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中国では位置付けが不明瞭なビットコイン

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  • 2020.05.13.

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  • 中国では位置付けが不明瞭なビットコイン

仮想通貨の代名詞ともいえるビットコインは、2020年5月12日午前4時39分頃に3回目となる半減期を迎えました。

今回の半減期は、新型コロナウイルスによって金融資産が大きく下落し、その後の量的緩和策によって再び価格が上昇したタイミングであったため、多くの人に注目されたなかで迎えることとなりました。

 

もちろんビットコインの半減期に注目が集まったのは、これだけが原因ではないでしょう。

多くの人々がビットコインの価値や資産としての位置付けなどを認めつつあったからこそ、高い注目につながっていたはずです。

 

世界中の人々から認められつつあるビットコインですが、中国ではその位置付けが分かりにくく、不明瞭なものになっています。

 

現在中国では、ビットコインをはじめとする仮想通貨取引は禁止されています。

しかしビットコインを財産だと認める判決を裁判所が出し、国営メディアが半減期などについて詳しく紹介する記事を出すなど、理解できない事態が続いています。

これらのことについて詳しくご紹介しましょう。

 

中国における仮想通貨に関する禁止の動き

中国では2013年に金融機関などに対し、仮想通貨には人民元のような価値の根拠がないことに加え、リスクも非常に高いことなどを理由に仮想通貨取り扱い禁止の通達を出しています。

そして2017年9月には、国内の全ての仮想通貨取引所に対し業務停止要請を出したため、同月14日以降には各取引所が閉鎖発表をおこなっています。

つまり中国では2017年から以降、現在でも仮想通貨の取引は禁止されていることになります。

 

その一方で、マイニング事業に対しては黙認している状態であり、現在も大手マイニング業者が複数稼働を続けています。

 

また仮想通貨に用いられている技術であるブロックチェーンについては、習近平国家主席が2019年10月24日に積極的な推進を打ち出しており、国としてあらゆる方面で活用され、間もなくリリースされる予定のデジタル人民元にももちろん活用されています。

 

国営メディアがビットコインについて報道

中国の国営経済メディアである央视财经が、ビットコインの3度目の半減期や価格が上昇している状況、有名ヘッジファンドの創設者がビットコイン先物を購入していることなどについて、ニュートラルな立場で報道しました。

央视财经 ビットコイン関連報道

画像引用:央视财经

 

具体的な報道内容としては、3度目の半減期のアプローチとして2020年5月8日に10,000ドルを突破したことに加え、過去の半減期におけるビットコイン価格との関係などについて紹介しています。

その中で、新型コロナウイルスが半減期の強気市場にどのような影響を及ぼすのかは分からず、障害にもなり得るとする仮想通貨分析企業Messari社のリサーチアナリストであるRyan Watkins氏の意見を紹介しています。

 

またヘッジファンドTudor Investmentの創設者であるPaul Tudor Jones氏が投資家に対する手紙の中で、ファンドのひとつがビットコインを購入していることを明らかにしたことまで報道しています。

 

つまりビットコインが半減期を迎えた後、価格はどうなるのかなどのメディアとしての見解を紹介しているわけです。

この報道内容は、メディアとしてはあるべき内容ではあるものの、仮想通貨取引が禁止された以降、ビットコインについて前向きな取り上げ方をしていない中国国営メディアの内容としては全く異質のものだといえます。

 

ビットコインを財産として認める判決

中国の裁判所において、ビットコインを法律で保護されている財産であるとする判決が出ました。

この判決は2020年5月7日に中国の地元メディアで報じられています。

Huobi Japan Media Twitter

画像引用:Huobi Japan Media Twitter

 

この裁判は、2018年ビットコインとスカイコインを保有している上海在住の夫婦宅に強盗が侵入し、これらの仮想通貨を強盗のアカウントに送金させた事件から始まっています。

 

裁判所側は強盗犯に対して送金させた仮想通貨を返却するか、もしくは事件当時のレートに従って現地の法定通貨で返却するように要請したところ、犯人側はこれを拒否しました。

拒否した理由というのが、仮想通貨は財産ではなく、中国では財産と認めていないというものでした。

 

犯人側のこの反論に対して裁判所は、ビットコインはその価値や希少性、そして消費することが可能であることから、ネット上にある仮想資産であると位置づけました。

そして犯人側の主張を棄却し、送金させたビットコインを返還するよう命令をだしました。

 

実は裁判所がビットコインを財産と認める判決は、2019年7月18日にも出されていました。

その内容は2019年7月20日のニュース記事「中国裁判所でビットコインの財産権を認める判決」でご説明していますが、その際の裁判はインターネットに関連した事案だけを審理する杭州インターネット裁判所でおこなわれていました。

 

今回の裁判は、一般の裁判所である上海第一中級人民法院で審理されていました。

つまりインターネットという限られた世界における判決ではなく、現実の問題として審理された末の判決ということになります。

 

ビットコイン以外の仮想通貨も財産

中国で財産であると裁判所が認めたのは、ビットコインだけではありません。

イーサリアムでも裁判所が財産と認める判決を出しています。

 

この事件はブロックチェーンエンジニアが、過去に勤務していた企業所有のアカウントからイーサリアムや他の仮想通貨を盗んだというものです。

この事件でも裁判所は、イーサリアムを含めた仮想通貨は中国において財産であり、法律で保護されるものであるとの判決を下しています。

 

中国の仮想通貨の位置付けと不明瞭さ

中国の裁判所における判例のように、ビットコインなどの仮想通貨は財産であると認めており、中国の法律で認められているとしています。

 

その理由としては、中国政府が容認しているマイニングつまり労働によって生み出されるものであり、希少性があること、さらに消費することができるものであることを挙げています。

 

しかし法律で認められているその財産は取引することができず、その行為自体を禁止しているわけです。

この点は理解に苦しむところです。

 

どうして取引は禁止しているのに、財産である仮想通貨を保有することができたのでしょう。

仮想通貨をいつから保有していたのか、そのことが論点になっていたニュースは見つけることができません。

また財産を売るなどの行為ができないのはどうしてでしょう。

そしてその仮想通貨を作り出すマイニングは規制されないのです。

つまり中国での仮想通貨の位置付けは、非常に不明瞭だといえます。

 

まとめ

中国におけるビットコイン半減期に関する報道やビットコインの位置付けなど、非常に矛盾が多いことについてご説明しました。

 

仮想通貨取引を禁止しているのは、中国の法定通貨である人民元が海外に流出してしまう可能性を排除するためだといわれていますが、その一方でマイニングが許されるのは世界の基軸通貨であるUSドルを入手できること、さらに国が潤う事業であるという可能性が高いでしょう。

すなわち論理的なことよりも、国としての思惑が大きく左右しているということになります。

 

もしそうだとすれば、中国にとって仮想通貨取引が有利になると判断したならば、一気に仮想通貨取引を解禁することもあり得るわけです。

 

また中国ではデジタル人民元のテストが既に実施されており、リリースも間近だといわれています。

今後も中国の動きから目が離せない状態が続くでしょう。

 

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

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