仮想通貨FXチャート分析の手法29【エリオット波動】
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仮想通貨という新しいプロダクトが投資対象として認識され始めている中、これがどう言った動き方をするのか理解できている人は世界のどこにもいない状況です。
現在はどのような投資が一番効率良く予想できるのか、どのように利用することで利益を出すことができるのか日々研究が続いています。
仮想通貨はテクニカル分析が重要視されるプロダクトと言われており、ファンダメンタルズ分析はあまり機能しないと言われています。
これは仮想通貨に外国為替のような「金利」という概念が存在しておらず、中央銀行のような存在もないようにボーダレスな存在であることから、ファンダメンタルズというものがほとんどないものになります。
そのため消去法的にテクニカル分析を頼る投資家や仮想通貨FXのトレーダーがいるということでしょう。
そして重要なのは、相場を作り出すのは人間です。
つまりチャートを見てトレードをする投資家が増える以上、これまでの外国為替のFXや株のチャート分析等を参考に投資をし始めることは当たり前であり、チャートは人間のセンチメントを映し出しているだけになります。
つまりチャートの動き方というのはどのプロダクトでも共通点というものが必ずあります。
その相場の共通する動き方で有名なものが「エリオット波動」です。
これは人間が作り出す相場の周期を表しており、どの投資商品をトレードするにも大事なものになります。
ではそのエリオット波動について解説したいと思います。
エリオット波動と見方
エリオット波動とは
エリオット波動理論は1920年代から1930年代にラルフネルソンエリオット氏という株式市場アナリストが考えて公表し、確立させたものです。
面白い点は、当時はエリオット氏のようにサイクルがあるとはアナリストは考えておらず、マーケットは常に無秩序な状態であると考えて分析を行なっていました。
公表後も賛否両論が出ていましたが、結局現在では、エリオット波動というサイクル理論は重要なサイクル理論の1つとして定着し、トレーダーやファンドマネージャー等相場を予測する全ての投資家に予想する際の重要なツールや考え方として浸透するようになりました。
エリオット氏が考えたこのベースとなる心理的な要素は、
「マーケットは直線で動くようなものではなく、一定の波動が作られながら形成される」
ということです。
別途サイクル理論の1つで「ダウ理論」というものがありますが、これもエリオット波動を研究して作られたものになります。
エリオット氏がこのサイクル理論を考えた理由は、相場の動きを見て明らかに共通する動きが何度もあるということを発見し、それが短期のチャートでも長期のチャートでも確認することが出来たためです。
そこから将来を予想するための重要な手法となると考え、エリオット波動という理論を公表しました。
エリオット波動の基本的な動き方
ここからエリオット波動の動き方について解説したいと思います、
まず基本的な動き方は「5派で形成される上昇トレンドと、その後の3派で形成下落トレンド」というものになります。
では実際にどのような動きになるのか下記をご覧ください。
これは基本的なエリオット波動の動き方になります。
簡単に説明すると「2度の高値更新と1度の安値更新」ということを繰り返すことになります。
下降第3波は調整局面ということになりますが、またこの後再度上昇のサイクルに戻るという考え方になります。
エリオット波動理論には3原則というものがあるため、それをご説明したいと思います。
エリオット波動の3原則
エリオット波動と判断する原則が3つあります。
①上昇波動の第3波が上昇するタイミングは第1波と第5波と比較して一番短くなることはない
②第2波が第1波の最初のラインを下回るとはない(必ず底値は切り上げるということ)
③第4波が第1波の高値を割り込んで下落することはない
この3つがエリオット波動の原則となります。
よくマーケットでは3の法則と言われることがありますが、エリオット波動もその1つと言えるでしょう。
3の法則とは、「三番天井つけると超えることは難しい」や、「3回高値を更新すると一旦頭打ち」等意識される回数のため合わせて覚えておくと便利です。
この3つの原則は常にマーケットで生じるものではなく、あくまでマーケットで起こりやすいサイクルの1つという捉え方をしてください。
トレンドや動き方は状況に応じて様々であり、特に仮想通貨のように流動性が薄く、値が飛びやすい場合、条件に当てはまらないものの、よく見ると形状は似ているということが往往にしておきます。
これは仮想通貨特有の値動きの大きさからそうなるものであるため、少し見方を仮想通貨として修正しながら俯瞰して見ることが必要かもしれません。
エリオット波動はどのように役に立つのか?
次にエリオット波動の動きを覚えることによってどのような役に立つのかをご説明します。
結論は「相場の転換点を捉えやすいこと」です。
例えば上昇局面に置いて高値を既に2回更新して上昇しているタイミングがあったとすれば、それはエリオット波動で言う所の第5波の局面に入っているのは想像がつくでしょう。
そのため次の高値を迎えた後は一旦調整の下落局面が来ると予想できるため、取引はショートからエントリーする方がベターという判断が可能となります。
エントリーポイントに関してはエリオット波動だけでは明確にすることはできません。
やはり他のテクニカル指標を併せて利用しながら取引することは必須となります。
その1つのエントリー判断のための指標としてオススメするのは
「フィボナッチ数列」
です。
これは別途解説しているためその記事をご覧ください。
フィボナッチ数列を用いて調整の第3波がどこで収束し再度上昇しやすいのか、また下落第1波がどの位置で止まりやすいのか予想する手段となります。
なぜこのフィボナッチ数列で判断することをオススメしているかというと、両者ともに人間のセンチメントを表しているからです。
エリオット波動も人間の感情が揺れ動く中、センチメントがトレードに出た結果のサイクルの癖であり、フィボナッチ数列も自然界の黄金比率であるためです。
エリオット波動はこのようにトレードで大きな流れを捉えるためにはとても有用であり、他のテクニカル指標と併用することでトレンドを間違えず取引の負けを少なくすることが可能となります。
エリオット波動の大きなチャートパターン
最後にエリオット波動の大きな波動のパターンをご紹介します。
エリオット波動は6つの波動で分けられます。
①I波動 これはシンプルな上昇と下落の波動のパターンになります。この波動は1つのラインだけを中心に見た場合の分類になります。一方方向の相場は有り得ないため、いずれは次の波動に変化していくことになります。
②V波動 I波動の上昇、下落後の再度上昇に転じる波動となります。
③Y波動 レンジのような上下の動きを繰り返しつつも、そのレンジが広がっていく波動です。
④P波動 レンジのような上下の動きを繰り返しつつも、そのレンジがだんだん縮小する波動です。
⑤N波動 I波動とV波動の合わさった波動です。基本的なパターンでこれが基本となります。
⑥S波動 相場が急激に動き、サポートラインやレジスタンスラインを突破した時に生じる波動です。
エリオット波動は相場のタイミングを測る重要なサイクル
エリオット波動はこれまでご説明した通り、サイクル理論では基本中の基本であり、相場で利益をあげようとする者であれば覚えておくべき内容ということはご理解頂けたかと思います。
サイクル理論は他にもダウ理論という代表的な理論もあり、こちらも併せて覚えておくべきでしょう。
サイクルが頭に入れば次に勉強すべきことは「チャートの典型的なパターンを覚えること」です。
二番天井や三角保ち合い等色々、サイクルの中で現れやすいチャートの形状というものが存在します。
この形状が頭に入っていることで取引が格段に行いやすくなるでしょう。
是非次の勉強内容としてチャートの形状を勉強してみることをオススメします。
そうすることでどのテクニカル分析を利用すべきかが自身で判断ができるようになるでしょう。