仮想通貨FXチャート分析の手法11【DMI】
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仮想通貨FXを行う方のためのテクニカル分析のマニュアル記事として今回は
「DMI」(Directinal Movement Index)
をご紹介したいと思います。
仮想通貨のマーケットはファンダメンタルズがほとんど商品相場とある意味似ているところもありテクニカル分析というのはその分重要になるため、使えるものをしっかり頭に入れてトレードの武器とできるよう勉強しましょう。
DMI(Directional Movement Index)の徹底解説
DMIとは何か??
DMIとは上昇トレンドや下落トレンドの強さを3本のラインを利用して測るテクニカル指標です。仮想通貨FXでは急にトレンドが転換したりすることがあるため、トレンド転換の前にこのようなテクニカル指標を利用することで、トレンドの強弱を判断できるようになるため、仮想通貨FXを行うトレーダーには強い見方となる指標の一つとなるでしょう。
DMIはRSIのような買われ過ぎや売られ過ぎを測るためのオシレーターではなく、あくまでトレンドの強さを測るために特化したテクニカル指標と捉えないといけないことに注意してください。
DMIの見方
DMIのラインは3本のラインで形成されています。3本のラインをそれぞれご説明していきます。
①+DI(プラスの方向性を測るための数値)
②-DI(マイナスの方向性を測るための数値)
③ADX(プラス、マイナスの強弱を表す数値)
それぞれのラインに特徴があるため解説したいと思います。
①+DI(プラスの方向性を測るための数値)
これはトレンドが上昇トレンドなのかどうかを判断する指標となります。
+DIの計算方法は、
「前日高値と当日高値の差(上昇分)をTRという指数で割ったもの」
となります。
この+DIが意味していることは上昇トレンドは指定された期間の間続いている場合は前日の高値を超えている日が多いということです。
この数値が大きければ大きいほど、指定した期間において、前日を上回る日数が多かったということを示しています。
その高値を更新する回数が多いということは、トレンドが強いと判断すべきということになります。
②-DI(マイナスの方向性を測るための数値)
この数値は先ほどご説明した「+DI」と逆の意味となります。
-DIの計算は
「前日安値と当日安値の差(下落分)をTRという指数で割ったもの」
となります。
③ADX(プラス、マイナスの強弱を表す数値)
ADXは上記の2つ勘案した上でどのくらいそのトレンドが強いのかを表しているラインとなります。
ADXの計算方法は下記の通りです。
ADX = DXの平均値
DX = {(+DI)-(-DI)} ÷ DIの合計
※ADXの計算期間が14日の場合は、14日分のDXを足して14で割る
DMIの見方とトレード基本戦略
次にこのDMIを利用した基本的な見方をご紹介します。
メインで利用するのは+DIと-DIのゴールデンクロスとデットクロスとなることが基本です。
そしてそのゴールデンクロスやデットクロスの強さを表した補助的なものとして「ADX」があると覚えておけば理解しやすいでしょう。
どのようにチャート上で表示されるかというのが下記になります。
一番上昇トレンドが強いとわかるのが、チャート上での白の◯をつけた位置です。
青の+DIがオレンジの-DIと上抜けしているのが分かると思います。ここからチャートは上昇トレンドに突入し、その動きに伴ってADXも上昇してトレンドの強さが確認できる動きとなりました。
これは上昇トレンドの一例で、この白のクロスの点を見てトレード判断をどのようにするかがポイントになります。
おすすめの使い方
基本的な見方は上記のようになりますが、これをトレードに応用するにはどのような使い方をすればいいのか解説したいと思います。
まずその答えの糸口はこのテクニカル指標を誰が作ったのか?というところにヒントがあります。
このDMIを考案したのは「J・ウエルズ・ワイルダー・ジュニア」という方です。
この方は他にもPIBOTやRSI等現在でもトレーダーから親しまれているテクニカル指標を考案した人物で、この方がDMIを考案した理由が、「買われ過ぎ」や「売られ過ぎ」の判断はできるがトレンドの強さを知るものがほしいと言うことで作られたと言われています。
つまり過熱感を判断するのはRSIやストキャスティクスで事足りますが、トレンドの強弱の判断は出来なかったため考案したことになります。
したがって、併用するのは「RSI&DMI」や「ストキャスティクス&DMI」という使い方で利用することで、相場の過熱感とトレンドの強さを同時に判断できるため、より騙しを少なくし、効率的は取引の判断を下せるということになります。
考案した方の理由を探ると自然とどのテクニカル指標を併用すればいいか自ずと見えてくるようになります。
DMIの注意点
DMIではトレンドフォローの投資家には強い味方となることが多いですが1点注意があります。
それは「レンジ相場の場合は機能しない」、また「レンジになるとサインが出たかのように見えてエントリーするも往復でやられてしまう」ということです。
レンジとなった場合は下記のような動きになるため注意しましょう。
このような動きが連続して起きると、誤った判断を行う可能性があるため注意です。
上記のチャートの場合はADXが急低下しているため、そこをヒントに騙しは解消できるという動きに見えますが、取引している場合は焦ってエントリーしたりしてしまうトレーダーも多いため冷静な判断が下せるようDMIを利用する際は注意が必要でしょう。
最近ではDMIの中のADXのみ切り出して利用するトレーダーも増加しており、使い方は色々出てきています。
DMIはこのように一長一短があるテクニカル指標ですが、オシレーター系の指標と併用すれば有益な指標と言えるため、一度自身で利用し、どのような使い方が有用なのか挑戦してみることが大事です。
その中で基本の使い方に固執せず柔軟な姿勢でテクニカル分析すると新しいものが見えてくるかもしれません。