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中国でビットコインマイニングが禁止か?

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  • 2019.04.22.

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  • 中国でビットコインマイニングが禁止か?

 

中国において、仮想通貨の送金を支えるマイニング事業が禁止される可能性が出てきました。

この記事では、中国のマイニング禁止に関するニュースとその背景について詳しくお伝えします。

 

 

中国、2019年度版「産業構造調整指針の草案」を公開

 

2019年4月8日、中国において各産業を管理・監督する権限をもつ「国家開発改革委員会」は「産業構造調整指針の草案(2019年版)」を公表しました。

 

中国政府は、これを基に産業構造の改革を進めていきます。

草案の内容は、各産業を①奨励②制限③廃止の3つのカテゴリに分類しており、経済的および社会的発展を促進する「奨励」に分類された産業は積極的に推進し、規制を満たしていなかったり、資源を多く浪費したりする「制限」・「廃止」に分類された産業は淘汰していくものです。

この「廃止」カテゴリに、仮想通貨のマイニングがリストアップされました。

ハイライト部分の日本語訳:6.仮想通貨の「マイニング」活動(Bitcoinなどの仮想通貨の生産プロセス)

画像引用元:产业结构调整指导目录

 

マイニングとは、仮想通貨の送金情報をコンピュータで仮想通貨のシステムに書き込むことをいいます。

システムに書き込みが成功すると、報酬として仮想通貨が発行されるため、多くの人が報酬目的で参加しています。

 

ビットコインのマイニングの大半は中国系のマイニングプール(※1)で行われているため、もし中国政府が禁止すると大きな影響があります。

 

なお、公表したのは草案であり、決定事項ではなく、2019年4月8日から5月7日までパブリックコメントを募集しています。

 

※1 マイニングを個人ではなく、グループで行う仕組み。採掘に成功すると、報酬でもらえるビットコインを仲間で分け合う。

 

 

ビットコインのマイニングの大半は中国で行われている

 

前述したように、現在のビットコインにおけるマイニングは、その大半は中国で行われています。

2019年4月現在のビットコインのハッシュレート(※2)分布をご覧ください。

画像引用元:Pool Distribution-BTC.com

 

この円グラフは、簡単に言うと、ビットコインネットワークを支えるグループの分布を表した図です。

この図では、BTC.comグループが最も大きなシェアを持っており、ビットコインに対して最も影響力が強いことがわかります。

 

中国系のマイニングプールは、円グラフにある15のマイニングプールのうち次の9つです。

 

・BTC.com

・F2Pool

・AntPool

・BTC.TOP

・ViaBTC

・BTC.TOP

・DPOOL

・WAYI.CN

・Bixin

 

これらの9つマイニングプールにおけるシェア率の合計は64.1%にもなり、ビットコインのマイニングが中国に大きく依存していることがわかります。

 

もし中国でマイニングが禁止されると、海外に拠点を移すマイニングプールもあるでしょうが、中にはマイニングをやめてしまうところも出てくるはずです。

もし、残りの35%のマイニングプールでビットコインのネットワークを支えることになると、ビットコインネットワークは現状よりも不安定になりかねません。

 

また、マイニングの演算に特化したマイニングマシンを製造するメーカーは、中国企業が多く、世界最大規模のマイニングマシン製造メーカーであるBitmain社は中国企業です。

しかも自社においてマイニングプールを運営しており、No.1のシェアを持つBTC.comとAntPoolという2つのプールを運営していますので、影響力は非常に大きいといえます。

 

もし中国においてマイニングが禁止されれば、マイニングプールの運営は中国ではできなくなります。

さらにマイニング機器の販売先についても、大半の顧客は中国国内の企業や個人だと思われますので、売上の減少は必至です。

Bitmain社にとって、中国政府のマイニング禁止は死活問題となるでしょう。

 

※2 コンピュータにおける計算能力の性能を表す数値。ハッシュレートが高いことは、採掘されるビットコインをよりたくさん獲得できることを意味する。

 

 

中国政府がマイニングを禁止する理由

そもそも、中国政府はなぜマイニングを禁止しようと考えたのでしょうか?

理由の一つは「省エネルギー」です。

 

マイニングは、コンピュータを使って通貨の送金情報をシステムに書き込むことを指しますが、その過程で多大な電力を使います。

1台のマイニングマシンの最大消費電力は1500W程度ですが、これはコンビニにある業務用の電子レンジと同じくらいの消費電力です。

マイニング時にはこのマシンを、数百~数千台大規模で24時間稼働します。

業務用の電子レンジが数百台規模で一日中稼働しているところを想像してみてください。

非常に大きな電力を消費することがお分かりいただけるでしょう。

 

中国政府は省エネルギーへ積極的に取り組む姿勢を見せていますので、多大な電力を使うマイニング事業は中国政府の意向に沿っていないと思われます。

ただし、「省エネルギーではないこと」だけが理由とは限りません。

中国政府が考えているであろう、中国の将来像を探ってみましょう。

 

中国は中国版ビットコインを作る可能性がある

 

中国は将来的に、中国版ビットコインを作ることを考えているようです。

つまり、中国人による中国人のための仮想通貨を作るということです。

 

というのも、2019年4月17日に行われたブルームバーグとのインタビューにおいて、中国共産党の副議長が次のように語ったとBlockchain Research Instituteの会長が答えています。

「中国の人民元が仮想通貨になる。中国の人々は人民元の仮想通貨だけを使い、ビットコインは使わない」

 

中国はこれまでも、海外の文化を自国にそのままとりいれることは多くありませんでした。

例えば、TwitterやFacebookを禁止し、自国のオリジナルSNSである微博(ウェイボー)やWeChatを開発しています。

それと同様に、仮想通貨についても、中国国民が使うための中国独自の仮想通貨を作る計画があるのかもしれません。

 

マイニングを禁止したのも、人民元を中国人以外が作ったビットコインに費やすのを防ぎ、人民元の価値を保とうとしている可能性があります。

 

中国は仮想通貨取引所を2017年に全面閉鎖している

 

中国における仮想通貨の規制強化は、マイニングだけではありません。

2017年には中国国内の仮想通貨取引所を全面閉鎖しています。

また、仮想通貨取引所の閉鎖に先立ち、新たな仮想通貨を発行して資金を調達するICO(イニシャル・コイン・オファリング)についても禁止しています。

仮想通貨取引所もICOも、「人民元を仮想通貨と交換する」ことから始まりますので、人民元が海外に流出するのを防ぎたかった可能性があります。

 

もしマイニング禁止が実現すると、中国国内における仮想通貨に関連する事業は、ほとんどが運営できなくなるでしょう。

 

 

中国における仮想通貨規制は非常に厳しい

 

これまでご説明した、中国におけるマイニング禁止について、まとめてみました。

 

・中国の政策の方向を決める「産業構造調整指針の草案」の廃止分野にマイニングがリストアップされた

・ただし、草案であり決定事項ではない

・ビットコインのマイニングは中国が半数以上を占めており、禁止されると影響は多大

・電力を大量に使うことを懸念したのが理由とされている

・将来、中国人のための仮想通貨を作ることが、マイニング禁止の理由となっている可能性がある

 

そもそも仮想通貨は、インターネットを介し、国境を超えてお金を自由にやり取りできるように開発されたものです。

仮想通貨においても独自の文化を通そうとする中国の姿勢は、世界との分断を生んでしまうかもしれません。

 

 

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

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