2.22のビットコイン大幅下落の背景にあったクジラの動き
- ビットコイン
- 2021.02.25.
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- 2.22のビットコイン大幅下落の背景にあったクジラの動き
2021年2月21日に610万円台にあったビットコイン価格は、22日の8時頃から下落し始め、23日には一時470万円台にまで下落してしまいました。
2月24日の21時現在は530万円台にまで回復しているものの、下落幅が非常に大きかったため、下落要因を巡っては色々な説が流れています。
ビットコインを大量に購入したテスラ社のイーロン・マスク氏がビットコイン価格に言及したこと、さらに米財務長官であるジャネット・イエレン氏がビットコインの投機性について述べたことなどが原因という説もあります。
これらの発言はビットコインにとってネガティブなものであることは確かですが、それだけでこれほど大きく値下がりするものでしょうか。
そんな中、仮想通貨データ分析企業であるGlassnode(グラスノード)やSantiment(サンティメント)が大幅下落の背景にあるクジラの動きを指摘しています。
これらの全ての下落要因説についてご説明しましょう。
ビットコイン価格の大幅下落
1BTCが610万円台に達するなど史上最高値を更新していたビットコインが、2021年2月22日から下落し始め、23日には470万円台にまで下落しました。
この下落幅は、昨年3月に起こった新型コロナウイルスによる下落、そして2021年1月11日に起こった暴落に匹敵するほどの下落でした。
この急激な下落によって、仮想通貨デリバディブ市場において56億ドル分がロスカットされたといわれています。
このロスカットの内、最も多かったのはBINANCEでおよそ25億ドル分が、Huobiでは14億ドル分がロスカットされたようです。
大幅下落の要因といわれているもの
ビットコイン価格が大幅に下落した要因ではないかと報じられているものを紹介しましょう。
テスラ社のElon Reeve Musk氏によるツイート
シリコンバレーに本拠地を置く電気自動車メーカーのテスラ社の共同設立者であり、CEOでもあるElon Reeve Musk(イーロン・リーヴ・マスク)氏が、2021年2月20日に「ビットコインやイーサリアムは価格が高いように見える」とツイートしました。
画像引用:Elon Musk Twitter
2021年2月11日のニュース記事「テスラのビットコイン大量購入で価格高騰したその後は?」内でも説明したように、テスラ社はビットコインを15億ドル、日本円にしておよそ1,600億円を投資しています。
またテスラ社のビットコイン大量購入報道によって、ビットコイン価格は急騰していました。
つまりイーロン・マスク氏のツイートは、それほどビットコインに期待しているはずの人物が「高いように見える」と高値を否定したことになるわけです。
そしてこのツイートによってビットコイン価格が下落したのではないかと報道されています。
米財務長官のビットコインに対する発言
2021年に発足した米バイデン政権において財務長官に就任したJanet Yellen(ジャネット・イエレン)氏がビットコインに対して投機性が強いこと、さらにビットコイン利用者は注意する必要がある旨を発言したと、2021年2月22日に報道されました。
ジャネット・イエレン氏はFRBの前議長であり、議長として在任中もビットコインに対して個人的見解として否定的な意見を述べていました。
ジャネット・イエレン氏の今回の発言は、米財務長官に就任して以来、初めてのビットコインに対するネガティブな発言だったといえます。
すなわち前述したテスラ社のイーロン・マスク氏のツイートに加え、ジャネット・イエレン米財務長官のビットコインに対するネガティブな発言が続いたことになります。
これら以外の考えられる下落要因
ビットコイン価格が高値を更新し続けていたことから、投資家の間では警戒感が高まっていたといわれています。
それはテクニカル手法でビットコイン価格をみた時、下落するタイミングであったこと、さらに価格が上昇しすぎであることが指摘されていました。
加えて、価格が上昇したことによって利益を確定させるための売りが多く発生したのではないかともいわれています。
仮想通貨データ分析企業によるレポートでは
上記の報道以外に、仮想通貨データ分析企業がレポートを発表しており、大幅下落の要因としてクジラの存在を裏付ける内容となっています。
Glassnodeの2月22日のレポート
仮想通貨データ分析企業であるGlassnodeが定期的に発表しているThe Week On-chainの2021年2月22日分で、ビットコインクジラが2月に入ってからビットコインを大量に手放していることについて報告しています。
画像引用:Glassnode
Glassnodeはビットコインを保有しているアドレスを、クジラに類したネーミングで呼んでいます。
1,000BTC~1万BTCを保有しているアドレスをクジラと呼び、クジラ以上の保有量があるアドレスはザトウクジラと呼んでいます。
大量のビットコインを保有しているクジラとザトウクジラのアドレス数は、この1年の間で14%も増えていることが分かっています。
また彼らは2021年1月にビットコインを集中して買っており、この月だけで8万BTC増えていることが分かりました。
2021年1月といえば、年末からビットコイン価格が400万円台に上昇し始め、月末に300万円台に下がったタイミングです。
つまりこの価格帯で8万BTCを購入したということです。
そしてクジラとザトウクジラは、2021年2月になってビットコイン価格が500万円以上に上昇すると一転して売却を始めたようで、保有量は14万BTC減少したとのことです。
すなわち利益を確定させるために売却したということでしょう。
Santimentが2月23日に発表したデータ
仮想通貨データ分析企業であるSantimentが、今回のビットコイン価格の大幅な下落にはひとつのアドレスが大量のビットコインを売却した影響が大きいことをツイートしています。
画像引用:Santiment Twitter
Santimentのツイートによると、ビットコイン価格が58,000ドルになった時点で2700BTCが売却されたことが大幅下落の要因になっているとのことです。
この2700BTCは、取引額に直すとおよそ1億5660万ドル、日本円にして約165億円になります。
これだけの金額のビットコインが売られると、下落してしまうのは当然でしょう。
そしてSantimentはこのビットコイン大量売却時には、あるクジラがビットコイン大量売却をおこなっていたこと、さらにこのクジラは2020年3月にビットコインが暴落する直前にも大量のビットコインを売却していたことを突き止めています。
なお2020年3月の時は、ビットコイン価格が60%近く下落していました。
つまりSantimentの分析データによると、2020年3月と2021年2月のビットコイン急落には、どちらも同じクジラの影響が大きいといえるわけです。
ビットコインクジラの影響とは
仮想通貨データ分析企業の調査で、ビットコイン価格がクジラによって大きく影響されていることが明らかになりました。
では今回のビットコインの大幅下落は全てクジラのせいなのでしょうか。
このことに関して、前述の仮想通貨データ分析企業であるSantimentは、ひとつのアドレス、つまりひとつのクジラによってビットコイン価格が下落したとは考えていないものの、クジラの動きが下落のきっかけになったと説明しています。
まとめ
2021年2月22日から23日にかけてビットコインが急落した背景にあるとされる情報を全て紹介しました。
これらを全て見ていくと、どれか1つだけが下落の要因になったとは考えられず、1つのきっかけが雪崩のように膨らんでいったようです。
それはビットコインクジラの動きがきっかけであり、テスラ社のイーロン・マスク氏のツイートやジャネット・イエレン米財務長官の発言がビットコイン売却の動きを加速させたようにみえます。
ビットコイン価格はこれらのことで大きく変動する不安定なものですが、だからこそ仮想通貨FX取引が成立するのでしょう。
しばらくは不安定な値動きが続きそうですが、その中に勝機を見いだし、利益につないでください。