Bybit(バイビット)とbitflyer(ビットフライヤー)を徹底比較
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- 2020.10.14.
- 特集
- Bybit(バイビット)とbitflyer(ビットフライヤー)を徹底比較
画像引用:Bybit/bitflyer
世界に仮想通貨FX取引所が無数にある中で、Bybit(バイビット)は設立から日が浅いにもかかわらず急成長を遂げている仮想通貨FX取引所です。
非常に多くの特徴やメリットがあり、世界中のトレーダーから注目されています。
一方、日本で最も多く仮想通貨FXが取引されている国内仮想通貨FX取引所は、出来高などからbitflyer(ビットフライヤー)であるとされています。
老舗の仮想通貨取引所であり、仮想通貨FXでも信頼性が高いといわれています。
ではBybit(バイビット)とbitflyerではどういう点が違うのでしょうか
そこで今回は、実際に仮想通貨FXを取引する際に気になる以下の項目でそれぞれを比較してみました。
- 利用できる最大レバレッジ
- 仮想通貨FXにおける取引量
- 仮想通貨FX取引できる通貨の種類
- 各種手数料
- 追証
- 口座開設手続き
なおBybitは仮想通貨FXしか取り扱っていませんが、bitflyerは仮想通貨FX以外にも現物取引や先物取引などがあるため、あくまでも仮想通貨FXについてのみ比較しています。
世界中で注目されている海外仮想通貨FX取引所と、老舗の国内仮想通貨FX取引所との違いを知ることで、仮想通貨FX取引所選びの参考になるはずです。
利用できる最大レバレッジ
少ない証拠金でも大きな取引ができるレバレッジは、Bybitとbitflyerにおいては大きな開きがあります。
Bybitの最大レバレッジ
Bybitの場合は最大レバレッジが100倍となっていますが、全ての通貨ペアや契約において100倍が設定できるわけではなく、以下のように最大レバレッジが異なります。
取引ペア・契約内容 | 最大レバレッジ |
BTC/USD無期限契約 | 最大100倍 |
ETH/USD無期限契約 | 最大50倍 |
EOS/USD無期限契約 | 最大50倍 |
XRP/USD無期限契約 | 最大50倍 |
BTC/USDT無期限契約 | 最大100倍 |
bitflyerの最大レバレッジ
bitflyerの最大レバレッジは2019年5月28日から4倍となっています。
これはJVCEA(一般社団法人日本仮想通貨交換業協会)が制定した規則・ガイドラインに準じたものです。
ただし金融庁の方針により、2021年4月30日までに国内にある仮想通貨FX取引所でのレバレッジは、全て上限が2倍に変更されることが決まっています。
Bitflyerももちろんこの方針に沿って変更されるはずですが、2020年10月14日時点ではいつから2倍に変更するのかは発表されていません。
仮想通貨FXにおける取引量
仮想通貨の現物取引では取引量の多さは流動性につながり、買い手や売り手がすぐに見つかるかどうかに関係してきます。
仮想通貨FXの場合は買い手や売り手を探す必要はありませんが、取引量の多さはどれほど多くの人、もしくはどれほどの仮想通貨がその仮想通貨FX取引所で取引されているのかを知ることができます。
つまり取引所の信頼性を判断する一つの材料となるわけです。
仮想通貨FXの取引量をBybitとbitflyerで比較するのに、トラフィック分析とオーダーブック分析とを組み合わせ、より正確性の高い出来高データを配信しているCoinGeckoのデータで比較してみましょう。
Bybitの取引量
以下の出来高データランキングは、2020年10月12日時点のもので、デリバディブ取引に関する出来高だけをランキング付けしたものです。
画像引用:Coingecko
このデータをみるとBybitは、世界ランキング6位に入っていることが分かります。
Bitflyerの取引量
同じCoingecko の出来高ランキングでbitflyerを調べてみると、以下のようになっています。
画像引用:Coingecko
このランキングによると、bitflyerは32位にランキングされており、Bybitと比較するとかなりの開きがあることが分かります。
仮想通貨FX取引できる通貨の種類
仮想通貨FXの対象となる仮想通貨は、種類が多い方がFX取引の機会は増えるといえます。
ビットコインはどの仮想通貨FX取引所でも取り扱っていますが、ビットコインの値動きがほとんどないような状態のとき、アルトコインでボラティリティが高ければそちらを取引することが可能となるからです。
Bybitとbitflyerの仮想通貨FXにおける取り扱い通貨について比較してみましょう。
BybitのFX取り扱い仮想通貨
Bybitの仮想通貨FX取り扱い仮想通貨は以下の5種類となっています。
- BTC(ビットコイン)
- XRP(リップル)
- ETH(イーサリアム)
- EOS(イオス)
- USDT(テザー)
bitflyerのFX取り扱い仮想通貨
Bitflyerの仮想通貨FX取り扱い通貨は、BTC(ビットコイン)のみの1種類となっています。
※bitflyerは現物取引を展開しているため複数の仮想通貨を扱っていますが、ここではFX取引できる仮想通貨に限定して比較しています。
各種手数料
実際に仮想通貨FX取引をおこなう際に必要な各種手数料について比較してみましょう。
Bybitの手数料について
Bybitでの取引時の手数料については、本サイトのBybit特集記事「Bybitでの取引手数料を詳細解説【実例付】」で詳しく説明していますので、ここでは要点だけ記述します。
Bybitでの取引において、手数料が発生するのは大きく分けて以下の2種類です。
- 1.新規注文及び決済注文の約定時の「取引手数料」
- 2.ポジション保有時に特定のタイミングが来たときの「資金調達手数料」
1.「取引手数料」について
Bybitの取引手数料は、ユーザーの注文が取引板の流動性と厚みにどのように影響するかによって手数料が課金されるだけでなく、手数料を受け取れることもあります。
その注文が取引板の流動性と厚みを拡大することにつながる場合には、Maker(メイカー)報酬として注文価額の0.025%を受け取ることができます。
一方、取引板の流動性と厚みに貢献することができない注文の場合には、Taker(テイカー)手数料として注文価額の0.075%が課金されることになります。
2.「資金調達手数料」について
画像引用:Bybit
資金調達手数料は、Bybitでの取引価格が現物の市場価格と乖離しないよう設けられているもので、1日に3回資金調達料が発生する仕組みになっています。
1日3回のタイミングは以下の通りで、この時間(日本時間)にポジションを保有していると資金調達料が発生します。
- 01:00
- 09:00
- 17:00
なお、この資金調達手数料は「資金調達率×ポジション価額」で計算され、いつも一定の額が課金されるわけではありません。
また必ず徴収される訳ではなく、資金調達料が支払われる場合もあります。
Bitflyerの手数料について
Bitflyerでは、仮想通貨FXにおける売買時の手数料は2020年10月13日現在、無料となっています。
ただしそれ以外の手数料としては以下のものがかかります。
- 1.日をまたいでポジションを保有する際の「スワップポイント」
- 2.FX取引価格と現物の取引価格との開きが5%以上になった場合の「SFD」
1.「スワップポイント」とは
スワップポイントは日をまたいで「売り」もしくは「買い」のポジションを保有している際に必要な費用のことで、「売り」「買い」ともに以下の計算式で計算されます。
- (前日の終値×ポジション数量)×0.04% /日の合計=スワップポイント(単位: 円)
2.「SFD」とは
SFDとは「Swap For Difference」の略のことで、Bitflyerにおける現物取引価格(BTC/JPY)とFXでの取引価格(BTC-FX/JPY)の開きが5%以上になった場合に徴収および付与されるケースもある金額のことをいいます。
なおSFDは約定毎に発生するため新規注文の際だけでなく、決済注文の際にも発生しますが、清算は全てポジションを決済するタイミングでおこなわれます。
SFDが徴取されるか、付与されるかは以下のタイミングによって異なります。
価格乖離の方向 | 新規注文の場合 | 決済注文の場合 |
価格乖離が拡大する方向で約定した場合 | SFDは徴取される | SFDは徴取される |
価格乖離が縮小する方向で約定した場合 | SFDは付与される | SFDは無関係 |
このSFDは以下の計算式で計算されます。
- 取引数量 ×取引価格 × SFD 比率=SFD(単位:円)
なお現物価格とFX取引価格の開き具合によって、SFD比率は以下のように変動します。
現物価格とFX取引価格との乖離幅 | SFD比率 |
5% 以上 10% 未満 | 約定した金額の 0.25% |
10% 以上 15% 未満 | 約定した金額の 0.50% |
15% 以上 20% 未満 | 約定した金額の 1.00% |
20% 以上 | 約定した金額の 2.00% |
追証
追証とは「追加証拠金」のことで、仮想通貨FXで保有しているポジションから逆行してしまい、損失が口座残高だけでは足らなくなってしまう状態のことを指します。
つまり仮想通貨FX取引所に対する借金ともいえるものです。
Bybitの追証について
Bybitには追証がなく、追証の概念そのものが存在しません。
Bybitの追証については本サイトの特集記事「Bybit(バイビット)に追証がない理由とは」で詳しく説明していますので、要点だけご説明しましょう。
Bybitでは2段階に設けられた損失補填によって、追証の存在が不要となっています。
1段階目となる「保険基金」による補填
万が一、損失が出た場合には、保険基金によって補填されます。
この保険基金は、Bybitを利用して強制決済された取引のうち、破産価格よりも高く最終強制決算された際の差額分が積み立てられたものです。
なお積み立てられた保険基金が枯渇してしまった場合には、2段階目の損失補てん方法に移行することになりますが、Bybitが開設当初から公開している全ての保険基金残高を確認した限りでは枯渇した例は見つかりませんでした。
画像引用:Bybit
2段階目となる「ADLシステム」による補填
1段階目の保険基金が万が一、枯渇してしまった場合には、ADL(自動デレバレッジ)システムと呼ばれる損失補償の仕組みが用意されています。
Bybitでは全利用者を対象にして、使用しているレバレッジの高さや利益の多さなどによってランキング付けしています。
保険基金が枯渇した場合には、枯渇の原因となった取引と反対方向の取引のうち、ランキングの高いトレーダーのポジションを破産価格でデレバレッジすることで損失を補てんするようになっています。
なおトレーダーは、自分のランキングが何位になっているのかを常に確認することができるようになっています。
画像引用:Bybit
そのため上位に位置しているトレーダーは、ランキングを下げるためにレバレッジを下げたり、ポジションの部分決済をすることなどで意図的にランキングを下げることも可能です。
Bitflyerの追証について
Bitflyerでポジションを保有しており、証拠金維持率が100%を下回ってしまうと追証として不足分の金銭を支払わなければなりません。
なおこの場合には、全ての約定されていないポジションは取り消されてしまいます。
さらに銀行の2営業日以内に証拠金維持率が100%以上になるよう、追加の証拠金を納めなくてはなりません。
国内の仮想通貨FX取引所では損失補てんできない
Bitflyerには上記のような追証システムがありますが、Bybitのように損失補てんができれば、仮に損失を出しても追証を支払う必要がなくなると誰もが考えるでしょう。
しかし日本の法律では、金融商品取引業者が顧客の損失を補てんする行為だけでなく、第三者に損失分を提供させる行為は禁止されています。
つまり国内の全ての仮想通貨FX取引所では、Bybitのように損失補てんをすることができず、損失補てんをするには法律を変えなければならないという点からも、今後も損失補てんはほぼ不可能だと考えられます。
口座開設手続き
BybitとBitflyerでは、口座開設手続きにも大きな開きがあります。
それぞれの口座開設手続きがどれほど異なるかをご説明しましょう。
Bybitの口座開設について
Bybitの口座開設方法については、本サイトのBybit特集記事「【3分でできる】Bybit 口座開設、登録方法をわかりやすく解説。ボーナス有り!」で詳しくご説明していますので、ここでは特徴だけをご説明しましょう。
Bybitの口座開設方法は非常に簡単で、メールアドレスもしくは携帯電話番号だけで口座開設できます。
またセキュリティを高めるための2段階認証を含めても、所要時間はわずか3分で完了します。
Bitflyerの口座開設について
Bitflyerの口座開設は非常に手間がかかり、本人確認書類などが郵便で届くのを待つ必要があるため、口座開設までには数日から1週間ほどの日数が必要となります。
大まかな手順としては以下の通りとなります。
- 1.Bitflyerの公式サイトからアカウントを作成
- 2.本人確認資料および取引目的確認の提出
- 3.Bitflyerから転送不要で書留郵便の到着
さらに本人確認資料などに不備があると画像を再度取り込む手間などがかかってしまうだけでなく、書留郵便は転送不要になっていることから、郵便到着時に不在であれば受け取ることはできません。
また、この書留郵便は日付指定はできない仕組みになっています。
BybitとBitflyerを比較した結論
BybitとBitflyerの特徴について、6項目にわたって比較してみました。
「利用できる最大レバレッジ」ではBybitが最大100倍と圧倒的に高く、「仮想通貨FXにおける取引量」でもBybitが6位で、Bitflyerは32位と大きな開きがありました。
「仮想通貨FXの通貨種類」においてもBybitは5種類で、Bitflyerはビットコインのみであり、ボラティリティの高い通貨を選ぶことができるBybitの優位性が引き立ちました。
「各種手数料」に関しては仕組みの違いがあるため、同列で比較することはできませんでしたが、「追証」に関する違いは非常に大きく、日本国内の仮想通貨FX取引所では真似のできないBybitの追証不要を強調する結果となりました。
さらに「口座開設手続き」についても、Bybitのおよそ3分で手続きが完了する便利さと、Bitflyerの手続きの面倒さは比較になりません。
今回比較した6項目のうち、5項目で明らかにBybitに優位性があることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
まとめ
BybitとBitflyerに関して、仮想通貨FXを取引するトレーダーが最も意識するポイント6項目について比較した結果をご説明しました。
この結果をご覧になっても、まだ国内の仮想通貨FX取引所でなければならないとこだわりを持たれますか?
もちろんプラットフォームの使い勝手に慣れているなど、比較できない側面が理由になっているケースもあるでしょう。
しかしBybitにはそれらをカバーできるだけの魅力が備わっています。
実際に一度でも試してみれば、Bybitの優位性を実感できるはずです。