仮想通貨FX取引の基礎理論4【ギャン理論4】
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仮想通貨の世界に関わらず投資を行い利益を出すということはとても難しいものです。
確率的にはう「上か下か」という2分の1のようにも見える投資ですが、実際に利益をあげ続けているのは1割から2割と言われています。
しかしなぜこのように勝てる割合が少ないのか。
その根本的な理由として知識や勉強不足ではなく、それ以前に「最大の敵は自分自身」ということを理解していないことが大きいと言われています。
しかしその原因についてしっかりと理解しているトレーダーというのが少ない現実があります。
そのため負け続けるほど知識やチャートの勉強を振り返って行うトレーダーは多いものの、心理的な部分についての勉強は疎かになってしまいやすいものです。
なぜそのように陥ってしまいやすいのか根本的な要因について学ぶ必要があることを理解すべきでしょう。
連載記事として「ギャン理論」を解説しています。
「ギャン理論」とは米国の投資家が28項目の有名な格言を公表しており、現代の米国金融の投資家やトレーダーにもバイブルとして長い間読まれているものがあり、投資家やトレーダーの心理的な側面、そして行なってはいけない重要なことが記載されているためしっかりと格言の意味を理解することで今後の投資判断を行う上で重宝される格言と言えるでしょう。
ここでは「ギャン理論」の21項目から解説していますので、それ以前の項目についてはまた別途記事(1~6項目,7~13項目,14~20項目)をご参照ください。
ギャン理論21~28
21. トレンドが明確な時だけピラミッディングする
ギャン理論はトレンドフォロー型の中長期トレードを意識して格言が記載されているため、これもトレンドに乗った時のことについて記載されています。
ピラミッティング(ポジションの積み増し)というのは利益を最大化するために必須のことであり、中長期的なトレーダーがトレンドに乗ったときは必ず行うべきものです。
トレンドフォローの基本として最初は資産の10分の1からエントリーし、ピラミッティングをしながら、ストップロスの注文を引き上げつつ損失をコントロールし、利益の最大化をするというスタイルが基本となっています。
ピラミッティングはこれまでの記事でも記載したように心理的に実際に行うとなると負担が大きいものです。
エントリー時から悪いコストでポジションを積み増すことになるためブレークイーブンポイントは引き上げられます。
そのため難しい取引手法と解説されているところもありますが、単純にルールを守れば難しいものではありません。
難しいのはドローダウンにも耐えることができるか?という「自身の精神力」の問題でしょう。
トレンドに乗った時はストップロスのラインを引き上げつつしっかりとついていくことが中長期的に見たら高くなるため、ファンドマネージャー等はこのピラミッティングを行なっている人が多いとも言われています。
「引く時はすぐに損切りで撤退する勇気も大事であり、攻める時は一気に利益を上げるために攻める」
というメリハリをつけたトレードが有効ということです。
22. ヘッジの両建てはするな
これはナンピンと同様に意味のない取引と言えます。
たまに損失確定をしたくないがために、同様のポジションを逆に取りリスクをヘッジするような形でポジションを保有するトレーダーがいます。
しかしこれはコスト面から見ても事実上ポジションを外したことと同様になるため経済合理性から言えば無意味と言えるでしょう。
しかしここで1つ注意点があります。
両建てをわざと行うプロがいますがこれは決算や、確定申告上の利益の幅を調整するために用いる手法は存在します。
ポジションをクローズさせた時点で「実現損益」と認識されますが、一旦利益確定はしたいものの、この評価益を実現益として発生させたくない状況が発生することもあります。
その場合に両建てを行い事実上利益確定のような形でポジションを取り、実現損益として計上してもいいタイミングで両建てのポジションをどちらも外して決済する方法は存在するため、使い方によっては両建ても意味があるものと言えます。
ギャン理論の格言の中の意味は「悩んでいるときに両建てをして心理的な負担を軽減させたいだけなら、一旦手仕舞ってください」ということを伝えたい格言です。
トレードを行う際に負けを認めず両建てて一時凌ぎをすることだけはやめましょう。
そして両建てはポジションを外すときにoffer-bidのスプレッド分の無駄が発生します。
決して経済的にもいいものではないため注意しましょう。
23. 十分な理由がなければポジションを決済してはいけない
これも以前の出てきた格言である「耐えよ。焦るな。」という格言とほぼ同義です。
「しっかりとした理由を持ってポジションを持ち、評価益が上がっている場合は、その利益を最大限伸ばせるよう安易にポジションを外すようなことはするな」ということです。
目の前でリアルタイムで動いている評価益を確定させ心理的な負担を解消したいと思う気持ちが人間の当然の感覚であるものの、その感情に任せて利益確定をしている場合は、その1トレードのみで見ると、勝ちのようにも見えますが、これを繰り返すと、結局リターンも大きく上がらないようになっていきます。
「利益を出した時の利幅と損切りを行うときの損失の幅」が1対1であればトータルリターンが出ないのは当然です。
ちなみにこの格言に類似して大事なことは「ストップロスを変更しない」というものがあるため一緒にチェックしましょう。
24. 儲けた後は、取引量を減らす
これは自分の精神的な動きを抑え冷静に次のトレードを判断させるために重要なものになります。
筆者の感想にもなりますが、この格言はとても大事で常に意識しているものです。
どうしても人間というのは利益が上がってしっかりとしたいいトレードが出来ると、気持ちが高揚してしまうものです。
しかしその心理的な気持ちの値動きは冷静な判断を下す邪魔をしてしまいます。
少しルールに当てはまっていなくても取引をしてしまったり、次も稼げると過信しトレードした結果大きな損失を被る等よくある話です。
そのため、利益がしっかりと出たトレードをした次のトレード(特に大きく利益が上がった場合)は取引量を半分や4分1に減少させて、気持ちを落ち着かせるある意味リハビリトレードを行うことはとても大事です。
トレードチャンスは相場ではいくらでもあるため焦らずしっかりとチャンスを待ち、冷静なトレードをするよう心掛けましょう。
25. 相場の天井/底を推測しない
よく経済ニュースや相場の予想で、その日のレンジや高値安値を予想しようとする人がいます。
しかし相場の天井や底を予測するのは不可能であり、誰一人そんなことはわかりません。
相場で継続的な利益を上げるための重要なポイントとしては「相場が正しい」ということを認識し、自分自身が予想した信頼できるものでも無い高値や安値の予想に捉われず、柔軟な見方で相場を見る方が賢明でしょう。
そのため自分自身でも自分を信用して高値付近で売りたいとか、底で買いたいとかは思わずに、ルールに基づいてエントリーや利益確定等を行うということが大切です。
26. 他人の意見には従うな。自分で研究せよ
これは今後仮想通貨のトレードを行う上でとても重要なことです。
今ではツイッターやサロン等解説しエントリーポイントをリアルタイムで配信して、それを参考にして取引を行う人が出てきていますが、いずれ負ける運命にあるとも言えるでしょう。
また自分自身のお金を人の意見のみでトレードした場合に負けたとしても自分の糧に何もならずただお金をドブに捨てているようなものです。
また他人が意見を述べていることを聞き、一般大衆がみんな認識していることで方向性が合致している場合に同じ方向へ「みんなが言っているから」と言ってポジションを持つことは心理的な不安は少ないと想定されますが、結果的には負けることでしょう。
最初述べたように相場の世界は1割から2割の人しか利益を出し続けることができないマーケットです。
そのようなマーケットにも関わらずみんなと同じ方向へトレードしたところで、勝てるわけもなく、やはり利益を出し続けているトレーダーは自分で徹底的に研究し他人の意見に惑わされずトレードを行なっているものです。
単純に人の意見で勝てるほど甘くは無いマーケットということです。
楽して勝とうとせず、最初は辛くても一生懸命勉強し、他人の考え方は参考にしても、その表見上の意見だけでトレードは絶対やめましょう。
27. 損失が出た後は取引量を減らせ
これは「儲けた後は取引量を減らす」という格言の逆を意味しています。
人間は利益を上げた後は高揚して迂闊にトレードをしがちですが、まだ利益が上がっている状態からその行動をすることで利益がなくなることはあってもトータルで損失が生まれることは少ないと言えます。
一番危険なのが、「損失が出た後の次のトレード」です。
その人間の心理を表したもので「サンクコスト効果」と呼ばれるものがあります。
これは損失が出たトレードを次のトレードで取り返そうと考えてしまう人間の心理を表しており、損失が出た時以上のトレードを行なったり、値動きの大きいもので取り返そうとする感情を示しています。
しかしこれはすぐに資産を失うトレーダーの典型的なパターンと言えるものです。
そのため、損失が出た場合次のトレードは投資元本を減らしてまずは取引を行い、精神的に安定させるようにしましょう。
トレードの最大の敵は「自分自身」であり、感情のコントロールが一番重要です。
このように損失が発生した場合の対処法としてこの格言を覚えておきましょう。
28. 間違ったポジションメイク・間違った決済をしない
これは至極当然の格言とも言えるでしょう。
間違ったポジションメイクをするという正確な意味合いは分かりかねる部分もありますが、仮想通貨で置き換えて考えると、「安易な理由なきポジションメイクはするな」ということで整理できそうです。
また「間違った決済をしない」ということも、「ルールなきイグジットはするな」ということと想定できます。
何を持って間違っているのかという定義は記載されていませんが、最後を締めくくる格言からすると、これまで説明してきた27項目を総括した一行とも言えるでしょう。
ギャン理論はトレードの大事なバイブル
ここまで4回に分けてギャン理論について解説していきました。
4回に分けて1つ1つ解説した意味はただ1つで
「この格言、そしてその言葉の裏側にある意味合いがとても大事だから」
です。
仮想通貨FXを始めようとしている方も投資全般を始めようとしている方も同じで、何から始めて行けばいいかと思い最初に行うことは本を読んだり、テクニカル分析の知識をつけて勉強したりする方が多いですが、それ以前に大切なことである「セルフコントロール」や「人間の心理的弱さの理解」、「自分自身が最大の敵」というポイントが理解できていない方も多いのが事実です。
ここまで読んでいただいた方で、格言で行なっては行けない行動に当てはまることを行なっていた方がほとんどだと思います。
「わかっていてもしてしまう」というのが人間でありそれはしょうがない部分でもありますが、しっかりと反省して次のトレードでは行わないように自分自身を成長させ、継続的に利益を上げ続けるトレーダーを目指しましょう。
仮想通貨FXでは値動きが大きいため特に一回もミスが命取りになるため自分に厳しく取り組むよう心掛けてください。