仮想通貨FXチャート分析の手法40【エンベロープ&MACD】
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最近では仮想通貨のテクニカル分析は他のプロダクトと同様に様々なものが開発され、仮想通貨特有の分析の仕方も出始めました。
まだ歴史の浅い仮想通貨で、値動きの大きさはこれまであまりみたことの無いようない値動きの幅であるため、一概にこれまでの株や外国為替のFXで利用していたテクニカル分析をそのままルールとして利用すると機能しなかったりすることもあり、悩んでいる方が多いのも事実です。
しかしテクニカル分析の見方というのは不変であり、テクニカル分析に利用する設定の日数等を変更することが重要と言えます。
仮想通貨FX入門では、まず基礎的な知識をつけてもらうと共に、トレードを通じて何が利益を出すために大事なのかという精神面から、テクニカル分析の基礎的な知識まで網羅できるようなコンテンツを展開しています。
また取引手法も実際にトレーダーがルールとして利用している手法をご紹介しており、何が自分自身にとってフィットするのか考えながら、最初に何をしていいかわからない場合は参考にしてみてください。
1つ注意して頂きたいのは、ルールをそのまま真似しても実際には勝てないということが多く、それは心理的な側面が関わっており、自分の正確に合った取引手法を最後は開発していくことが重要でしょう。
これからの長いトレード生活を実りあるものとするため、最初はしっかり基礎を身につけてください。
ここでは取引手法で「エンベロープとMACDを利用した取引手法」についてご紹介したいと思います。
エンベロープとMACDを利用した取引手法
まず今回説明に利用するテクニカル指標のエンベロープとMACDについて簡単に振り返りたいと思います。
もしもあまり基礎的な内容を覚えていないということがあれば別の記事(MACD/エンベロープ)で詳細に解説していますので参照してください。
エンベロープとは
エンベロープは、移動平均線からの乖離幅をラインで示しているものです。
このエンベロープは日本語で「包む」という意味となっています。
乖離の幅は、移動平均線に対する比率でも値幅でも設定次第なので問題ありません。
一般的には、25日移動平均線の5%刻みが使われていますが、仮想通貨で考えた時にこの幅の設定が正しいのかどうかということは議論の余地があるポイントとも言えます。
プロダクトによって様々で何%ずらすのかは銘柄のクセによっても違ってきますので、投資家の 感覚的・視覚的判断で決定されます。
MACDとは
MACDは、移動平均線を利用したもので、ある意味移動平均線の発展版と言えるでしょう。
更に売買シグナルにおいて精度を高くした、トレンド分析の中でも人気のある指標の一つです。
「移動平均収束拡散」又は「移動平均収束乖離」などとも呼ばれています。
トレンド形成時に威力を発揮するため、逆にボックス相場に弱いのが特徴です。
主にMACDとMACDシグナルという2本のラインの交差を売買のタイミングとして用いられることが多く、初心者の方でもシグナルの発見が容易です。
MACDを利用している仮想通貨のトレーダーは主にトレンドフォローを好むトレーダー多く、トレンドの強さや方向性を測る指標として利用することが多いです。
一方でダイバージェンスも発生するため、トレンドの強弱を測りながら逆張りで利用するトレーダーもいるので、使い方を覚えれば様々な使い方が利用できると言えるでしょう。
MACDのみで売買の判断を行うのはシグナルとして弱いため、基本的には移動平均線や他のオシレーター系のテクニカル指標と併用することをお勧めします。
エンベロープとMACDを利用した取引手法
ではここから本題に入りたいと思います。
まずこの手法のベースとして「トレンドフォロー型」の取引手法と考えてください。
またローソク足の設定は15分で設定しており、これ以外で利用することはお勧めできません。
(※考え方を利用してテクニカル指標の数字を変化させることで他のローソク足の時間軸でも設定できるでしょう。)
下記はbybitのBTCUSDの15分足チャートです。
チャート上の3本のラインがエンベロープになります。
期間は20日で設定していますので同様の日数で行うことを推奨します。
下段がMACDとなります。設定の数値は記載の通りなのでこのように設定してください。
(デフォルトの設定がほとんどこの数字のため変化させる必要はないと思います。)
取引ルールとしては下記がルールとなります。
①エンベロープの中央のラインを基準としてローソク足が上にいればロングポジション、ローソク足が下にいればショートポジションで必ずポジションを構築すること
②MACDがゴールデンクロスした場合はロングポジション、デットクロスした場合はショートポジションを構築すること
③ヒストグラフがプラス圏であればロングポジション、マイナス圏であればショートポジションを構築すること
④(ゴールデンクロスがプラス圏で起きている場合はロングポジション、マイナス圏でデットクロスしている場合はショートポジションを構築すること)
この4つが取引ルールとなりますが④については必須ではないため上記の3つが一番必要と言えるでしょう。
では具体例として上記のチャートをご覧ください。
まずチェックするのはローソク足となります。
紫の○印の場面でローソク足はエンベロープの中央値を上方向に突破し、底堅く推移し始めているのがわかると思います。
それを確認した上でMACDに目を向けてください。
MACDはゴールデンクロスを形成しており、形成した位置がプラス圏です。
そしてヒストグラフもプラス圏に浮上しており、取引条件に完全に合致していることから、ロングポジションを構築します。
そのタイミングで必ず行うべきことは「ストップロス注文をいれておくこと」です。
これは全ての取引で共通することで、損切りは仮想通貨では必須の取引です。
動き始めると数十パーセント動くマーケットなことから、損切りを躊躇することは、それまで積み上げてきた利益を一度で失うことも簡単にできると言えるでしょう。
値幅もそうですが、仮想通貨FX取引はレバレッジを利用するため、元金以上のリスクを取ることになります。
ちゃんとリスク管理を徹底すれば強い味方になる仕組みですが、リスク管理のできない仮想通貨のトレーダーがいるとすれば、敵でしかないものとも言えるでしょう。
必ずストップロスの注文は入れることを癖つけることが重要です。
では最初のストップロスの注文はどこに入れるべきでしょうか?
目処としてはエンベロープの下限のラインを下回った位置がベターでしょう。
この理由としてエンベロープの下限を下回るということはトレンドが変化したと捉えられる位置でもあるため、一旦すぐに撤退すべきラインと言えます。
仮想通貨で注意すべきは下限のちょっと下の位置におくと、ちょっとした大きな注文の影響でブレでストップがついてしまうためある程度バッファーを持った位置で設定するようにしましょう。
ポジションを構築したら次に考えることは「ポジションの積み増し」です。
基本的にトレンドがで始めたらどこかできちんとポジションを積み増しながら利益の最大化することがとても重要なことになります。
ピラミッティングとも呼ばれていますが、これは心理的な負担がとても大きいものです。
その理由としては、最初エントリーした位置から高い位置でポジションを追加するため、ブレークイーブンの位置が高まるためです。
しかしトレンドに乗った場合は利益が雪だるま式に膨らむため、この行動は心理的な負担が大きいからこそ行うべきとも言えるでしょう。
みんなが行いにくいことを行うことは勝つためのトレーダーの要素でもあります。
ではポジションを積み増す位置はどの位置で行うべきかというと、
「中央のラインまでローソク足が戻ってきたタイミング」
です。
最初の位置から大きく上昇し再度ローソク足が戻ってくるタイミングあることがチャートからわかると思います。
もしも心理的に行いにくいということであれば、最初から指値注文としていれておくことも機械的に取引を行うためのルールとして設定してしまってもいいでしょう。
そしてポジションのメンテナンスとしてこのタイミングで再度ストップロスの位置を引き上げておきましょう。
先ほどお伝えしたように、ポジションの積み増しはブレークイーブンのポイントを引き上げることになるため、最初の紫の○印まで万が一戻ってしまうと、マイナスが発生します。
そのため積み増したタイミングでエンベロープの位置も上方向に変化していることから、下限を割れた位置で再度設定し直すことが必須です。
では最後に利益確定のタイミングについてお伝えします。
利益確定のタイミングは大きく2つのタイミングで好きな方を選んでください。
①MACDがデットクロスしたタイミング
②ストップロスのルールと同様に下限を割れた位置
①のタイミングはMACDがデットクロスしているということは移動平均線から見た上昇圧力が弱まっていることを示唆しています。
そのためある程度弱まっていることを勘案すればここで確定しておくというのは1つの手と言えるでしょう。
次に②については、これまでのストップバロスの注文を淡々とこなすことです。
これはシステムトレード的な要素を含んでおり、機械的に設定できるため、行いやすいと言えるでしょう。
②はかなりゆっくりしたタイミングでの利益確定であり、①はある程度早期に確定したいトレーダーに向いていると言えます。
これは自身の性格に照らし合わせながら選択すればいいでしょう。
取引手法に聖杯はない
ここまでエンベロープとMACDを利用した取引手法をご紹介しましたが、もちろんこの手法が完璧な訳ではありません。
あくまで経験上利益は出しやすいものとして紹介していますが、この設定した数字を改良する等すればより、いい取引手法になる可能性は大いにあります。
仮想通貨のトレーダーというのは商品自体の歴史が浅いため、テクニカル分析の手法というのは、この商品にあった手法を見つけるべきですが、まだまだこれから色々な分析手法が出来るプロダクトになります。
テクニカル分析に終わりはなく、利益を出せるための確率を1%でもあげる努力を続けることが大切で、継続的な努力は必ず必要です。
必ず勝てるという聖杯はないと言われてますが、努力すれば確率を高めることは出来るため、このコンテンツを利用しながら皆さんの今後の取引の一助となれれば幸いです。