仮想通貨FXチャート分析の手法23【オーサムオシレーター】
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テクニカル分析というのは手法がたくさんありどのようにすべきか常に悩む方が多いものです。
特にトレードをスタートした最初は自分のスタイルが確立できず、人のやり方、本で学んだ方法、インターネットで調べて真似してみる等色々試しながら勝ったり負けたりを繰り返すものです。
しかし1つ言えるのは本に記載されていることや、人から聞いた話を真似して行ってみても、その条件の裏側にある意味を理解していないと、なぜ上手く行かないのかイマイチ理解できないことがほとんどです。
やはり大事なのは本で読んだことを実際の取引で試すことは問題ありませんが、その本質的な意味や使い方を理解しておくべきでしょう。
1つ1つテクニカル指標には意味があり、どのような場面で使いやすいのかという特徴があります。
そのような基本的なことを頭に入れた後、実践で組み合わせたりしつつトレードしましょう。
ここではそのテクニカル指標を1つ1つ解説しています。
今回は「オーサムオシレーター」というテクニカル指標を解説していきます。
「オーサム」というのは英語で「awesome」をカタカナで表示したもので、意味は、「凄い」とか「素晴らしい」という意味になります。
オーサムオシレーターの基礎知識
オーサムオシレーターとは?
オーサムオシレーターとは「買われ過ぎ」や「売られ過ぎ」を判断するためのオシレーター系テクニカル指標です。
オシレーター系というのは基本的に逆張りトレードで利用したり、利益確定のタイミングを測るために利用されますが、このオーサムオシレーターは使い方によってはトレンド系テクニカル指標としても利用できることや、表示がとても見やすく理解しやすいため、馴染みやすいテクニカル指標と言えるでしょう。
レンジ相場ではオーサムオシレーターを逆張りトレードのために利用し、トレンドが出ている相場ではトレンド系テクニカル指標として利用することが望ましいと言えます。
では次にどのような計算方法でこのオシレーターが計算されているかチェックしましょう。
オーサムオシレーターの計算方法
オーサムオシレーターは単純な差分の計算により求められています。
考案したビル・ウィリアムズはシンプルな方法でテクニカル指標を考案する人物として有名ですが、このオシレーターも同じ考えて作られたものと言えるでしょう。
計算方法は下記の通りです。
オーサムオシレーター(AO)=5期間移動平均線ー34期間移動平均線
この式をチャート上から考えると、上昇局面に入っているときは5期間移動平均線が34期間移動平均線よりも数値が上にくるため、プラスとなります。
逆に下落局面にあるときは34期間移動平均線が5期間移動平均線よりも数値が上となるため、マイナスの値となることが理解できると思います。
この計算方法を頭に入れて、次にオーサムオシレーターの基本的な見方を覚えていきましょう。
オーサムオシレーターの見方
オーサムオシレーターの使い方はいくつかありますので1つ1つ解説していきたいと思います。
①0の水準を上回ってきた場合に買い圧力が強いと判断する
②0の水準を下回ってきた場合に売り圧力が強いと判断する
この2つはトレンドのスタートが始まるかどうかを判断するための見方になります。
そのためオシレーター系というよりもトレンド系の使い方をする場合の見方と言えるでしょう。
③表示されたバーの色の変化でトレンドの強弱を判断する
これはオーサムオシレーターの表示されたバーは2色で構成されています。
トレンドが継続しているときは同じ色のバーでバーの長さが伸びていきながらトレンドの強さを確認できる形となりますが、ある程度上昇や下落が続いた後、色が変化することがあります。
この場合そのトレンドが弱まっている所作であるため、そのタイミングでイグジットを考えたり、逆張りのシグナルとしてエントリーを検討することもできるでしょう。
④オーサムオシレーターでダイバージェンスを利用する
オーサムオシレーターでもRSIやストキャスティクスと同様にダイバージェンスが発生します。
これは他のオシレーター系のダイバージェンスと見方は同様になります。
トレンドの転換期を探るにはとてもダイバージェンスは有用であるため最初見つけるのは難しいと感じるかもしれませんが、まずはどのタイミングで発生するのか気にしつつチャートを見てみるようにしましょう。
では上記の例を実際のチャートでどのように判断するのか見ていきたいと思います。
まずは①②の0の水準を基準として買い圧力や売り圧力を判断する方法です。
下記はbybitのBTCUSDの1時間足チャートです。
下段がオーサムオシレーターとなります。
まず黄色の○印のタイミングでオーサムオシレーターが赤色のバーで0の水準を下回ることになります。
そのタイミングでチャートも一気に下落しており、下落圧力が強くなったと明確にわかる動き方です。
次に青色の○印をご覧ください。
このタイミングで明確にオーサムオシレーターの位置が0の水準を上回っており、そのタイミングでローソク足が上昇しているのが見てわかると思います。
これが①②の見方となります。
次に③の解説に移ります。
上記のチャートのまず青色の○印をご覧ください。
大きく下落圧力を示している赤色のバーから上昇を示す緑色のバーへ変化しています。
この変化がバランスの変化を示しており、チャートを見ても下落から上昇方向へ転じかけているのが見て取れます。
黄色の○印も同様に上昇圧力を示している緑色のバーから下落圧力を示す赤色のバーへ変化しています。
見方は③の変化が起きた後、実際にその変化が継続してトレンドが完全に変わったのか見極めるために①②の動きを確認することが望ましいでしょう。
最後に④のダイバージェンスについて解説します。
上記のチャートをご覧下さい。
チャート上の価格の推移と、オーサムオシレーターの推移を比較するとダイバージェンスが見えてきます。
チャート上では黄色の○印の位置が、青色の○印よりも低い位置にあり、上昇トレンドが継続しているように見えます。
一方でオーサムオシレーターをチェックすると黄色の○印の位置が青色の○印よりも高い位置にあります。
これはオシレーターでは上昇トレンドが弱まっていることを示唆しており、上昇から一度下落するタイミングが近づいていることを表していると判断します。
これがダイバージェンスの見方です。
このようにオーサムオシレーターの見方はとてもシンプルでわかりやすいものでもあるため、最初に使ってみるテクニカル指標としては使いやすいでしょう。
テクニカル指標全般に共通して言えることは、「必ずいくつかのテクニカル指標を併用することで最大の力を発揮する」ということです。
ただ1つのテクニカル指標を見ただけで勝てるほど甘い世界ではなく、この組み合わせの方法で悩むのがトレードの世界です。
しかしその先に自分しか見出せない答えが発見できたら楽しいと思いませんか?
是非1つ1つゆっくり勉強して色々試してみるといいでしょう。
以上が「オーサムオシレーター」についての解説となります。