投資ファンドがビットコインに投資すべき理由を公開
- ビットコイン
- 2020.05.03.
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画像引用:Grayscale
2020年5月2日のニュース記事「ビットコインの価格予想に半減期は無意味との説」では、ビットコインが半減期を迎えるからといって、そのことで議論するよりも、もっと重要なことがあるという説についてご説明しました。
仮にその説を受け入れたとして、ではビットコインに対してはいつ投資すべきなのか、仮想通貨FXでいえばいつ「買い」を入れるべきなのか、何らかのヒントになるようなことは、その説の中では言及されていませんでした。
おそらくそれは、仮想通貨FXに取り組んでいる多くの方が一番知りたいことでしょう。
米の投資ファンドが、このヒントになる可能性が高いレポートを発表しました。
その内容について、詳しくご説明しましょう。
投資ファンドのレポート
新型コロナウイルスによる経済対策として各国の中央銀行が実施している量的緩和などの金融政策によって、ビットコインの安全資産としての側面が高まっていることを米投資ファンドであるGrayscale社が発表しました。
このGrayscale社のレポートは「ビットコインの量的引き締めと中央銀行の量的緩和」と題したもので、量的緩和策が実施されていることによる法定通貨の価値が下落することに加え、間もなく半減期を迎えることや、元々発行枚数が決められているビットコインのことについても言及したものになっています。
ビットコインの資産としての機能
このレポート内では、ビットコインがこれまでの金融資産と比較してどのように優れているのかをまず説明しています。
特に前例がないほどの量的緩和策が実施されている現在、信頼のおける資産と位置づけられている国債やGOLDとの比較は重要な視点になってきます。
Grayscaleはビットコインがこれらの資産と比較すると、発行枚数があらかじめ2,100万枚に定められていることに加えて中央集権的でないことから、価値を保存するための手段として優れていること、さらに量的緩和策などによって法定通貨の供給量が増えていくことで起こるうるリスクから回避するための資産として機能するとしています。
前向きな触媒となる半減期
多くの人々の関心が高まっているビットコインの半減期に関しては、ビットコイン単独で考えるのではなく、中央銀行の量的緩和策との対比で検証しています。
つまり法定通貨が量的緩和策によってどんどん印刷されている一方で、ビットコインの半減期は量的引き締めを実施することになるわけです。
そしてGrayscaleは、半減期の短期的影響はわからないとしながらも、長い目で投資を考えた際に注目すべきポイントであり、ビットコイン価格にとって前向きな触媒になる可能性があるとしています。
そして過去のビットコイン供給量と価格の推移をあらわしたグラフに、半減期のタイミングを反映させた以下のグラフを記載しています。
このグラフの灰色の線が供給量をあらわし、黒い線がビットコイン価格(USD)、縦線が半減期のタイミングをあらわしています。
画像引用:Grayscale
このグラフをみると、半減期を経ることで確実に供給量は減っています。
そしてそれに反してビットコイン価格は上昇し続けていることがみて取れるでしょう。
ただ半減期のタイミングで価格が大きく上昇しているとは言い難く、時間の経過とともに上昇しているようであり、Grayscaleが「前向きな触媒になる可能性」という表現にとどめている意味も理解できるでしょう。
ビットコイン保有者と投機家の供給関係
Grayscaleのレポートでは、既にビットコインを保有している人や投機家の動きや関係性に加え、それによって価格がどのような動きをしていたかを検証できる以下のグラフを掲載しています。
グラフの緑色の線はビットコイン価格(USD)を示しており、灰色は直近の90日でビットコインを動かした投機家を示しています。
そして黒い線が、1年から3年の比較的長期間にわたってビットコインを動かしていないビットコイン保有者をあらわしています。
画像引用:Grayscale
このグラフをみると、灰色の投機家の動きとビットコイン価格の動きは、その推移が非常に似ていることが分かります。
つまりビットコイン価格は、短い期間しかビットコインを保有していない投機家の動きに影響されており、ビットコインの売りは彼らが大多数を占めているともいえるわけです。
一方、黒い線の比較的長期保有している人々の動きは、ビットコイン価格の推移とは連動しておらず、彼らがボラティリティによってビットコインを売却する意思がないと読み取ることができます。
Grayscaleはこのような長期保有者の動きに対して、ビットコインに前向きなシグナルであると評価しています。
ビットコインと他の資産との相関関係
GrayscaleのレポートはビットコインとGOLDや株式など、他の資産との関連性についても言及しています。
そのことを示しているのが以下のグラフです。
このグラフは2017年1月6日から2020年4月23日までのビットコインとGOLD、そしてビットコインと米の株価指数であるS&P500におけるそれぞれの相関関係をあらわしたものです。
濃い緑色の部分はビットコインとGOLDの相関関係を示し、薄い緑色はビットコインとS&P500の相関関係をあらわしています。
画像引用:Grayscale
このグラフをみると、安全資産とされてきたGOLDとの相関性が2019年6月以降から2020年3月にかけて高まってきていることが分かります。
またこの期間には米中貿易摩擦や米とイランとの緊張状態、さらに新型コロナウイルスの感染拡大という、世界経済に大きな影響を与える出来事が起こっています。
つまり安全資産とされるGOLDとの相関関係は近年特に高まってきているものの、株式などの他の資産との相関性は無くなりつつあると説明しているわけです。
ビットコインに注目すべき時が来た
Grayscaleがこのレポートの結論として述べていることの1つに、ビットコインが資産の避難先として成立する兆しがあることを挙げています。
これは前述までのレポート内容をみれば納得できることでしょう。
そしてさらにレポートの結論として以下の文章が書かれています。
It’s time to pay attention to Bitcoin.
(ビットコインに注目する時が来ました。)
引用:Grayscale Google翻訳
まとめ
米投資ファンドが発表した、ビットコインに投資すべき理由についてご説明しました。
Grayscaleはこのレポート内でビットコインの半減期についても触れていますが、ご説明したようにあくまでも半減期は「前向きな触媒の可能性」でしかなく、半減期が来るから価格が上昇するのではないということを示唆しています。
そして何よりも重視すべきこととして、FRBなどの中央銀行が量的緩和策を実施することに加え、安全資産としての位置付けが確立されつつあることを挙げています。
その意味では、仮想通貨FXに取り組むのであれば、今後はGOLDの値動きもチェックしておくべきなのかもしれません。
またレポートの結論にあった言葉を信じるならば、ビットコインは社会からの信頼度が高まるとともに、価格も今後さらに上昇していくことが考えられます。
ただ留意しておかなくてはならない点は、これはあくまでも長期的視点でみた場合のことであり、短期的には下落するケースがあるのかもしれません。
そのことを理解したうえで仮想通貨FX取引の参考になさってください。