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英でロシアへの制裁も視野に入れたマネロン対策が審議へ

  • 2022.09.24.

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仮想通貨が詐欺や麻薬取引などで得た資金を洗浄する、つまりマネロンに使われているということは以前から指摘されていましたが、実際にこのマネロンを取り締まることは難しく、法的な対策が必要であることの声が多くありました。

 

このような状況下、英国政府が議会に対してマネロン対策の一環として、仮想通貨の押収や凍結、回収などが素早くおこなえるよう、法案を提出したとのニュースが流れました。

 

時を同じくして、ウクライナに侵攻したことで多くの国から制裁を受けているロシアにおいて、仮想通貨を国際決済に利用することが可能になる法案についてほぼ合意されたことが明らかになりました。

 

英のマネロン対策は、ロシアに対する制裁を素早く実行に移すことを可能にする法案でもあります。

おそらく英のマネロン対策法案はロシアに対する制裁も視野に入れたものだといえるでしょう。

 

このニュースについて詳しくご説明します。

 

英政府がマネロン対策についての法案を議会に提出

GOV.UK

画像引用:GOV.UK

 

2022年9月22日、英国政府が詐欺やマネーロンダリングを取り締まるための法案を議会に提出したと発表しました。

 

「英国経済を保護するための詐欺とマネーロンダリングに対する新たな取り締まり(Google翻訳)」と題された報道によると、この法案の目的は以下のように説明されています。

 

英国の開かれた経済を悪用する窃盗犯、組織犯罪者、テロリストを抑圧することを目的とした幅広い改革が議会に導入されました。

引用:GOV.UK Google翻訳

 

そしてこの法案の中には、マネーロンダリングに使われる仮想通貨を素早く押収できること、さらに凍結し、回収できるような内容が盛り込まれていることが明らかになりました。

 

これにより麻薬取引や詐欺、サイバーテロなどによって得た資金を、仮想通貨でマネーロンダリングされた場合、これまで難しかった取り締まりが容易になります。

 

英国における会社設立も厳しくチェック

今回の法案は、マネーロンダリングのために仮想通貨が使われた際の取り締まりをし易くするためだけのものではありません。

 

英国から汚れたお金を追い出すため、犯罪の隠れ蓑に使われることが多い会社の設立についても厳しくチェックできる内容になっています。

 

改革により、英国で会社を登録する人は誰でも身元を確認する必要があり、会社が犯罪や外国のクレプトクラットの隠れ家として使用されるのを防ぐことができます。

引用:GOV.UK Google翻訳

 

この法案に対する英国官僚の意見

今回提出された法案に対し、英国官僚は以下のように説明しています。

 

ビジネス産業戦略相のJacob Rees-Mogg氏は、英国が投資やビジネスに開放的であることを望んでいるものの、この開放性が悪用されることを許してはいけません。

法律を遵守する企業に不必要な負担を負わせず、暗躍する犯罪者を根絶するためのツールとして提供していきますと述べています。

 

Suella Braverman内務長官は、英国を汚れたお金の本拠地にしてはいけない。

この法案によって、汚れたお金を手の届かないところに隠そうとする犯罪者の一歩先を行くことができますと主張しました。

 

またTom Tugendhat安全保障大臣は以下のように述べています。

 

私は外務委員会の元委員長として、政府がウクライナ侵攻後に行ったダーティマネーに対する迅速な立法措置を称賛しましたが、さらに前進するよう懇願しました。

クレプトクラートが不正に得た利益を隠し、英国を貸金庫として扱うことをより困難にする改革を本日導入したことを嬉しく思います。

引用:GOV.UK Google翻訳

 

法案の背景にあるロシアへの制裁

Tom Tugendhat安全保障大臣のコメントには、ウクライナ侵攻後の英国政府の立法措置について触れている部分が見られます。

 

すなわち今回の法案は、英国が仮想通貨によるマネーロンダリング対策ではあるものの、ウクライナに侵攻したロシアに対する制裁措置である「経済犯罪法」を素早く実施できるようにするのと同義ということになります。

 

実はロシアでは、今回の英国での仮想通貨マネロン対策発表とほぼ同じタイミングで、仮想通貨を国際決済に利用するための法案を策定し、ロシア財務省と中央銀行の間で概ね合意されたと報道されています。

 

英国でのこのような仮想通貨マネロン対策の動きは、ロシアに対する制裁も視野に入れたものだといえるわけです。

 

ロシアの財務省と中央銀行で仮想通貨国際決済をほぼ合意

Kommersant.ru

画像引用:Kommersant.ru

 

英国政府が議会に対してマネロン対策の法案を提出したのと同じ日である2022年9月22日、ロシア現地メディアであるKommersantが、仮想通貨を国際決済に利用できるとする法案にほぼ合意したと発表しました。

 

Kommersantの報道によると、ロシアの財務副大臣であるAleksey Moiseev(アレクセイ・モイセーエフ)氏が法案の合意について説明したとし、以下の内容も記述してあります。

 

9月5日、アレクセイ・モイセーエフは、政府の金融ブロックが仮想通貨を使用するための「硬すぎる」インフラストラクチャを作成するつもりであると発表しました。

同時に、国境を越えた決済での暗号通貨の使用の合法化を提唱しました。

「一方では、人々にそれを行う機会を与える一方で、他方では、ロンダリングや麻薬の支払いなどがないように管理下に置くことです」と彼は言いました。

引用:Kommersant.ru Google翻訳

 

ロシアにおける仮想通貨国際決済の動き

現時点のロシアにおける仮想通貨環境は、取引そのものは認められているものの、決済などに仮想通貨を用いることは禁止されていました。

 

しかしロシアがウクライナに侵攻したことで多くの国がロシアに対して制裁を発動させたため、仮想通貨に対する見方が変化したようです。

 

ロシア財務省は仮想通貨に規制は必要ではあるものの、経済制裁によって金融面での自立や貿易のし易さが重要になってきたため、なんとか国際決済ができるようにしたいと考えていたようです。

一方、ロシア中央銀行は仮想通貨を禁止したいと考えており、両者の間で意見の相違があったため、仮想通貨による国際決済法案はまとまらなかったようです。

 

ここにきて状況が変化した理由は明らかにされていませんが、ロシア財務省とロシア中央銀行との意見が一致をみて、仮想通貨を国際決済に利用できるようにする法案にほぼ合意となったわけです。

 

ロシアへの制裁が犯罪のマネロンを難しくする

冒頭でもご説明したように、仮想通貨は犯罪などで得た資金のマネーロンダリングに使われることが多く、それを防ぐために色々な取り締まりがおこなわれてきました。

取り締まりの成果は少しづつあがってきているようでしたが、画期的とはいえず、結果をだすまでに時間も相当かかっていたのが現実です。

 

今回、英国がマネロン対策を打ち出したのは、明らかにロシアを意識したものだといえるでしょう。

しかしそのマネロン対策が、他の犯罪で得た資金のマネーロンダリングを防ぐことにつながっていくのかもしれず、ロシアに対して制裁をおこなっている他国でも同様の動きが加速する可能性もあります。

 

この動きが結果的に、犯罪に対する抑止力になるのは良しとするべきでしょうが、取り締まりでは結果がなかなかでなかったことを考えると、皮肉な結果といえるのではないでしょうか。

 

まとめ

英国でマネロン対策が審議されはじめたことに加え、ロシアで仮想通貨による国際決済法案がほぼ合意に至ったことをご説明しました。

 

どういう過程を経るにしても、仮想通貨が犯罪に用いられることなく、健全なものになっていくのは、仮想通貨の将来だけを考えると大きなプラスになるはずです。

今後の英国とロシアの動きに注目しましょう。

 

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