仮想通貨FXトレード手法【先物ポジション動向をトレードに活かすには】
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仮想通貨FXのマーケットはレバレッジ取引が取引量の大半を占めています。
そのためテクニカル分析を行う中で、そのテクニカル指標に需給バランスを把握しようとするインジケーターを利用している仮想通貨FXのトレーダーも多いことでしょう。
ファンダメンタルズ分析があまり機能しないマーケットでもあり、また相場操縦とも捉えることができるような大きな動きが突然起きたりするマーケットでもあるためリスク管理はとても重要なものと言えます。
また外国為替のFXと比較して違う点は「情報量が外国為替のFXと比較しても仮想通貨FXは大きい」ということです。
特に需給面を見てみると、外国為替のFXでは出てこない取引量やポジションの傾きを捉えやすいものが多く情報として公開されています。
また参加者にも特徴があります。最近では機関投資家のフローというものが海外を中心に増えてきており、取引量は2017年のバブル時まで回復してきました。
しかしまだまだ個人投資家が中心のマーケットであり、どうしても一方方向に動きやすいとも言えるでしょう。
そして個人投資家の特徴はレバレッジを大きく利用しやすくリスクコントロールが出来ない傾向が強いです。
そのため言い換えるとリスクコントロールさせ行えば勝ちやすいマーケットとも言えるでしょう。
今日はリスクリワードをよくするため需給面の捉え方をご紹介します。
ポジションの傾きは別途資金調達率のところでも解説しましたが、今日は投資家の動向が短期的な投資家なのか、長期的な投資家なのか投資家の性質の見極め方を解説しトレードに役立ててもらいたいと思います。
先物ポジションから見たポジションの傾きを捉える
先物ポジション動向とは
まず最初に先物ポジションとは何なのか基本的なところから解説したいと思います。
先物ポジションとは先物を上場している取引所のポジションは公開されているものがあり、そのポジションの動きでロングが何枚、ショートが何枚と把握できるのがメリットです。
外国為替のFXにはCMEやCFTC、クリック365のポジション等があるため性質はそのようなものに近いと言えるでしょう。
仮想通貨取引所の先物商品で見られているところはBITMEXやBITFINEX等が大きい取引所として挙げられます。
先物ポジションといっても、限月が決まっているものもあれば、限月の先物から現在価値を算出して作られている永久先物(perpetual swap)のようなものまで様々です。
取引量が多いのはperpetualの商品であり、そのポジションを確認しておけばいいでしょう。
先物ポジションはどこで把握するのか
先物ポジションをチェックするための便利なツールはtradingviewです。
このtraidingviewは仮想通貨だけでなく、インデックスや、コモディティ、個別株まで網羅しており、現在のチャート分析では最高峰のツールとして最近流行しています。
このtradingviewの中のインジケーターというところにBTCUSDのBITFINEXが提供しているlongshortのポジションの出してくれるところがあり、そこでポジションの傾きが把握できるということです。
実際の画面は下記のようになります。
このチャートは赤がshortポジションを表しており、緑がlongポジションを表しています。
このようにどのタイミングでどちらのポジションが傾いてきているか一目瞭然になるということです。
注意点としては常にチャートと送還するわけでもなければ、逆相関になることもないということを頭に入れておきましょう。
あくまでポジションの動きというところがポイントです。
では相関も逆相関もしないのになぜこれをチェックする必要があるのかを解説したいと思います。
先物ポジションを把握する理由とは
先物ポジションの動向を把握すべき理由は「ポジションが傾いたタイミングのエントリーコストが大体判別できる」ということです。
これを言い換えると、そこでストップロスが発動しやすいか一目でわかるということになります。
まず仮想通貨を取引するプレイヤーは色々種類がいます。
機関投資家、ヘッジファンド、マイナー、個人投資家等です。
この全てにタイプがあり、特性があります。
マイナーであればマイニングした仮想通貨の下落だけは避けたいのでヘッジをしたいニーズがあるため恒常的にショートを振りたくなるでしょう。
個人投資家はショートで入って稼ぐという頭がないためロングで入りやすい性質を持っています。
機関投資家は中長期でポジションを保有したりもするためキャリーコストを気にしたり、ヘッジファンドであれば、どこのタイミングや位置でストップロスが発動しやすいか予想し、そのストップハンティングを行うか虎視眈々と狙っているということにもなります。
このようにそれぞれの特徴を把握しながらチャート分析、そしてポジション動向を把握することに努めると面白いでしょう。
ではもう一度先ほどのチャートをご覧ください。
まず最初の薄い青色の丸印の位置のチャートの動きは急落している動きとなっています。
しかしポジション動向をみると先物ではショートが徐々に増えてきており、ショートポジションが積み上がっていることが視覚的に把握できると思います。
その間にロングも積み上がっていますがここで想像できることは下記の通りになります。
①下落でショートを積み上げている投資家は「マイナー勢」
②下落途中でロングを積み上げているのは「個人投資家」
この2つは容易に想像できるでしょう。
①はこのような急落を始めるとマイナー勢は現物の値下がりをダイレクトに影響するためなんとか先物で一時的に下落リスクを回避しようと試みます。
相場が安定し始めたらショートを解消して現物の値上がりを期待しながら再度保有したままにするということです。
先物ショートはキャリーコストがかかる可能性がありますが、ポジションを積み上げているということはキャリーコスト以上に不安要素が大きくなったためとりあえず価格変動リスクをヘッジしたと言えるでしょう。
一方でロングを積み上げている個人投資家は完全に逆張りの投資家です。
逃げ足といえばこの個人投資家の方が早いといえます。
そのため短期的にはロングの解消が早いことから、価格の上昇圧力を妨げる要因となるということになり、逆にある程度上昇するとマイナー勢のヘッジのショート部分が解消するため一気に上昇軌道に乗りやすいということです。
60万円付近からの下落でショートが積み上がっていることから60万円を越えると一旦マイナーがポジションを積み上げたショートポジションのヘッジを外し行くと考えられ、結局チャートをみるとこのラインから大きく上昇軌道に乗り始めたのがわかると思います。
では次の青色の丸の部分をチェックしましょう。
ここは完全に上昇トレンドに入っている局面であり80万円付近からの急上昇に伴ってショートポジションも積み上がっていることがわかります。
これは明らかにマイナーのヘッジポジションではなく過熱感を意識したショート勢がエントリーしてきたフローということが想像できると思います。
つまりこのショート勢は80万から100万あたりに積み上げているということからある一定のラインまでくると、よりストップロスを巻き込み下落するという予想が立ち自身のトレードにも役に立つと思います。
ではこのポジションの把握を利用してどのようにトレードに利用するかを次にご説明します。
先物ポジションの動向をトレードに活かすには
上記の内容を把握した上で実際にトレードを行う方法をご紹介します。
ここで一番大きな使い方はポジションが傾きつつもチャートが動いていない時です。
二番目の青の○印の位置は先ほどご説明したように短期的なショート勢がポジションを構築しているため、ここから上昇は許容できません。
もしもチャートの動きを確認し、ショートポジションが積み上がりながらも横ばいのような動きとなった場合は、下落すると見込んだトレーダーが多いにも関わらず現物の買いに圧されてしまい、下落できていないという状況になります。
このような環境では現物のフローよりも、先物ポジションの方はキャリーコストがかかるため短期的にポジションが軽いことから一旦ポジション外しのフローが時間経過とともに出やすくなるため、上昇圧力のバイアスが増加すると言えるでしょう。
最初は下落を見込んでいたとしてもすぐに諦めるフローが短期筋の先物フローの動きです。
逆にマイナーや機関投資家のフローは短期的に動かしたりはしないため、なかなかポジションを外しにかかることはありません。
しかしこの投資家のフローが入ると大きく相場が動くことがあるためこの機関投資家やマイナー勢のポジションの把握も重要と言えます。
最初の青色の○印は特にマイナーのフローのいい例と言えるため復習するといいと思います。
ポジションの把握はテクニカル分析の中でも最重要事項
先物ポジションから予想する戦略は有名な仮想通貨のトレーダーはみんな行なっている方法です。
そのくらい需給バランスというのは大事であり、相場に影響を与えるとも言えるでしょう。
最初はこの把握ということがとても難しいと感じるかもしれませんが、まずは自分自身でチャートと先物ポジションを把握しながらシナリオを予想することが大切です。
練習しフィードバックを繰り返すことで、精度が上がってくることでしょう。
そして基本的なテクニカル分析と併用することでよりトレードの技術が向上し、勝ちやすいトレード手法が見つかるかもしれません。
tradingviewでしか現在はチェックすることが出来ませんが、無料で利用できる範囲でもあるのでまずは使って見ながら練習してみることをお勧めします。