Bybitの条件付き注文の種類と設定方法
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- 2020.12.29.
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- Bybitの条件付き注文の種類と設定方法
仮想通貨FXの取引には休日がありません。
24時間365日取引がおこなわれているわけです。
そのため寝ている間や値動きをチェックできない時に大きく価格が動くことがあります。
これではせっかくの利益獲得のタイミングを逃してしまいます。
そこでBybitが用意しているのが、条件付き注文という注文方法です。
これは価格が幾らになったら買いを入れる、売りを入れるなどができるというものです。
この条件付き注文方法をマスターしておくと、常にチャートをみる必要から解放されるだけでなく、一定の利益を確保できたり、損失を最小限に抑えることも可能になります。
そこでBybitの条件付き注文の種類や詳しい設定方法などについてご説明しましょう。
是非、実際の取引に活用してください。
目次
条件付き注文とはどういうものなのか
Bybitの条件付き注文とは、成行または指値で注文が執行されるよう条件をつける注文方法です。
たとえば、
- 「ある条件を満たしたら成行で買い注文が発動する」
- 「ある条件を満たしたら指値で売り注文が発動する」
などの条件付きの注文を行えます。
注文が発動する条件=トリガー価格
注文が発動する条件を「トリガー価格」といいます。
一般的には「トリガー価格」の指標として市場価格が用いられますが、Bybitの場合は次の3種類から選択できるようになっています。
- 最終取引価格
- インデックス価格
- マーク価格
最終取引価格
最終取引価格とは最後に成立した取引価格のことで、いわゆる市場価格のことです。
Bybitのデフォルトでは、この最終取引価格がトリガーの指標として選択されています。
インデックス価格
インデックス価格とは、複数の取引所の価格を参考にした現物価格を指します。
トリガーの指標としてインデックス価格を選択したときには、現物価格を目標とした注文内容になるわけです。
マーク価格
マーク価格はロスカットのトリガーとして使われたり、保有しているポジションの損益計算に用いられたりする、トレーダーにとって非常に重要な指標です。
損切注文するときに、トリガーの指標としてこのマーク価格を選択すると、ロスカットされる前に確実に損切注文が実行されます。
逆指値注文(ストップ注文)がおこなえる
逆指値注文はストップ注文とも呼ばれ、現在よりも不利なレートを使用して発注する注文の方法のことです。
たとえば現在のレートが1BTC=9000ドルのとき、逆指値の売り注文では1BTC=8500ドルという現在よりも不利な(安い)レートを指定して注文を行うものです。
Bybitの条件付き注文ではこのような不利なレートも指定できるため、条件付き注文から逆指値注文に利用することができます。
Bybitの条件付き注文の考え方
条件付き注文の考え方をわかりやすく整理するため、記号を使ってフローにしてみると以下のようになります。
- ➀AがBドルになったとき
↓ - ②Cを使って
↓ - ③Dを行う
各記号の意味は以下のようになります。
- A・・・最終取引価格 or インデックス価格 or マーク価格
- B・・・トリガー価格(数値)
- C・・・指値○○ドル(※) or 成行
- D・・・買い注文 or 売り注文
- ※○○は指値価格
条件付き注文を行う前に上記A~Dの4つの項目を整理しておくと理解しやすく、設定する際にもすぐに入力できるので便利です。
ではこのフローを使い、条件付きで成行注文、指値注文を行うときの具体例を見ていきましょう。
条件付き成行注文の例
現在ロングポジションを保有している状態で、8500ドルで損切を予約しておきたい場合、フローは次のようになります。
- ➀A[マーク価格]がB[8500]ドルになったとき
↓ - ②C[成行]を使って
↓ - ③D[売り注文]を行う
マーク価格が8500ドルに下落したとき、自動的に成行で売り注文が出て、すぐに市場価格で約定する設定になります。
条件付き指値注文の例
現在価格1BTC=9000ドルだが、10000ドルを突破するとトレンドが発生すると考え、10000ドルを突破したら指値で買い注文を出したい場合には次のフローとなります。
- ➀A[最終取引価格]がB[10000]ドルになったとき
↓ - ②C[指値 10010ドル]を使って
↓ - ③D[買い注文]を行う
最終取引価格が10000ドルに上昇したときに、10010ドルの指値で買い注文が出される注文内容です。
通常の指値注文と同様に注文は取引板に掲載され、指値価格の条件に合致したときにのみ約定します。
指値価格とトリガー価格の考え方
条件付きから指値注文を行うとき、「指値価格」を「トリガー価格」よりも不利な条件で入力すると約定しやすいでしょう。
買い注文であれば「トリガー価格よりも高い指値価格」、売り注文であれば「トリガー価格よりも安い指値価格」ということです。
たとえばトリガー価格[9000]ドルで、[指値9050ドル]で買い注文をすると、オーダーブックの最良値となるため、すぐに約定する可能性が高くなります。
なお9050ドルの指値であっても、9010ドルで売り注文が出ていた場合には9010ドルで約定します。
条件付き注文の具体的設定方法
条件付き注文の具体的設定方法について、インバース無期限契約とUSDT無期限契約に分けて解説しましょう。
インバース無期限契約の条件付き注文設定方法
インバース無期限契約で条件付き注文を行うときは、注文画面から「条件付」を選択します。
画像引用:Bybit
成行で注文したいときは、条件付画面から「成行」を選択しましょう。
そして「トリガー価格」と「数量」を入力します。
画像引用:Bybit
指値で注文したいときは「指値」を選択し、「指値価格」と「トリガー価格」「数量」を入力します。
画像引用:Bybit
USDT無期限契約の条件付き注文設定方法
USDT無期限契約から条件付き注文を行う場合は、参入注文タブを選択したあとに「条件付」をクリックします。
画像引用:Bybit
成行で注文するときは、「成行」を選択し、トリガー価格と数量を入力します。
画像引用:Bybit
指値で注文するときは、「指値」を選択し「指値価格」と「トリガー価格」「数量」を入力しましょう。
画像引用:Bybit
USDT無期限契約の条件付き注文は参入注文だけ
USDT無期限契約で条件付き注文の設定を行えるのは、新規ポジションを建てるときに使う「参入注文」だけです。
「決済注文」では条件付き注文をおこなえないので、注意しておきましょう。
条件付き注文を有利に活用するための方法について
Bybitの条件付き注文は、うまく活用することで利益を確保できたり、損失が出た場合でも、損失額をあらかじめ決めておくことなども可能になります。
なおこれらの方法は決済時に何らかの条件を付ける「決済注文」、そして参入する際に条件を付ける「参入注文」に二分することができます。
また通貨ペアによっては利用できない方法もあるので注意しておく必要があります。
「決済注文」としての活用方法例
決済注文としてBybitの条件付き注文を活用する方法の具体例をご紹介しましょう。
一定程度の利益を確保しておきたいとき
現在でも含み益が出ているがまだまだ利益が伸びそうなとき、一定程度の利益を確保する目的で条件付き注文を利用するとよいでしょう。
たとえば1BTC=9000ドルのときにロングポジションを建て、現在の価格が1BTC=10000ドルのとき。
今ポジションを解消しても利益は出ますが、まだまだ価格が上昇するかもしれません。
この場合、[最終取引価格]が[9500]ドルになったときをトリガー条件として、条件付きで[成行]売り注文をおこないます。
そうすると価格が上昇し続けているときは注文が執行されず、市場価格が急激に下がって1BTC=9500ドルになったときに、自動的に売り注文が執行されます。
ポジション建てした9000ドルよりも市場価格が下がると損失が出てしまうところですが、あらかじめ条件付き注文を出しておくことで一定程度利益を確保できるわけです。
ポジションの損失を最小限に抑えたいとき
ポジションの損失を最小限に抑えるために、あらかじめ不利な条件で損切注文を出す方法がありますが、これを条件付き注文からおこなうことができます。
たとえば1BTC=9000ドルのときにロングポジションを建てた状態で、1BTC=8500ドルまで下がった時には、損失を拡大させないためにポジションを解消しようと考えている場合です。
この時には、[マーク価格]が[8500]ドルになったときをトリガー条件とし、条件付きから売り注文を行いましょう。
市場価格が下がって1BTC=8500ドルになったとき、自動的に売り注文が発注され、損失が確定します。
ただし上記のような単純な損切の設定は、条件付き以外にもポジション欄から設定可能です。
異なる価格で多段階に決済したいとき
異なる価格で多段階にポジションを解消させたい場合にも、条件付き注文を活用することができます。
たとえば
- ➀1BTC=9500ドルになったときに半分の数量を損切りする
- ②1BTC=9000ドルになったときに残りの半分を損切りする
以上のような異なる価格による段階的な損切注文を設定することもできます。
やり方は、条件付き注文を複数作成するだけです。
「参入注文」としての活用方法例
Bybitでの取引に参入する際に条件付き注文を活用する方法の具体例をご紹介しましょう。
トレンドに乗りたいとき
「1BTC=10000ドルを超えたらトレンドが発生するだろうから、すぐにトレンドに乗れるよう新規注文を予約しておきたい」といったときにも条件付き注文が使えます。
トリガー条件を[最終取引価格]が[10000]ドルとなったときとし、売りまたは買いで注文をおこないます。
通貨ペアによっては活用できない方法もある
BybitではBTCやETH、EOS、XRPとUSDとの取引ペアをインバース無期限契約としており、この取引に関しては「決済注文」と「参入注文」の全ての条件付き注文を活用することができます。
ただしBybitがUSDT無期限契約と位置づけているBTCやETH、LTC、LINK、XTZとUSDTとの通貨ペアの場合は、「決済注文」に条件付き注文を活用することはできず、「参入注文」での条件付き注文でしか活用できません。
つまり上記例では「トレンドに乗りたいとき」の活用方法のみに限定されることを注意しておきましょう。
条件付き注文のオプションについて
条件付き注文では以下の3つのオプションが選択可能となっています。
トリガー時に決済注文
「トリガー時に決済注文」にチェックを入れると、「決済注文の予定だったのに、いつの間にかポジションが解消され、新規ポジションとして約定されてしまった」のような、意図せずポジションが増えることを防ぎます。
条件付きから決済注文を行うときに、チェックすることをおすすめします。
インバース無期限契約で選択できるオプションです。
Post Only
「Post Only」は、メイカーとして注文する(取引板の注文を消費しない)ことを保証するオプションです。
行った指値注文がすぐに約定される場合は、注文が自動キャンセルされますので注意が必要です。
この「Post Only」は、条件付き指値注文と通常の指値注文のときに選択できます。
買い注文利食損切/売り注文利食損切
USDT無期限契約において条件付きで参入注文を作成するとき、同時に利食いと損切の設定を行えます。
参入注文が買い注文であれば「買い注文利食損切」を、売り注文で参入するときは「売り注文利食損切」にチェックを入れます。
なおトリガーの指標(最終取引価格・インデックス価格・マーク価格)は、画像の赤枠をチェックすることで選択できます。
画像引用:Bybit
まとめ
Bybitの条件付き注文の種類や設定方法に加え、活用法についてもご説明しました。
Bybitでは非常に細かな設定ができるため、条件付き注文を使いこなせるようになると取引そのものが楽になり、しかも有利に取引を運ぶことができるはずです。
また損失を抑えながら一定の利益を確保しやすくなるでしょう。
操作方法そのものは非常に簡単ですので、設定の意味や全体像が把握することができれば使いこなすことは決して難しくありません。
是非Bybitの取引に際して、活用してみてください。