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イーサリアム専門家が北朝鮮への情報提供で逮捕

  • 仮想通貨関連
  • 2019.12.05.

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北朝鮮は2006年に核実験をおこなってから国連安保理から制裁を受けており、その内容も2016年以降はより厳しいものになっています。

これらにより、北朝鮮の国内は経済的に非常に困窮していることが考えられます。

この状況を打開するために他国の金融機関や仮想通貨取引所などにハッキングして、資金を奪い取っていたことが報じられています。

 

そんな北朝鮮に対して、経済制裁を回避するためのブロックチェーン技術に関する情報を提供したとしてイーサリアムプロジェクトメンバーがFBIによって逮捕されました。

 

このニュースに関する詳細についてご説明しましょう。

 

FBIがイーサリアムのリサーチャーを逮捕

FBIは2019年11月28日、イーサリアムプロジェクトのリサーチャーであるVirgil Griffith容疑者(36歳)をロサンゼルス国際空港において逮捕しました。

Virgil Griffith Twitter

画像引用:Virgil Griffith Twitter

 

米司法省が発表している資料によると、Virgil Griffith容疑者は2019年4月に北朝鮮で開催されていた平壌ブロックチェーンと暗号資産会議」に出席し、ブロックチェーン技術で経済制裁から逃れる方法を説明したとされています。

米司法省のVirgil Griffith容疑者逮捕発表

画像引用:justice.gov

 

米司法省の説明では、Virgil Griffith容疑者が北朝鮮で開催されるこの会議に出席することに対して許可していなかったばかりか、警告までしていたようです。

 

なおJohn Demers司法次官補は、北朝鮮に渡航しないよう言い渡していたにもかかわらず、その警告を無視して渡航したこと。

そして米国にとっての敵国である北朝鮮にブロックチェーン技術で制裁から逃れる方法を説明しただけでなく、北朝鮮と韓国とがイーサリアムで取引きするように働きかけるプロジェクトにも関係していた旨を説明しています。

 

Virgil Griffith容疑者の逮捕理由

Virgil Griffith容疑者の逮捕理由は、米国が北朝鮮に科しているIEEPAと呼ばれる国際緊急経済権限法に違反したというものです。

 

国際緊急経済権限法とは1977年10月に施行された米国の法律で、安全保障と外交、そして経済的にも重大な脅威に対して金融制裁をもって対処するためのものです。

制裁の方法は、例えば資産の没収や為替取引、通貨などを規制したり、禁止することを視野に入れたものとなっており、北朝鮮は2008年から国際緊急経済権限法の適用国となっています。

 

Virgil Griffith容疑者は北朝鮮が米の国際緊急経済権限法の対象となっていることを知りながら、ブロックチェーン技術に関する説明をしたことでマネーロンダリングだけでなく、米からの経済制裁逃れにまでつながることを十分理解していたはずです。

にもかかわらず、専門知識を北朝鮮に提供しています。

容疑者のこの行為は、米議会と大統領による経済制裁を危うくしているというのが逮捕理由のようです。

 

今後裁判になり、もし有罪判決が出た場合には、最大で禁固20年の刑が科せられることが予想されています。

 

Virgil Griffith容疑者が会議に出席した経緯

Virgil Griffith容疑者は、北朝鮮政府から平壌ブロックチェーンと暗号資産会議」に出席してほしい旨を依頼されたようで、他のブロックチェーン技術関係者を募る内容をFacebookに書き込んでいました。

この書き込みに対し、Facebook友達は危険であることを忠告していましたが、Virgil Griffith容疑者は耳を貸さなかったようです。

 

またVirgil Griffith容疑者は、米国務省に対してこの会議に出席するため北朝鮮に渡航することを打診していましたが、国務省側は許可していませんでした。

なおかつ、SNSでは北朝鮮の狙いが制裁回避であることを分かっているものの、それでも自分には関係ない旨を書き込んでいました。

 

そして驚くべきことにFBIからの任意事情聴取に対して、来年も開催されるこの会議に出席したいと話しているようです。

 

平壌ブロックチェーンと暗号資産会議について

この会議は2019年4月18日から25日に北朝鮮が開催したもので、北朝鮮公式サイトではKorean Friendship Association(朝鮮友好協会)が世界の投資家やクリエーターを対象として、平壌を訪問してもらい経験を共有するためのものと発表しています。

平壌ブロックチェーンと暗号資産会議

画像引用:korea-dpr

 

開催スケジュールのうち、2日は北朝鮮科学技術院でのサミットに充てられており、残りは観光となっています。

なおこの会議では、「共和国の尊厳」に反するプロパガンダや資料配布の禁止、ジャーナリストの参加を禁止しており、さらに韓国や日本からの参加も禁止しています。

 

北朝鮮は米からの経済制裁の影響を回避するため、仮想通貨の活用を重点的に考えているようです。

特に指摘されているのはハッキングで、北朝鮮のハッカー組織であるラザロ(Lazarus)は2017年からこれまでに5億7100万ドルを超える額の仮想通貨ハッキングに関係しているとされています。

 

今回の平壌ブロックチェーンと暗号資産会議は、これらの活動をより活発化させたい意向が背景にあることは誰にでも理解できるはずです。

 

Virgil Griffith容疑者のプロフィール

冒頭で説明したように、Virgil Griffith容疑者はイーサリアムのプロジェクトメンバーです。

このことは後述するイーサリアムの創立者であるVitalik Buterin氏が、彼を擁護するコメントを発表していることからも明らかです。

 

Mediumに書き込まれたプロフィールには、イーサリアム財団のSpecial Projectsに所属しているだけでなく、Onion.cityというネーミングのwebも運用しているようです。

MediumのVirgil Griffith容疑者プロフィール 

画像引用:medium.com

 

イーサリアムの見解

Virgil Griffith容疑者の逮捕を受け、イーサリアムのVitalik Buterin氏は、財団としての主張と個人としての主張の2つを発表しています。

vitalik.eth Twitter

画像引用:vitalik.eth Twitter

 

まずイーサリアム財団は、Virgil Griffith容疑者の北朝鮮渡航と会議出席について無関係であることを訴えています。

この件で財団側は金銭を含めて一切の支援をしておらず、周囲の人がやめるようにいったにもかかわらず、個人で渡航したと主張しています。

 

そしてVitalik Buterin氏個人の主張として、Virgil Griffith容疑者は北朝鮮の悪事について実質的な手助けをしたわけではなく、オープンソースソフトウェアの公開されている情報を紹介しただけであり、ハッキングに必要な高度な技術を個別指導したわけではないと書き込んでいます。

 

まとめ

イーサリアムのプロジェクトメンバーであるVirgil Griffith容疑者が、北朝鮮で開催された平壌ブロックチェーンと暗号資産会議に出席し、ブロックチェーン技術に関する説明をしたことで逮捕されたニュースについて、詳細をご紹介しました。

 

1人の技術者としてブロックチェーン技術を広めることに意義を見いだし、北朝鮮での会議に参加したのかもしれませんが、北朝鮮の狙いを理解していたにもかかわらず自分には関係ないと考えてしまったことに落とし穴があったのではないでしょうか。

 

特に北朝鮮は経済制裁を回避することが大きな課題であり、そのためにあの手この手を駆使しています。

北朝鮮のハッキング組織による仮想通貨流出被害が注目されている中で、あまりにも軽率な行動だったといわざるを得ません。

 

ブロックチェーン技術を含めた最新技術は、多くの人々の生活を向上させるとともに、今よりも幸福にできるものであるべきです。

それを悪用することが分かっているにもかかわらず、今よりもレベルアップする手助けをしてしまうことは、技術者としての倫理が問われることになるのではないでしょうか。

 

Virgil Griffith容疑者は今後裁判を経ることになるはずですが、その中でどのような証言をしていくのでしょうか。

注目しておく必要があるでしょう。

 

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