複数の仮想通貨取引所の次期半減期に対する捉え方
- 仮想通貨関連
- 2020.04.09.
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- 複数の仮想通貨取引所の次期半減期に対する捉え方
画像引用:binance.vision
ビットコインのマイニング報酬が現在の12.5BTCから、半分の6.25BTCになる半減期を迎えるまで、残りおよそ1ヶ月となりました。
予定では5月の上旬に半減期を迎えることになりますが、過去の半減期ではビットコイン価格が上昇していたこともあり、多くの人が注目しているはずです。
ビットコインの半減期について、仮想通貨関連情報メディアであるThe Blockが複数の大手仮想通貨取引所に対して調査した結果を発表しています。
仮想通貨取引所は、ビットコインの次期半減期ではどのようなことが起こると考えているのでしょうか。
このニュースについて詳しくご説明しましょう。
ビットコイン半減期の捉え方を調査
2020年5月に予定されているビットコインの半減期を大手仮想通貨取引所はどう捉えているのか、複数の取引所に対して調査した結果を仮想通貨関連情報メディアThe Blockが報じています。
画像引用:The Block
The Blockの報道は、「来たるビットコインブロック報酬の半減について暗号取引所が言っていること(Google翻訳)」と題して報じられており、半減期を契機としてビットコインやビットコインを取り巻く環境などがどう変化するかなどについて調査しています。
そのため、調査対象の仮想通貨取引所が最も問題意識を持っていることについてランダムに報道されています。
ビットコイン市場に参入する人が増える
半減期によって新しくビットコイン市場に参加する人が増えるという意見は、複数の仮想通貨取引所から出ています。
世界でも最大規模で歴史もある仮想通貨取引所Krakenの最高執行責任者Dave Ripley氏は、以下のように述べていると報じられています。
歴史的には、半減後1.5年で価格が急騰したため、市場に新規参入者が現れる可能性が高い
引用:The Block Google翻訳
またDave Ripley氏と同じ考えを持っているのが、P2P仮想通貨取引所大手であるPaxfulの共同創設者であり、CEOでもあるRay Youssef氏です。
Ray Youssef氏は以下のように述べていることが報じられています。
過去2/2の半減期の余波では、前例がないほどの需要と価格の急増がありました。
もし過去のパターンと同様であるなら、それは市場に新しいユーザーをもたらすでしょう。
引用:The Block Google翻訳
以下のグラフはThe Block ResearchのCoinMetricsデータで、赤い縦線は半減期のタイミングをあらわしています。
右端の赤い縦線は今年5月に予定されている半減期です。
これをみるとRay Youssef氏が述べたように、2012年11月と2016年7月の2度の半減期後、ビットコインの価格は1年間でそれぞれ8,000%と600%以上上昇していることが分かります。
画像引用:The Block
半減期がマイナー間の競争を厳しくする
半減期をビットコイン価格の上昇ではなく、マイナーの視点でとらえている仮想通貨取引所もあります。
それが本サイトでのランキングでも4位に入っている中国系の仮想通貨FX取引所OKExです。
OKExの金融市場担当ディレクターであるLennix Lai氏は、半減期とはビットコインを量的に制限するものだと考えているようです。
私たちはマイナーの競争が激化することを予想しています。
最も効率的なマイナーが勝つでしょう。
引用:The Block Google翻訳
Lennix Lai氏は、半減期を迎えることによってマイニング報酬が半分になるため、少なくなってしまった報酬の取り合いがマイナーの間で起こることを示唆しています。
そして、いずれはマイニングの利益効率が良いマイナーだけが生き残ることになっていくと述べているわけです。
さらにLennix Lai氏は、マイナーが抱えるビットコインの価格変動リスクだけでなく、マイナーのキャッシュフロー自体をサポートするような金融商品に注目と需要の高まりがあるのではないかとも説明しています。
すでにビットコインのマイニングから撤退も
2020年4月9日時点では半減期までおよそ1ケ月ありますが、既にビットコインのマイニングから撤退し、アルトコインのマイニングに事業転換するマイナーもあります。
それが中国四川省のマイナーであるValarhash社です。
Valarhash社には「Bytepool」と「1THash」の2つのビットコイン採掘プールがあります。
この2つのマイニングプールでハッシュレートの8%を占めており、個別にみてもどちらもTOP10にランキングされるほどの規模がありました。
しかし新型コロナウイルスの影響でビットコイン価格が大きく値下がりしたこと、そして収益性が低く、資金が欠如していることを理由にビットコインのマイニングからアルトコインのマイニングにシフトしました。
なお現在Bytepoolは、ほとんどのハッシュパワーを1THashに移していると報じられています。
画像引用:blockchain.com
大幅なビットコイン価格の値下がりとマイナー間の競争の激しさによって、現時点でも大手のマイナーがビットコインのマイニングから離脱しているわけです。
これが半減期を迎えた後にはマイニング報酬が今の半分になるのですから、厳しさは今の比ではありません。
淘汰されるマイナーが何社も出てくることは十分考えられます。
ビットコインにペッグしたトークン量の増加
ビットコインの半減期が、ビットコインにペッグしたトークンに与える影響について言及している仮想通貨取引所もあります。
分散型仮想通貨取引所KyberSwapの責任者であるSunny Jain氏は、ビットコインが半減期を迎えると、希少価値の高まりとともに需要も高まることを指摘。
そしてWrappedBTC(WBTC)のように、ビットコインにペッグしたERC-20トークンのボリュームも増えていくことを予想しています。
これにより仮想通貨デリバディブ取引等での利用が増え、取引が活発化することも考えられます。
新型コロナウイルスの感染拡大による影響
上記以外の半減期に対する捉え方としては、新型コロナウイルスの感染拡大による影響を懸念する声もあったことが報じられています。
もしパンデミックが続いた場合には、5月の半減期は何事もなく終わってしまうだろうという意見を述べる仮想通貨取引所は幾つかあったようです。
欧州最大級の仮想通貨取引所であるBitstampも同意見のようでしたが、長期的にはビットコイン市場に何らかの影響を与えるのではないかとの考えも示しています。
まとめ
2020年5月に実施される予定のビットコイン半減期について、仮想通貨取引所がどのように捉えているのかをご説明しました。
半減期を異なる視点からみてみると、色々な要素があり、それらが将来的なビットコイン価格にも影響していくことがご理解いただけたのではないでしょうか。
仮想通貨FXを取引していると単なる値動きだけに注目しがちですが、長期的視点でビットコインを捉えると、将来的な価格を予想できるのかもしれません。
また半減期まであと1ヶ月となりましたが、Google Trendsで「bitcoin halving」を調べてみると、2020年1月中旬以降から人気度は3倍近くに膨れ上がっており、4月に入ってからは4倍程度に増えています。
それだけ半減期を意識している人が増えているということです。
おそらく4月後半に、人気度はさらに上昇するでしょう。
新型コロナウイルス禍に世界中は混乱させられていますが、それでも半減期を意識している人々は確実に増えてきています。
次回の半減期が仮想通貨FXで大きな利益を生むことができる機会になるかどうか、現時点では不明ですが、その兆候だけは見逃さないようにしてください。