仮想通貨を取引する人が世界で1億人以上との試算
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- 2020.09.25.
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2008年にビットコインが誕生してから、仮想通貨はその種類を増やしてきているだけでなく、取引量も爆発的に増え、今やGOLDと並ぶ安全資産といわれるほどの存在に成長しています。
しかし仮想通貨が金融資産であるため、価格に影響を及ぼしそうな情報や、価格を予想するような情報ばかりがメディアから発信されてしまっています。
もちろんこれらの情報も必要ではありますが、仮想通貨業界全体の動向や市場力学的なことに関する情報が少ないことも事実でしょう。
あえてこれらの情報にスポットを当てたレポートが発表され、世界で仮想通貨を取引する人が1億人以上に達していることが分かりました。
またレポートには、独自の視点で仮想通貨を分析した結果も発表されています。
このレポートに関して詳しくご説明しましょう。
仮想通貨業界全体のベンチマークとなるレポートが発表
ケンブリッジ大学のJudge Business SchoolにあるCCAF(Cambridge Centre for Alternative Financeの略、ケンブリッジオルタナティブ金融センター)が、仮想通貨業界全体の動向に関するレポートを発表しました。
画像引用:CCAF
「3RD GLOBAL CRYPTOASSET BENCHMARKING STUDY(Google翻訳 第3回グローバル暗号資産ベンチマーク研究)」と題されたレポートは、業界の動向を段階的に追跡し、理解することを目指して作成されたもので、題名通り今回で3回目となるレポートです。
なお第1回目のレポートは3年前に発表されています。
このレポート内に記述されている内容を、幾つかピックアップしてご紹介しましょう。
仮想通貨を保有する人数は1億人以上
このレポートでは2016年と2018年、そして2020年第3四半期のそれぞれのタイミングで、仮想通貨取引所の口座総数とユーザー数を調査しています。
そのデータをグラフにしたのが以下のものです。
画像引用:CCAF
紺色の棒グラフは仮想通貨取引所で開設されている口座数で、水色の棒グラフは仮想通貨取引所に口座を開設している実際のユーザー数です。
口座数の方が多いのは、1人で幾つかの口座を開設している人が多く存在しているということです。
そしてこれまでの調査方法と同様の方法を用い、2020年第3四半期に調査した結果、仮想通貨取引所の口座数は1億9100万口座で、取引している人の人数は1億100万人に膨れ上がっていることが分かりました。
なおこの調査はあくまでも仮想通貨取引所の口座だけを基本に調査しているため、仮想通貨取引所ではなく、仮想通貨ウォレットだけを保有している人は考慮されていません。
つまり仮想通貨ウォレットだけを保有している人も含めると、確実に1億100万人以上が仮想通貨取引をしている計算になるわけです。
地域によって異なるマイニング対象通貨
レポートでは、地域別のマイニング対象通貨とその比率についても述べられています。
世界をアジアパシフィック地域と欧州、ラテンアメリカ、北米の4地域に分割し、このことについて分析した結果が以下のグラフです。
画像引用:CCAF
グラフをみると、ビットコインは世界のどの地域でも最も多くマイニングされていることが分かります。
しかし2番目にマイニングされている仮想通貨は、地域によって差があることがみてとれます。
アジアパシフィック地域では、イーサリアムとビットコインキャッシュが同率ですが、ヨーロッパではライトコイン、ラテンアメリカではイーサリアム、北米ではビットコインキャッシュがそれぞれ2番目に多くマイニングされています。
またラテンアメリカではイーサリアムクラシックとZCashについて、ハッシュレートを検出できなかったものの、その分イーサリアムの比率が他の地域と比較して高いことも特徴的です。
さらにアルトコインについて特徴的だったのは、イーサリアムとビットコインキャッシュに次いで比率が高いのがライトコインであったということでしょう。
サービスプロバイダーによる法定通貨サポート比率
さらにレポートでは、仮想通貨サービスプロバイダーが各国の法定通貨をサポートしている比率を発表しています。
なお仮想通貨サービスプロバイダーとは仮想通貨取引所だけでなく、特定種類のウォレット提供企業、ICOに対応した金融サービスなどを指します。
つまりこの分析では各国の法定通貨を利用できる仮想通貨サービスプロバイダーが、どの程度増えてきているかを明確にすることができるだけでなく、その国における仮想通貨の浸透率を推し量ることができるわけです。
以下のグラフがそのデータをまとめたもので、黄色の棒グラフが2018年のデータ、黒い棒グラフは2020年のデータです。
画像引用:CCAF
このグラフをみると、最も多くサポートされている法定通貨はUSDで、2018年の47%から、2020年には59%にまで跳ね上がっています。
2番目にサポートされているのはユーロで、2020年に51%まで上昇しています。
日本円は2018年に9%でしたが、2020年には21%まで増加しており、仮想通貨が日本で定着しつつあることが読み取れます。
どの国の法定通貨でも2018年より2020年の方が増加している背景として、世界各国で仮想通貨に対する規制が整いつつあり、仮想通貨での取引に信頼性や透明性が伴ってくるようになったことから、法定通貨をサポートできるようになったとレポートでは指摘しています。
すなわちそれまでダークなイメージが付きまとっていた仮想通貨が、厳しい規制の徹底化によって安全な取引手段としての地位を確立できるようになってきたということでしょう。
まとめ
仮想通貨業界がどのように変化してきているかを把握できるレポート内容について、一部抜粋ではありますがご説明させていただきました。
このレポートの中で驚くべきことは、仮想通貨取引をしている人が1億人以上存在しているという事実でしょう。
2020年9月1日現在の日本の総人口は、概算で1億2581万人であると総務省が発表していますが、世界中で仮想通貨を取引している人はウォレットを利用している人を含めると、日本の総人口と変わらないほど存在しているのかもしれません。
仮想通貨の利用者は、今後ますます増えていくことは間違いないでしょう。
そしてそれに伴って、ビットコインなどの価格も上昇していくはずです。
数年後に仮想通貨がどうなっているのか、楽しみですね。