですが、世界の基軸通貨である米ドルの価値や信頼性が揺らいでしまうことを恐れ、ビットコインへの投資が進んでいるといわれています。
まとめ
ビットコインが中長期的に強気相場に突入したと主張している説の理由についてご説明しました。
理由の一つ一つは確かにその通りであり、主張の根拠として疑うべき要素は見あたりません。
しかし中長期的に強気相場に突入していたとしても、短期的には下落する場面もあるはずです。
特に、比較的短期間の取引が多い仮想通貨FXでは、短期的な下落であっても損失につながってしまう可能性もあります。
今の時期の仮想通貨FXで利益を出していくには、チャートをしっかり分析するとともに、大量の取引で大きな利益を狙うのではなく、少ないポジション数で長い期間を掛けて利益を上げていくのが良いのかもしれません。
仮想通貨FX取引の参考になさってください。