早くも議論が飛び交う次のビットコイン半減期予想
- ビットコイン
- 2019.12.27.
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2020年に半減期を迎えるビットコインですが、半減期を迎えるにあたり価格がどう変動するかは多くの人が注目するところでしょう。
一般的に仮想通貨は半減期を迎えると、需要が供給よりも高まるために価格は上昇するといわれています。
しかしもう間もなく2020年を迎える今から、次のビットコイン半減期はこれまでとは異なり価格は変わらないという説や、やはり価格は上昇するという説があちこちで報道されています。
また、これらの説に加えて新たな理論も発表されるなど、色々な議論を巻き起こしています。
そこで今回は、これら諸説について詳しくご説明しましょう。
来年迎えるビットコイン半減期の対応の参考になさってください。
2020年のビットコイン半減期
ビットコインには半減期と呼ばれるマイニング手数料が半分になる仕組みがあります。
これはビットコインが短期間にマイニングされ尽くしてしまわないために設けられていますが、半減期があるからこそマイニング量が減っていき、希少価値を高めることにつながっていきます。
ビットコインが運用され始めてから2回目に当たる前回の半減期は2016年7月6日でした。
そして3回目となる半減期は、2019年12月27日時点のBitcoin Clockによると2020年5月16日だとされています。
画像引用:Bitcoin Clock
仮想通貨取引に関わる多くの人々は、ビットコインの希少価値が高まる半減期によって価格が上昇することを期待しており、それを利益に結び付けていきたいからこそ大きな話題となり、議論も巻き起こっているわけです。
ビットコイン半減期に懐疑的な意見
ビットコインが半減期を迎えようとも、価格は変動することがないと主張する意見があります。
この理論はビットコインが半減期を迎えることは仮想通貨の取引に関わる全ての人に周知されているため、ほとんどの人々は半減期の具体的な日程が分かっているだけでなく、ビットコインが市場に供給される量も理解しているはず。
だからこそ、取引に際してはこれらの情報に基づいて動くはずであり、ビットコイン価格も半減期を迎えるからといって動くものではないというものです。
この理論は、効率的市場仮説と呼ばれています。
ビットコイン半減期を肯定する意見
一方、ビットコインの半減期は価格が上昇することを主張する意見もあります。
この意見を主張する人は、ほぼ例外なく過去の半減期で価格上昇していた事例をその正当性のために証拠としているようです。
またこの主張では、全ての仮想通貨取引をおこなう人が半減期について詳しく理解しているわけではなく、存在そのものについても知らないケースがある。
そのため、半減期が近づいてきたときに周囲の反応やニュースなどから半減期について知り、慌てて反応することが価格上昇につながっているとしています。
半減期についての新しい理論が登場
上記の半減期についての主張以外に、新しい理論を主張する企業があらわれました。
それが仮想通貨市場とネットワークデータにおけるプロバイダーであるCoinMetrics社です。
CoinMetrics社は2019年12月24日、同社のニュースレターにおいて新しい半減期についての理論を主張しました。
画像引用:CoinMetrics
CoinMetrics社が主張する理論とは
CoinMetrics社が主張する理論は、前述のビットコイン半減期懐疑派と肯定派の中間的なものと位置づけられるでしょう。
その理論は以下のようなものです。
半減期が来たからといってその瞬間に価格が一気に動くわけではなく、半減期を迎えた時点で多くの人に半減期の到達したことや、供給量、価格は既に知られているはずです。
また多くの人々は、半減期はマイナーに代表されるビットコインの売り圧力が減ることを知っているでしょう。
加えて自分以外のトレーダーが、半減期にどのような行動をするのかをゲームのように予想してとらえられてしまうことも要因に挙げられます。
これは、半減期とビットコイン価格に明確な関係性が見出せなくても、他のトレーダーは「きっとこう動くはず」という考えがあるため、他のトレーダーよりも少しでも早くポジションを持つなどの行動をとるということです。
これらの結果、半減期は長期的な視点でみると間違いなくビットコイン価格に影響してくるというものです。
CoinMetrics社の主張はライトコインでも証明
CoinMetrics社は主張している理論について、ライトコインの前回の半減期でも証明できるとしています。
以下のグラフはライトコインのUSD価格変動をあらわしており、赤の縦線で半減期のタイミングを示しています。
最初の半減期は2015年8月で、その前の7ヶ月で価格は大きく上昇していることが分かります。
この時の上昇率はなんと700%にも達しました。
ただし半減期の1ヶ月前にはピークを迎え、その後は価格が下落しています。
二度目の半減期は2019年8月5日でした。
この時も最初の半減期同様、7月までは価格上昇しています。
この時の上昇率は350%でしたが、やはり半減期の1ヶ月前をピークにして価格は下落しています。
画像引用:CoinMetrics
どちらの半減期でも、半減期のおよそ1ヶ月ピークを迎え、価格は下落しています。
この理由についてCoinMetrics社は、ポジションを解消しようとする動きが続いたことを挙げています。
つまりCoinMetrics社の理論でいうところの、ゲームのように他のトレーダーの動きを予想したということです。
きっと他のトレーダーは高値のピークでポジションを解消するだろうから、その少し前にポジションを解消するのが一番安全なはずだ、こう考えたということになります。
そして解消するという動きが続いた結果、価格はどんどん下落してしまったというわけです。
継続的な研究の必要性
CoinMetrics社の理論は非常に的を得た理論のように見えます。
しかし仮想通貨の半減期は、仮想通貨が運用を開始されてからそれほど何度も迎えているわけではありません。
半減期そのものに対する認知度や予想される価格の動きなどが周知されているか、またマイナーによる売り圧力の減少はどの程度ビットコイン価格に影響を与えるのかなど、まだまだデータとして十分ではないことを説明しています。
そして、この理論を裏付けるためにも、今後も継続した研究を続けなければならないとしています。
まとめ
2020年5月に予定されているビットコインの半減期を迎えるにあたり、ビットコイン価格の変化について、いくつかの理論をご説明しました。
どの理論も、説明をみている限りでは正しいように感じてしまいますが、これはおそらくCoinMetrics社がいうように理論としては理解できるものの、裏付けが不十分だということに起因しているのでしょう。
もちろん半減期を何度も繰り返せば、正しい理論がどれで、十分な裏付けも構築できるかもしれません。
しかしそれまでにはかなりの年月がかかるだけでなく、仮想通貨に今のような大きなボラティリティがあるかどうか分かりません。
仮想通貨の位置付けが大きく変化している可能性もあるでしょう。
そう考えると、現在分かっている理論などに基づいて対応していくしか方法はありません。
仮想通貨FXに取り組む人にとっては悩ましいところです。