仮想通貨FXチャート分析の手法32【ドミナンス】

仮想通貨を分析する方法としてテクニカル分析やファンダメンタルズ分析等色々あります。

しかしテクニカル分析も値動きが激しい仮想通貨の世界では全く機能しないことも度々あり、苦戦を強いられるトレーダーも多いことでしょう。

しかしそれが仮想通貨の面白いところでもあり、危険性でもある部分のため、そのためのリスク管理をどのようにするか、そして自分自身の欲に対して甘えることなく律する心でマーケットと対峙できるかがとても重要になります。

また仮想通貨で重要なテクニカル分析ですが、このテクニカル分析の中でもマーケットの需給を把握することはとても重要となります。

短期的なトレードをする仮想通貨のトレーダーでも常に現状のマーケットのバイアスを把握しておくことはとても重要です。

しかしマーケットの需給バイアスを調べるにはどうすればいいのかわからないトレーダーも多いと思います。

テクニカル分析ではダイバージェンスや、先物ポジションで把握することもできますが、ここでは仮想通貨特有の「ドミナンス」について解説したいと思います。

ドミナンスの基本

まずドミナンスとは何かについて解説したいと思います。

ドミナンスは「占有率」のことを指しており、仮想通貨全体のマーケットにおける、各通貨の占有率を示しているものです。

仮想通貨全体の時価総額は2019年3月時点で１４兆円と言われており、その半分の７兆円程度がビットコインとなっています。

過去はビットコインの占有率が８割から９割占めていたこともあり、大分仮想通貨の投資家もアルトコインの保有が当たり前になってきたと言えるでしょう。

ではなぜこの占有率をチェックすることで需給が把握できるのかを説明します。

ドミナンスをチェックする理由としては、現在のマーケットではビットコインが大きな占有率を占めているのか、アルトコインが占めているのかを把握したいためです。

外国為替に例えるとドルが強いのか、他の通貨が強いのかを把握することと似ているでしょう。

外国為替のマーケットではドルインデックスというものを用いてドルの強弱を判断しトレード材料として参考にします。

仮想通貨も主要通貨がビットコインであり、海外の取引所等チェックするとBTCストレートで取引することも多いため、このビットコインとアルトコインの強弱を判断することは中長期的にどちらにパワーバランスが変化するのかという観点でとても重要になるからです。

見方としては単純ですが、ビットコインのドミナンスが上昇していれば、アルトコインからビットコインに資金が流れており、アルトコインのドミナンスが上昇していれば、ビットコインからアルトコインに資金が移っていることを示しています。

ドミナンスをチェックするためにはどのサイトを利用すべきか解説します。

ドミナンスを公表しているのはCoinMarketCapです。

CoinMarketCapではその他含めて１１種類のドミナンスをチェックすることができます。

通貨は下記の通りです。

基本的な主要通貨を把握することができます。

実際のドミナンスチャートは下記のようになります。

ドミナンスチャート

このように色分けされて各通貨表示されているため視覚的にどの通貨が強いのか把握しやすい作りとなっています。

上記で把握できることは、足元ビットコインに資金が流入し始めており、逆にリップルの売りは継続していることが理解できると思います。

そのため資金の動き方としてはアルトコイン売り、ビットコイン買いのターンに入っていると言えるでしょう。

ではドミナンスはビットコインの価格推移に関係があるのかというと、間接的に影響していると判断できます。

このドミナンスは市場占有率のため、アルトコイン対ビットコインの相対的な強さを把握するために利用するものです。

そのためBTCJPYやBTCUSD等、ビットコイン対法定通貨の価格に直接的な影響を与えるものではありません。

あくまで市場全体のトレンドを把握し、そのトレンドの中でどの通貨を選好すべきなのかを中期的に把握するために用いるものと言えるでしょう。

またもし現在ビットコインを保有していればドミナンスが大きく上昇した際に、一旦ビットコインよりもアルトコインが選好するフェーズに入りそうなため、一旦ビットコインを売ってリップルやイーサリアム等分散しておくかという判断もできそうです。

仮想通貨のエクスポージャーは保有しながらも、どの仮想通貨でエクスポージャーを取るかは資産運用としてはとても大事なことになります。

あえて下落しそうな通貨を保有しておく必要もないですね。

ドミナンスをみながらどの通貨でトレードするかを判断してもいいかもしれませんので、頻繁にチェックする必要はないものの、トレードする前にチェックすべきものとは言えそうです。

ドミナンスは中長期的な通貨別のトレンドを把握するために使うことを覚えておいてください。