テスラ社の動向がビットコイン価格にも大きな影響
- ビットコイン
- 2021.05.13.
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- テスラ社の動向がビットコイン価格にも大きな影響
米の電気自動車メーカーとして知られるテスラ社が、2021年3月から米国においてEV車の購入代金をビットコインで購入できるようしたことは、本サイトのニュース記事内で以前からご紹介しておりました。
ビットコイン決済できるようになっていたのは米国のみでしたが、今後はその対象エリアを広げていくと説明していたため、その影響もあってビットコイン価格は上昇していました。
しかし2021年5月12日、突如としてビットコインによる決済を一時停止することが発表され、その影響からか、ビットコイン価格も24時間でおよそ6%下落しました。
どうしてテスラ社はビットコイン決済を停止したのでしょうか。
またビットコイン決済を再開することはあるのでしょうか。
このニュースについて詳しくご説明しましょう。
テスラ社がビットコイン決済を一時停止
米の電気自動車メーカー、テスラ社のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏が、2021年5月12日、Twitterでビットコイン決済を一時停止することを発表しました。
テスラ社がビットコイン決済を開始したのは2021年3月24日です。
つまり2ヶ月経たないうちにビットコイン決済を一時停止したことになります。
画像引用:Elon Musk Twitter
テスラはビットコインを使用した車両の購入を一時停止しました。
私たちは、ビットコインの採掘と取引のための化石燃料、特に燃料の排出量が最も少ない石炭の使用が急速に増加していることを懸念しています。
暗号通貨は多くのレベルで良いアイデアであり、有望な未来があると信じていますが、これは環境に大きなコストをかけることはできません。
テスラはビットコインを販売しません。マイニングがより持続可能なエネルギーに移行したら、すぐにビットコインを取引に使用する予定です。
またビットコインのエネルギー/トランザクションの1%未満を使用する他の暗号通貨も検討しています。
引用:Elon Musk Twitter Google翻訳
イーロン・マスク氏のツイートを解説
イーロン・マスク氏のツイートによると、テスラがビットコイン決済を一時停止した理由として挙げているのが、ビットコインのマイニングやトランザクションにおいて化石燃料が消費されていること。
またビットコインを利用した決済を推進すると、化石燃料消費がさらに進むという論理です。
そして化石燃料を使わない、持続可能なエネルギーによってビットコインがマイニングされるようになった際には、改めてビットコイン決済を再開するとしています。
またビットコインのマイニングやトランザクションに使用するエネルギー量の1%未満しか使用しない仮想通貨を使用することも考えているとされています。
つまりテスラ社として、ビットコイン以外の仮想通貨による決済方法も検討している最中だということです。
ビットコイン価格の下落にもつながったテスラ社の動き
テスラ社がビットコイン決済を一時停止したことが報じられると、ビットコイン価格は大きく下落しました。
画像引用:tradingviewBTCUSD
上の画像は日本時間5月13日17時頃のtradingviewBTCUSDのチャートです。
イーロン・マスク氏のツイート以降、ビットコイン価格が2000ドルほど一気に下落したことが分かります。
それまでは値動きの方向性が定まっていなかったのですが、現在は下落傾向にあるようです。
テスラ社の発表に対する反応
テスラ社のCEOであるイーロン・マスク氏が上記のような発表をしたことに対し、色々な反応も巻き起こっています。
その幾つかをご紹介しましょう。
多くのマイナーは再生可能エネルギーを活用との説
米の資産運用マネージメント会社であるVan Eck社のGabor Gurbacs氏は、イーロン・マスク氏のツイートに対し、以下のツイートを返信しています。
#Bitcoinの76%のマイナーは再生可能エネルギー源を使用しています。
マイナーの総エネルギー消費量の39%は再生可能エネルギーによるものです。
ビットコインマイニングは、最も再生可能エネルギーに焦点を当て、再生可能で長期的なインセンティブに沿った産業の1つです。
あなたが神話に陥るのを見て悲しい@elonmusk
引用:Gabor Gurbacs Twitter Google翻訳
つまりGabor Gurbacs氏は、全マイナーのうち76%の業者が再生可能エネルギーを使用しており、消費されるエネルギーの4割近くが再生可能エネルギーだと主張しています。
そしてビットコインのマイニング業界は再生可能エネルギーに注目している、優れた産業だとも表現しており、イーロン・マスク氏がこれらのことを理解しておらず、昔の噂話に右往左往している様が悲しいとも述べているわけです。
他にもGabor Gurbacs氏と同様の意見を主張している人物が存在しています。
それは米の仮想通貨資産マネージメント会社、モルガン・クリーク・デジタルの共同創業者であり、仮想通貨トレーダーとしても著名な通称Pomp(Anthony Pompliano:アンソニー・ポンプリアーノ)氏です。
Pomp氏は、ビットコインマイナーの75%以上は、マイニングに際して再生可能エネルギーを既に利用していると発言しています。
将来的な化石燃料使用量の減少についての言及
ビットコインを大量購入したことでも知られる米のビジネスデータ管理・分析サービス会社、マイクロストラテジー社のCEOであるMichael Saylor氏は、以下のような内容をツイートしています。
エネルギーは暗号資産ネットワークを保護するために使用され、時間の経過に伴う化石燃料消費への正味の影響は、すべてのことを考慮してマイナスになります。
引用:Michael Saylor Twitter Google翻訳
マイニング時に化石燃料がどの程度使用されているのかについての内容ではありませんが、エネルギーはネットワーク保護に使用されており、今後化石燃料が使われることも少なくなってくるだろうと述べています。
まとめ
テスラ社のイーロン・マスク氏のツイートは、ビットコインをマイニングするのにどの程度化石燃料が使用されているのか、理解したうえのものなのか、それとも何らかの口実に利用したものなのかは、今後の動向を見なければ判断することはできません。
またビットコインのマイニングには、再生可能エネルギーが多く使われていることを知ったイーロン・マスク氏は、どう判断するのでしょうか。
ただ、ビットコイン決済を発表してから2ヶ月も経たないうちに一時停止したということは、発表時に化石燃料のことに関して知らなかったのか、それとも認識を新たにしたのかは、多くの人が知りたいところでしょう。
加えて、テスラ社がたとえ先進企業とはいえ、一社だけがビットコイン決済を一時停止したことが、これほど価格に影響してしまう点についても、まだまだビットコイン市場の不安定さを感じさせてしまいます。
とはいうものの、ビットコイン価格に大きな影響力があるテスラ社の動向には、今後も注意を払っていく必要があるでしょう。