仮想通貨取引に参加し始める20代が近年になり急増
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- 2020.09.09.
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ビットコインはSatoshi Nakamotoによって2008年に論文が公開され、実際に誕生したのは2009年1月だといわれています。
このビットコインは世の中に登場してからまだ11年半ほどしか経っていないにもかかわらず、多くの人々に認知され、今やGOLDと肩を並べるほどの安全資産であるといわれるほど、投資対象として定着しています。
では実際に仮想通貨に投資している人々はどのような年代の人で、日本と海外では、年齢層に違いはあるのでしょうか。
さらに、どうして仮想通貨に投資をしようと思ったのでしょう。
このような疑問の答えとなるアンケート調査を、仮想通貨取引所であるbitFlyerが実施し、その結果を発表しています。
このニュースについて詳しくご説明しましょう。
bitFlyerが顧客アンケート結果を公表
米国と欧州、そして日本でも仮想通貨取引所を展開しているbitFlyerが、2018年上半期と2020年上半期の新規口座開設者の年齢層変化に加え、アンケート調査を実施し、その結果を2020年9月7日付の同社ブログで発表しました。
なお発表された内容は幾つかの項目に分かれており、同社独自の顧客分析だけでなく、顧客にアンケートを実施した結果も発表しています。
bitFlyerにおける米欧日の新規顧客動向
bitFlyerは日本だけでなく米国と欧州でも事業展開しており、それぞれの地域における新規顧客の年齢層について、2018年上半期と2020年上半期を比較分析しています。
画像引用:bitFlyer blog
このグラフをみると、2018年上半期はどの国においても30代と40代の比率が高かったのですが、2020年では日本だけでなく米国、欧州ともに20代の新規顧客が圧倒的に増え、新規顧客の主流となっていることが分かります。
その増加率も日本では18%から36%へ2倍の増加で、米国・欧州では14%から32%へと倍以上に増えています。
また20代以外で増えているのは、欧州における60代以上だけで、5%から7%へとわずか2%の増加にとどまっています。
一方、新規口座開設者を含む全顧客の年齢比率では、20代は20.9%にとどまっており、最も多いのは30代の32.1%で、二番目に多いのが40代の26.2%となっています。
これはつまり、今後は全顧客においても20代が増えていく可能性があるということになります。
20代が増えた背景とは
上記のように仮想通貨取引を始める20代が増えているひとつの要因に、金融審議会の市場ワーキンググループが2019年に発表した報告書「高齢社会における資産形成・管理」があるとbitFlyerは考えているようです。
この報告書には、老後は年金だけでは生活できないことに加え、2,000万円が不足する旨が記述されており、発表当時には大きな話題となりました。
すなわち老後に不足する2,000万円を確保するため、20代の若者層が仮想通貨取引に取り組み始めたことが影響しているのではないかと考えているようです。
ただし、老後の資金問題が日本以外の米国や欧州にも当てはまるかどうかまでは言及されていないため、あくまでも日本におけるひとつの要因として捉えるべきでしょう。
新規顧客に対するアンケート結果
さらにbitFlyerでは、上半期の1月から6月の間に新規口座を開設した人を対象にアンケートを実施しています。
なおアンケートに対する回答者数は539人となっています。
仮想通貨取引を始めた理由について
アンケートでは、仮想通貨取引を始めた理由や目的について質問しており、結果は以下のようになっています。
画像引用:bitFlyer blog
最も多かった回答は「将来性がありそうだから」というものでした。
さらに「少額から始められるから」が多かったのは、上半期に新しく口座を開設した人の年齢比率において、20代が高かったことも影響している可能性があります。
そして特筆すべきは、仮想通貨を短期的に利益を得るものというより、中長期的な運用をするものと捉えている人が多いということでしょう。
期待する仮想通貨の種類
同じ対象者に対して、期待している仮想通貨は何かという問いかけをしています。
その結果は以下のようなものでした。
画像引用:bitFlyer blog
最も多かったのがビットコインという回答で、61%にも上りました。
次いでイーサリアムの12%、リップルの9%、ネムの5%となっています。
なお今回のアンケートはbitFlyerが実施しており、対象者もbitFlyerに口座を開設した人であるため、期待する仮想通貨の種類も必然的にbitFlyerで取り扱っている通貨に限定されている可能性があります。
bitFlyerで現在取り扱いがある仮想通貨はビットコイン、イーサリアム、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、モナコイン、リップル、リスク、ベーシックアテンショントークン、ステラルーメン、ネムの全10種類です。
例えばBybitで取り扱っているテザーやイオスなどは取り扱っていないため、「期待する仮想通貨」についてのアンケート結果は、bitFlyer色が強いものになっているといえるでしょう。
新規顧客動向とアンケート調査からみえる若者像
新規顧客動向とアンケート調査の結果から、bitFlyerが仮想通貨取引に取り組む若者像についてどう考えているのかが、報道されています。
それによると、彼らは資金をあまり持っておらず、株取引に対する知識も多くないため、少額から始められるビットコインを取引しようとしているのではないかと述べています。
まとめ
bitFlyerにおける新規口座開設者の年齢比率の変化に加え、彼らに対してアンケート調査を実施した結果についてご説明しました。
今回のアンケート調査では、仮想通貨取引をおこなう若者が増えていることが読み取れましたが、この傾向は日本だけではなく、米国と欧州の新規顧客動向からも世界的な動きであることが分かります。
今後、ビットコインに代表される仮想通貨がどう発展し、どのような広がりをみせていくのかは20代の若者たちの動きに左右されるのかもしれません。
そして彼らが仮想通貨に取り組みやすい環境を作り、整えていくのは30代以上の役割なのでしょう。
5年後、10年後に仮想通貨がどのようになっているのか、楽しみにしていましょう。