日本と海外の仮想通貨FX取引所の追証について
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- 2019.05.15.
- 特集
- 日本と海外の仮想通貨FX取引所の追証について
「海外には追証がないって聞いたけど、ホント?」
「どんなからくりがあるの?」
どうして海外の仮想通貨FX業者では追証がないのか疑問に思われるでしょう。
何かからくりがあるのではないかと思う気持ちもわかりますが、果たして本当に何かがあるのでしょうか?
実は、海外の仮想通貨FXには、追証を発生させないための「仕組み」があるのです。
この「仕組み」は、広く公開されています。
本記事では、この追証を発生させないための海外仮想通貨FX業者の仕組みについて解説します。
海外の仮想通貨FX業者の姿を理解できれば、納得して海外の業者を利用できるようになるでしょう。
海外に追証がない理由
海外の仮想通貨FX業者に追証がないのは、国内の業者にはない次の4つの仕組みがあるからです。
- 口座の損失を補てんする仕組み:保険基金
- 大口の損失が出たときに補てんする仕組み:ADLシステム・社会的損失システム
- 大口の損失が出ることを抑制する仕組み:リスク制限
ひとつずつ詳しく解説します。
口座の損失を補てんする仕組み:保険基金
1つ目の仕組みは、口座の損失を補てんするための「保険基金」です。
この保険基金は、ユーザーの口座に損失が出たときに、口座の損失を埋めるために利用できる積立金のことです。
例えば、口座に10万円分の仮想通貨を入金し、レバレッジをかけてポジションを建てたとします。
このポジションの損失が11万円に膨らんだら、口座残高はマイナス1万円となります。
このマイナス1万円分の損失を、保険基金から充当するというものです。
ユーザーが不足金1万円を海外FX業者に支払わなくても、口座がマイナス1万円から0円に回復します。
この、口座を0円に回復させる仕組みを「ゼロカットシステム」といいます。
保険基金の源泉はロスカット
この「保険基金」は誰がどのように積み立てているのでしょうか?
実は、この「保険基金」を積み立てているのは、その海外業者を利用しているトレーダーです。
どういったときに積み立てているかというと、ポジションがロスカットされたときです。
そのポジションの証拠金の残金が基金に蓄えられます。
もちろん、ロスカットされたときにスリッページが起きて(価格が滑って)口座残高がマイナスになってしまった場合は、証拠金はマイナスになってしまうので蓄えることはできません。
口座残高がマイナスになってしまった場合は、逆に保険基金の残高を消費します。
この保険基金は、ロスカットされたユーザーが積み立てたり消費したりしています。
大口の損失が出たときに補てんする仕組み:ADLシステム・社会的損失システム
では、保険基金で補えないほどの巨額な損失が発生した場合はどうなるのでしょうか?
実は、次の2つの方法のどちらかを使って大口の損失を補てんしています。
- ADLシステム
- 社会的損失システム
ADLシステム
ADLシステムは、大口ポジションの強制決済と相対するポジションをシステムで抽出し、「損失が出ない価格」で強制的に決済させる仕組みです。
例えば、大口の買いポジションを持つAさんがいたとしましょう。
市場価格が強制決済ラインに達したため、Aさんの買いポジションは強制的に売りで決済注文が出されます。
しかし、そのまま市場価格で決済されてしまうと、その損失額は巨大なため、保険基金ではまかなえません。
そこでADLシステムは、買いポジションを保有するユーザーをピックアップし、その中でもレバレッジ倍率や利益率の高い人をランク付けしていきます。
ランク1位がBさんだったとしましょう。
Bさんは決済注文を出してない状態ですが、強制的にAさんの売り・決済注文と相対させ、Bさんのポジションを解消します。
決済価格はAさんのポジションに損失がでない価格となりますので、巨額の損失が出るのを防ぐことができます。
相対取引にピックアップされたBさんは少し気の毒ですが、取引所全体で考えれば、保険基金を消費せずに大口ポジションを解消できることで、取引所のユーザー全体にメリットがあるといえるでしょう。
ランク上位にならないよう調整も可能
ADLで全体の最適化ができるとはいうものの、Bさんからすると自分が損失を負担するのは嫌だと思うかもしれません。
このような場合、ランクの順位を下げることもできます。
ADLシステムでのランク付けは、利益および使用している実効レバレッジの大きさが大きいほど、ランク上位になります。
またユーザーにも自分のランクが分かるよう、常に表示されるようになっています。
そのため、ポジションを解消したり実行レバレッジを小さくしたりすることで、ランクを下げることもできるわけです。
社会的損失システム
社会的損失システムでは、保険基金よりも大規模な損失が発生した場合、取引所の全ユーザーの利益から損失を補てんします。
税金のような仕組みと考えれば分かりやすいかもしれません。
このシステムは、2018年7月に海外取引所OKexで実施されました。
あるトレーダーが約5億ドル(約550億円)ものロングポジションを取りましたが、ロスカットされ、約950BTCの損失を出しました。
当時のOKexの保険基金はわずか10BTCほどだったため、全ユーザーの利益から損失を補てんしています。
大口の損失が出ることを抑制する仕組み:リスク制限
海外取引所には、大口の損失が出ることを抑制する仕組みがあります。
それが「リスク制限」です。
「リスク制限」とは、大口のポジションをもつときに、あらかじめ適用できるレバレッジ倍率の上限を低くする仕組みです。
Bybitを例に取りますと、100BTCのポジションを持つとき100倍のレバレッジ倍率を効かせることができますが、200BTC持つときの最大レバレッジ倍率は50倍となります。
このように、ある一定ラインを超えた大口のポジションを持つときに、ポジションが大きくなればなるほど適用できるレバレッジは小さくなります。
レバレッジ倍率の上限が小さくなることで、積み上げる証拠金の額が大きくなり、その結果、無謀ともいえるようなリスクをとるユーザーを減らす効果も期待できます。
日本の仮想通貨FX業者の仕組み
海外の仮想通貨FX業者における仕組みについてはご理解いただけたと思います。
では、日本の取引所において、追証はどうなっているでしょうか?
実は、日本の仮想通貨FX業者のほとんどは追証があります。
取引所 | 追証発生の証拠金維持率 | ロスカット発生の証拠金維持率 |
---|---|---|
Liquid by QUINE | マイナス残高 | 110% |
bitFlyer | 100%(※) | 100%(※) |
BITPoint | マイナス残高 | 100% |
DMM bitcoin | マイナス残高 | 80% |
GMOコイン | マイナス残高 | 75% |
Coincheck | マイナス残高 | 50% |
Zaif(信用取引) | マイナス残高 | 30% |
Zaif(Air FX) | – | 30% |
(※)2019年5月中に適用予定。それまでは追証発生が80%、ロスカットが50%
ZaifのAir FXというサービスは追証が無いものの、他のすべての取引市場では追証が発生します。
一応、証拠金がゼロになる前にポジションを決済する仕組み(ロスカット)はありますが、相場が短時間で急激に変動するときは、ロスカットが作動しないことがあります。
実際、証拠金が50%を切ったら自動でロスカットされるはずのbitFlyerで暴落が起きて、証拠金残高がマイナス450万円になってしまった方もいらっしゃいます。
日本の業者は、「ロスカットシステムで安全」と謳っているものの、実際にはロスカットが発動せずに大きな借金を抱えてしまっている方は大勢いるようです。
実際、借金がなく安全に取引できる海外の業者のほうが、魅力的だといえるでしょう。
まとめ
海外のFX業者は、さまざまな仕組みを使って損失をカバーしており、ユーザーには一切追証を請求しません。
さらに、海外の業者は最大100倍のレバレッジを効かせて取引できますので、資金を効率的に使えます。
一方、日本の取引所は、口座に損失が出たときは利用者が金銭を負担しなくてはならず、レバレッジ倍率は縮小傾向です。
ユーザーに嬉しい仕組みを持っているのは、海外の仮想通貨FX業者といえるでしょう。
あなたはどちらが魅力的に感じましたか?
もし、海外の業者を魅力的に感じたのであれば、ぜひ海外仮想通貨FX業者に登録することをおすすめします。