Bybitのpost only(ポストオンリー)機能を使いこなそう
- 独自連載
- Bybit特集
- 2020.11.05.
- 特集
- Bybitのpost only(ポストオンリー)機能を使いこなそう
仮想通貨FXを取引する際には取引手数料が必要になりますが、利益額が小さい取引を数多く繰り返す場合には、取引手数料を支払っていると利益が出にくくなってしまうことがあります。
また大口取引をしている場合は、取引手数料が高額になってしまうでしょう。
これではせっかくリスクを負って取引しているのに、取引する意味がないと感じてしまう方もいらっしゃるはずです。
取引手数料は注文がTakerで成立した場合に支払わねばならないもので、注文がMakerで成立した場合にはリベートとして受け取ることができるものです。
もしご自身の注文が全てMakerで成立したとすれば、取引手数料を支払うことなく全てリベートとして受け取ることができるわけです。
そんな理想を実現できるのが、Bybitのpost only(ポストオンリー)機能です。
この機能を備えた国内仮想通貨FX取引所は非常に少なく、少額取引を繰り返すユーザーや大口取引ユーザーにとっては非常に有益な機能です。
Bybitのpost only(ポストオンリー)機能について詳しくご説明しましょう。
取引手数料におけるTakerとMaker
Bybitの取引手数料に関しては、Bybit特集記事「Bybitでの取引手数料を詳細解説【実例付】」内で説明していますが、TakerとMakerの違いや意味について簡単にご説明しましょう。
取引手数料におけるTakerとは
Bybitで取引する際に、その取引がオーダーブックに載った注文を消費するものであった場合にはTakerと位置付けられ、取引手数料を支払う必要があります。
Takerの場合の取引手数料は注文価額の「0.075%」となっており、取引にレバレッジを掛けているとレバレッジの倍数分の取引手数料がかかってきます。
つまりレバレッジ10倍なら0.75%、100倍なら7.5%もの取引手数料がかかってしまうということになります。
取引手数料におけるMakerとは
Bybitで取引する際、その取引注文がオーダーブックに掲載され、市場流動性を高めるものであった場合にはMaker取引と位置づけられます。
Maker取引の場合には、取引手数料を受け取ることができます。
Makerの場合に受け取ることができる取引手数料は注文価額の「-0.025%」、つまり0.025%の手数料を受け取ることができるわけです。
ただしMaker取引と位置づけられるのは「指値注文」や「条件付き指値注文」の場合のみで、成り行き注文をした場合にはMaker取引になりません。
post only機能の全体像
post only機能とは、注文をオーダーブックに掲載するMaker取引になる場合のみ注文できる機能のことで、Bybitのシステムが自動的に注文するかキャンセルするかを選択してくれます。
ただしpost only機能は「指値注文」もしくは「条件付き指値注文」の際のオプション機能であり、成行注文では設定することはできません(成行注文はMaker取引になりません)ので注意しておきましょう。
「指値注文」や「条件付き指値注文」の際にpost only機能を選択しておくと、注文はオーダーブックに掲載されます。
そしてその注文が執行された時には、間違いなくMaker取引の取引手数料を受け取ることができます。
post only機能の実行例
BTC/USDの取引において、post only機能の有る無しでどのように異なるのかを、例を挙げてご説明しましょう。
例えばBTC/USD取引のオーダーブックでBest ASK(最良売気配値)が10,001ドルになっていたとしましょう。
そこで10,000契約分を10,000ドルで「買い」の指値注文をしようとしますが、実際に指値注文を発注した時には既に価格が変動しており、9,995ドルになっていました。
このようなケースでpost only機能を設定しなかった場合と、設定した場合でどうなるのかを比較してみます。
- post only機能の設定なしの場合
指値注文価格は10,000ドルでしたが、Best ASKが9,995ドルになっているので、Bybitのシステムは成行注文としてBest ASK の入手可能な9,995ドル~10,000ドルの範囲で約定してしまいます。
この場合、オーダーブックに掲載されているBest ASKを消費することになるので、Maker取引にはならずにTaker取引となってしまいます。
つまり取引手数料を支払わなければならないということです。 - post only機能の設定をした場合
指値注文価格よりもBest ASKの方が安くなっているため、本来は注文が執行されるところですが、それではTaker取引になってしまうのでpost only機能が働いてこの注文をキャンセルします。
つまりTaker取引として成立させないように働き、取引手数料を支払わなくても良い状態にしてくれます。
ただし、注文そのものはキャンセルされていることに注意しておく必要があります。
post only機能の設定方法について
Maker取引ができる時だけ注文を確定してくれるpost only機能の設定方法について、PC版とアプリ版別にご説明しましょう。
PC版のpost only機能の設定方法
BybitのPC版取引画面を開くと、右側に注文に関する設定項目があります。
下の画像はBybitのBTC/USD無期限契約取引画面で、赤い枠線内が注文設定項目部分となります。
画像引用:Bybit
以下の画像は、PC版取引画面の注文設定項目部分だけを拡大したものです。
画像引用:Bybit
クロスマージンか分離マージン、レバレッジ、価格、数量など注文に必要な各設定項目を全て設定した後、post only機能の欄にチェックを入れ、「買い」もしくは「売り」をクリックすればpost only機能が設定された注文が確定となります。
ただし前述したように、その注文がTaker取引になってしまう場合には、注文そのものをキャンセルします。
アプリ版のpost only機能の設定方法
まずBybitのアプリを起動させましょう。
アプリのホーム画面から、取引しようとしている通貨ペアのチャートを呼び出します。
下の画面では、BTC/USDの通貨ペアを呼び出す場合のタップする個所を赤枠で表示しています。
画像引用:Bybitアプリ
取引したい通貨ペアの取引画面を表示させたら、自分が選んだ通貨ペアであるかどうかを確認してください。
下の画像の青枠内部分に選択した通貨ペアが表示されます。
間違いがなければ、赤枠内の矢印部分をタップし、注文ページに移動します。
画像引用:Bybitアプリ
矢印部分をタップすると以下の注文ページに移動しますので、クロスマージンか分離マージン、レバレッジ、価格、数量など注文に必要な内容を設定し、赤枠内にあるpost only機能の欄にチェックを入れ、最後に「買い」か「売り」かをタップすれば注文が確定されます。
ただしアプリの場合でも、注文がTaker取引になってしまう場合は、その注文はキャンセルされます。
画像引用:Bybitアプリ
まとめ
Bybitでの取引の際、Maker取引だけが注文されるpost only機能についてご説明しました。
操作方法はPC版、アプリ版ともに非常に簡単です。
取引に必要な価格などの設定をすべて入力し、post only機能にチェックを入れて「買い」か「売り」をクリックするだけと、通常の取引操作に加えてチェックを入れるだけで設定できてしまいます。
post only機能は、国内の仮想通貨FX取引所では一部の業者だけにしか備わっていませんが、Bybitでは当然のように装備されています。
非常に簡単に設定でき、手数料も効率化できるpost only機能は、取引手数料が気になる方なら活用しない手はないでしょう。
是非使いこなして利益に結び付けてください。