米では退職間際の女性が仮想通貨取引に高い関心
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- 2021.04.23.
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画像引用:GEMINI state-of-us-crypto
新型コロナウイルスによる影響は世界中で未だ深刻ですが、経済の先行きに不安を感じている人々が新たな投資先として仮想通貨を選択していることによって、ビットコインなどが高騰しているといわれています。
確かにビットコインは2020年9月以降、急激に高騰しており、2021年4月14日には700万円を突破していました。
では現在、仮想通貨に投資する人々はどのような人々なのでしょうか。
また仮想通貨をどのように捉えているのでしょうか。
米の仮想通貨取引所であるGeminiが、米居住者の仮想通貨に関するこのような疑問に関する調査を実施し、レポートとして発表しました。
その結果によると、退職間際の女性が仮想通貨取引に高い関心を持っていることなどが分かりました。
このニュースについて詳しくご説明しましょう。
仮想通貨取引所Geminiが仮想通貨調査を実施
米ニューヨークで2015年に開設された仮想通貨取引所Geminiが、2020年10月19日から11月16日の日程で、米国に居住している投資家や消費者を対象に、仮想通貨に関する調査を実施した結果を、「2021 State of U.S. Crypto Report」として発表しました。
画像引用:GEMINI state-of-us-crypto
考慮しておくべき調査実施時期
仮想通貨取引所Geminiの仮想通貨に関する調査実施時期は、前述した通り2020年10月19日から11月16日です。
この期間はちょうどコロナ禍で、ビットコインなどの仮想通貨が価格上昇を始めた時期にあたります。
つまり調査対象者が仮想通貨に対して好感触を感じ、投資対象として持ち始めている時期であろうことが考えられ、そのことに留意してデータを見るべきではあります。
対象者の詳細
この調査は、世帯年収が40,000ドル以上ある、18歳から65歳の人々3,000人の投資家や一般消費者を対象として実施されています。
この3,000人のうち、仮想通貨を保有している人は921人で、残りの2,079人は仮想通貨を保有していません。
また仮想通貨を保有している人の年収を平均すると、111,000ドル(日本円にしておよそ1,200万円)となり、性別としては男性が多く、年齢的には平均で38歳となりました。
画像引用:GEMINI state-of-us-crypto
仮想通貨に興味を持っている人々の姿
前述したように、3,000人のうち2,079人は仮想通貨を保有していませんが、仮想通貨に興味が無いと回答したのは690人で、全体の23%にあたります。
一方、保有していない人の半数以上にあたる1,697人が仮想通貨について興味を持っており、もっと詳しく知りたいと考えていることが分かりました。
また仮想通貨に興味を持っている人々の年収の平均額は107,000ドル(日本円にしておよそ1,130万円)であり、調査実施時点で仮想通貨を保有している人と比べると、比較的小さな街もしくは地方部に居住していることが考えられるとしています。
画像引用:GEMINI state-of-us-crypto
女性が仮想通貨に興味を持ち始めた
仮想通貨に興味を持っている人々の男女内訳は、男性は47%、女性は53%で、平均年齢は44歳とのデータが公表されています。
つまり、女性の方が仮想通貨に興味を持っている人が多いということがいえるわけです。
また興味深いデータとして、現在仮想通貨を保有している女性の年齢比率と、仮想通貨は保有していないものの興味がある女性の年齢比率に大幅な違いがみられました。
仮想通貨を保有している女性では、35歳以下が45%、55歳以上の年配の方は4%とごくわずかでした。
一方、仮想通貨は保有していないものの、興味があると答えた女性のうち、55歳以上が25%も存在しており、35歳以下はわずか4分の1しか存在していませんでした。
これらのデータから、今後仮想通貨を購入する人は女性が多く、しかも年齢的に退職間際の女性である可能性が考えられると、調査を実施した仮想通貨取引所GEMINIは結論づけています。
仮想通貨の購入目的とは
では調査対象者のうち、仮想通貨を保有している人々は、何の目的で仮想通貨を購入したのでしょうか。
仮想通貨は大きく分けると投資目的で購入される場合もありますが、買い物などにも利用することができます。
また投資目的であっても、頻繁に売買を繰り返すケースだけでなく、長期間にわたって保有し続けるケースもあるはずです。
調査の結果、ネットなどでの買い物に活用する人は27%で、投資を目的として頻繁に売買を繰り返す人は36%、さらに長期保有する人は69%にまで達していたことが分かりました。
なおこの調査では、仮想通貨を現在保有していないものの、興味がある人にも同様の質問を投げかけているようです。
その結果、54%の人々が長期保有を考えており、頻繁に売買を繰り返す取引に特に興味があるのは39%という結果でした。
仮想通貨保有者の購入時期について
仮想通貨を保有している人に対して、いつ購入したのかを調べた結果もレポートされています。
それによると、5年以上前に購入した人は4%。
3~5年前に購入した人は28%。
1~2年前に購入した人は42%。
6ヶ月~1年前に購入した人は16%。
6ヶ月以内に購入した人は10%という結果でした。
つまり直近2年以内に購入した人は68%にも達するわけです。
このことに対して調査を実施した仮想通貨取引所Geminiは、近年になってから仮想通貨に興味を持った人が増えていることを指摘しています。
画像引用:GEMINI state-of-us-crypto
保有する仮想通貨の種類
レポートでは、調査対象者が過去に一度でも保有したことのある仮想通貨の種類についても説明しています。
それによると、やはり最も多かったのがビットコインで87%。
次いでイーサリアムの36%。
次にビットコインキャッシュの22%。
ライトコインの21%の順となっていました。
これらの仮想通貨のうち、現在も保有しているのはやはりビットコインが圧倒的に多く、84%が現在も保有されていることが明らかになっています。
一方、過去に保有したことのある仮想通貨で最も低い割合だったライトコインは、15%の保有率にとどまっていることが分かりました。
まとめ
米の仮想通貨取引所Geminiが実施した、仮想通貨に対する投資の意識調査結果についてご説明しました。
この調査の実施時期が、ビットコイン価格の上昇傾向時期であったため、その影響が色濃く出ているはずです。
2021年の4月下旬の時期に調査するとどういう結果になるのか、非常に興味が湧くところですが、今後のビットコイン市場に女性投資家や一般女性の参入が増えてくる可能性は否定できないでしょう。
また退職間際の女性が仮想通貨投資に興味を持っているということは、女性の資産や投資に対する価値観も変わりつつあることが伺えます。
そして価値観の変化を強く促進したのは、実は新型コロナの影響が大きかったのかもしれません。
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