仮想通貨FXチャート分析の手法25【ケルトナーチャネル】
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仮想通貨という商品自体にはファンダメンタルズというものがあまり多く存在しておらず、通貨と言われつつも通貨金利がないことから、金利バイアスがかからないマーケットとなっており、「通貨」という表現よりも「コモディティ」と呼ぶべきものとして認識されています。
そのため需給バランスのみで動く市場だからこそテクニカル分析が必要となっており、そのテクニカル分析を騙しを少なく有効に行なって利益を上げるには基礎となる知識が必要です。
色々ご紹介しているテクニカル指標ですが、今回は「ケルトナーチャネル」というテクニカル指標を仮想通貨FXのトレーダーの方の役に立つ解説を行なっていきたいと思います。
ケルトナーチャネルの見方と利用方法
ケルトナーチャネルとは?
ケルトナーチャネルとは、1960年代にシカゴの穀物トレーダーであったチェット・ケルトナー氏が考案したものです。
使い方としては逆張りトレードではなくトレンドフォロー型のテクニカル指標に分類され、バンド指標となっています。
エンベロープやボリンジャーバンド等バンドで動くテクニカル指標というのは様々ありますが、ケルトナーチャネルはまた違った計算でバンドが作成されています。
通常であれば設定した単純移動平均線や、指数平滑移動平均線等を計算式として利用して、バンドのラインが作成されていることが多いですが、ケルトナーチャネルでは、設定した時間軸における「高値」、「安値」、「終値」の平均値を用いて算出されており、この算出されたバンドのラインを「ティピカルの指数移動平均線」と呼ばれています。
ケルトナーチャネルの数値は、この「ティピカルの指数移動平均線」に「高値と安値の差を平均したもの」、あるいは「ATRに定数を乗算したもの」を増減したものを当てはめて計算されており、他のバンド系テクニカル指標とはまた違った意味合いが数値の計算に含まれています。
チャート上では真ん中のラインから両サイドにバンドのラインが引かれており、このバンドを利用してトレード判断の材料とします。
次にケルトナーチャネルの基本的な見方を見ていきましょう。
ケルトナーチャネルの基本的な見方
ケルトナーチャネルの見方は至ってシンプルな見方になります。
ケルトナーチャネルは両サイドのバンドがありますが、その上のバンドを上抜けたら上昇トレンドに入ったと判断し、下のバンドを下抜けた場合下落トレンドに入ったと判断するようになります。
そしてイグジットのポイントの1つとして考えられているのは、下記のパターンになります。
①上のバンドを上抜けて上昇トレンドに入った後エントリーし、上のバンドをローソク足が下抜けてきた場合
②下のバンドを下抜けて下落トレンドに入った後エントリーし、下のバンドをローソク足が反発して上抜けた場合
この2パターンがイグジットとして考えられていますが、実際にトレードで利用すると少し不安な部分もあるため、他のイグジットポイントを探した方が懸命でしょう。
では実際にチャート上でどのように利用されているかチェックしたいと思います。
下記はbybitのBTCUSD日足チャートです。
まず最初の青の○印のポイントで大きくバンド上限を上抜けているため上昇トレンドに入ったと判断します。
そして次に緑の○印のポイントでローソク足がバンド上限を下抜けてしたため、一旦手仕舞いというトレードになります。
これが基本的なケルトナーチャネルの使い方です。
しかし注意すべきなのは、「バンド上限をどの程度超えていれば上昇トレンドと判断し、どの程度バンド加減を下抜けしていれば下落トレンドと判断するのか?」です。
上のチャートを見てもわかる通り、明確に上抜けた○印の他にも微妙にバンド上限を抜けていると判断しそうなローソク足がいくつもあります。
このようにリアルタイムでは判断しにくい場面がいくつも出てくるため、ケルトナーチャネルは他の指標と併用して使うことをおすすめします。
ではどのようなテクニカル指標が仮想通貨FXを行う上で有用なのかいくつか例をご紹介したいと思います。
ケルトナーチャネルと併用するテクニカル指標とは?
ケルトナーチャネルはあくまで補助的なテクニカル指標になるというのは今までのご説明でイメージは湧いたのではないかと思います。
テクニカル指標はどのようなものでも1つで完璧に機能して利益を出せるものというのはありません。
組み合わせることで最大の力を発揮するものとして認識しておきましょう。
それはトレンドフォロー系やオシレーター系と種類を問わず同様となります。
ではケルトナーチャネルと併用すべきものは一体どのテクニカル指標でしょうか?
①移動平均線との併用
ケルトナーチャネルはトレンドフォロー型として考案されていることもあり、移動平均線との併用というのは利用しやすいです。
移動平均線がゴールデンクロス仕掛けている中で、ケルトナーチャネルが大きくバンド上限を突破し、その後移動平均線が付いてくると、上昇トレンドに入ったシグナルがいくつも点灯しているため上昇に付いていくことがベターと判断できます。
これがもしも移動平均線がデットクロスしたままでケルトナーチャネルがバンド上限を突破したとしても騙しの可能性と捉えることができ、無駄な損失を回避できるということです。
②MACDとの併用
MACDもトレンドフォロー型のテクニカル指標です。
MACDが0以上であり、ゴールデンクロスしたタイミングでケルトナーチャネルが上限を突破すれば、いくつも上昇のシグナルが点灯していることから買いシグナルと捉えエントリーが可能となります。
一方でMACDが0以下で推移しており、ゴールデンクロスまで離れている段階でケルトナーチャネルが上限を突破したとしても騙しの可能性として考えエントリーを回避できます。
このようにいくつか自身でそれぞれテクニカル指標の特徴を捉えながら判断することがとても大切です。
組み合わせは千差万別であり、人によって設定も異なることから正解というものはありません。
また自身のトレード手法や、心理的側面からもどのようなテクニカル指標を使うのか異なってきますので、色々実践から学んで試して見ながらたった1つの自分の手法を考えるのもいいでしょう。