ビットコイン半減期に対する注目度とクジラ動向
- ビットコイン
- 2020.04.11.
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いよいよ1ヶ月後にビットコインの半減期が迫ってきました。
前回までの半減期ではビットコイン価格が上昇していたこともあったためか、半減期に関するニュース記事も多く目にするようになりました。
もちろん半減期にはビットコインの希少性を高める意味もあるため、注目が高まるのも当然ですが、どの程度注目度は高まっているのでしょうか。
また半減期に注目しているのは一般投資家だけではありません。
クジラと呼ばれる大口投資家も、半減期に向けて動き出しているとの報道が出ています。
これらのニュースについて、詳しくご説明しましょう。
半減期への関心の高まり
特定の事柄に関心が高まっているかどうかを判断するのに用いられることが多いのがGoogle trendsです。
Google trendsは、Googleによって検索されているキーワードの中から特定のキーワードだけでなく、検索ボリュームが急上昇している人気キーワードのボリューム推移をグラフによって表示できるものです。
Google trendsで「bitcoin halving(ビットコイン半減期)」を調べたのが以下のグラフです。
なおこのグラフは、全ての国における、過去5年間の検索ボリュームのグラフです。
画像引用:Google trends
グラフの左側のピークは、ビットコインの半減期にあたる2016年7月3日から9日までの検索ボリュームをあらわしています。
つまり前回の半減期にこれだけ検索回数が増えているということです。
また2020年に入ってからグラフが上昇傾向になっていることから、今年の初めごろから多くの人がビットコインの半減期を意識し始めていることが分かります。
なおGoogle trendsは一週間単位でデータを計測しているため、2020年4月10日時点では今週のデータが反映されていませんが、データの予想値である点線のピークをみると、前回の半減期よりも検索ボリュームが増える可能性があります。
すなわち半減期によってビットコイン価格が値上がりするとは断言できないものの、確実に多くの人が注目しているということになります。
増加しつつあるクジラのアドレス数
ビットコインを大量保有している投資家のことをクジラと称しますが、2019年の年末から2020年の年初にかけてクジラのアドレス数が増加していることが、仮想通貨データ企業であるGlassnode社によって発表されています。
画像引用:Glassnode newsletter
Glassnode社のデータでは、1,000BTC以上のビットコイン保有アドレスを大口投資家であるクジラと定義しており、現時点でおよそ1,840人のクジラがいると報告しています。
この人数は、2017年の年末から2018年の間にビットコイン価格が高騰していた当時の水準であり、およそ2年ぶりとのことです。
以下のグラフはビットコイン価格の推移と大口投資家数の推移をあらわしたものです。
なお、黒いグラフはビットコイン価格で、オレンジ色のグラフは大口投資家数を示しています。
また「Halving」表記のポイントが半減期をあわらします。
画像引用:Glassnode newsletter
このグラフの青い円部分をみると、ビットコイン価格が下落して底値になったと思われる頃に大口投資家が増えています。
直近では、新型コロナウイルスの感染拡大によって価格が大きく下落した時にも、大口投資家が増えています。
つまり価格が大きく下落した時は、大口投資家にとっては買い増しのタイミングととらえているであろうことが分かります。
またグラフの中の赤い横線は、Glassnode社によって大口投資家の動きが大局的にどちらに向かうのかを判断する基準を示すラインとして設定されています。
これをみると、今回の半減期を前にして上昇傾向にあり、そのままラインを抜けていることが重要であるとしています。
過去の半減期とクジラの数
現在の大口投資家数は2017年とほぼ同じだけの数に増えています。
また半減期の時期を考慮すると、2016年の半減期前にも大口投資家が増えていることが分かります。
これらのことからGlassnode社は、以下のように分析しています。
この傾向は、市場環境が不確実であるにもかかわらず、クジラが今こそBTCを蓄積する絶好の機会であると確信しており、さらなる成長の余地があると考えていることを示唆しています。
引用:Glassnode newsletter Google翻訳
クジラの動きから考慮すべきこと
2016年の半減期を迎えてしばらくすると、大口投資家数は減少していることがグラフから読み取ることができます。
これはすなわち、大口投資家の中でビットコインを売った人が多かったということになります。
ある程度の利益が出たため、利確したということです。
つまりビットコインの半減期に合わせて買いを入れたなら、一定の期間で大口投資家は利確する可能性が高いことは考慮しておく必要があります。
また2016年の半減期と2020年5月に予定されている半減期では、市場環境が異なるはずです。
それはビットコイン価格が絶頂期から下落し始めた時、すなわちビットコインバブルが崩壊した時には大口投資家も撤退していたことから、大口投資家が利確したため、価格が下落したとも考えられます。
しかし現在は大口投資家の参入が増えている途中であることから、Glassnode社は今後のビットコインの相場に対して、期待ができるのではないかと述べています。
まとめ
ビットコイン半減期に関心が高まっていることに加え、クジラと呼ばれる大口投資家のアドレス数が増えていることについてご説明しました。
これらの要素から導き出されるのは、半減期を前にしてビットコイン価格は今後さらに上昇していくのではないかということです。
しかし現在のビットコインを取り巻く環境は非常に複雑です。
新型コロナウイルスの感染拡大によって大きく値を下げたビットコイン市場は、米などが打ち出した財政支援策が徹底したものであったからこそ、少しづつではありますが価格も戻りつつあります。
とはいっても、新型コロナウイルス禍は終息したわけではありません。
また大きすぎる財政支援策がインフレ状態を作り出してしまうことも何度か指摘されており、先行きは非常に不透明です。
Glassnode社の発表した今後のビットコイン相場予想は間違いとは言い切れないものの、ビットコイン価格が間違いなく上昇するとは断言できないのも事実でしょう。
2020年5月の半減期のタイミングを狙って仮想通貨FXを取引する場合には、慎重な判断が求められるでしょう。