仮想通貨のボラティリティはどうして大きいのか?
- 考察
- 2019.10.02.
- 仮想通貨FXブログ
- 仮想通貨のボラティリティはどうして大きいのか?
仮想通貨FXを取引しようとするとき、誰もが気になるのは仮想通貨のボラティリティの大きさでしょう。
値動きが非常に大きく、しかも短時間に大きく動くのですから、気になるのは当然です。
ボラティリティの大きさゆえに仮想通貨FXを敬遠する人もいますが、それが短期間に大きな利益を生み出すことにもつながっているからこそ、仮想通貨FXに取り組む人も多いのです。
ではどうして仮想通貨はボラティリティが大きいのでしょうか。
またこのボラティリティの大きさは、これからもずっと仮想通貨に付きまとうものなのでしょうか。
今回は仮想通貨のボラティリティについてご説明しましょう。
ボラティリティの非常に大きな仮想通貨
仮想通貨はボラティリティが大きいといわれていますが、実際にどのぐらい大きいものなのでしょう。
直近のデータを使ってご説明します。
画像引用:tradingview BTCJPY
上記のチャートは2019年10月2日01:00頃のtradingviewの直近5日間におけるBTCJPYチャート図です。
赤丸の部分は、大きく値を下げているタイミングです。
赤丸の中にある赤い横線は最も高値と安値の位置にマークしました。
この時の高値は9月26日18:30で、912,880円
この時の安値は9月27日01:20で、841,167円となっています。
これは、およそ7時間で71,713円値を下げたということです。
黄色丸の部分は大きく値が上がったタイミングを示しています。
黄色丸の中にある黄色の横線は、この時の最安値と最高値にマークしてあります。
この時の安値は9月30日15:50で、834,737円
この時の高値は10月1日03:00で、898,537円でした。
このケースでは、およそ11時間で63,800円高騰したということです。
これは直近のデータの中から取り出したケースですが、もっと短時間で大きく値上がりしたり、値下がりしたケースは過去に多数見受けられます。
どうして仮想通貨はボラティリティが大きくなるのか
ではどうして仮想通貨はこれほどボラティリティが大きくなってしまうのでしょうか。
それは仮想通貨独特の構造や取引形態などが影響しています。
仮想通貨そのものに価値がない
仮想通貨は名前の通り「仮想」された存在であり、仮想通貨そのものには価値がありません。
価値を付けているのは取引している人達であり、取引されることで価値が生まれているのです。
価値が取引によってでしか生じないということは、標準的な価格もなく、現在の価格が安いか高いかも本来は判断することができないものだということです。
また価値がないものだからこそ、世の中の声や先行きなどに大きく左右されてしまいます。
仮想通貨に対して影響力のある人が批判的なコメントなどを出し、それがニュースで流れると価格が下がったりするのはこのためなのです。
これは、ネガティブな発言がトレーダーたちの感情をネガティブにさせ、それが価格に反映してしまうということです。
もちろん、ポジティブな発言や事実などがあった場合にはトレーダーをポジティブにさせ、それが価格高騰にもつながっていきます。
つまり仮想通貨はトレーダーの感情に左右されるため、ボラティリティが大きくなるということです。
監視や規制体制が整っていない
仮想通貨は法定通貨のような中央集権制ではなく、分散型で取引きされています。
そこには価格や価格に影響のある取引を監視したり、規制する存在はありません。
もちろん、違法な取引はできないようにされていますが、大量の買い注文や売り注文があると、価格は簡単に動いてしまいます。
法定通貨や株取引の場合には、価格変動が大きくならないようにコントロールされることもありますが、仮想通貨の場合にはそのようなことはありません。
あくまでも需要と供給によって価格が決まってきます。
すなわち、クジラと呼ばれる存在が市場価格を操作し、自らの有利な価格を作り出すことはたやすいのです。
市場規模の小ささ
2017年年末から2018年にかけてビットコイン価格は急騰し、それによって仮想通貨は多くの人に知られる存在になりました。
しかし実際に取引している人はまだまだ少数で、急騰した時期に取引していた人でも、価格が下落してからは取引を止めてしまった人が多いといわれています。
仮想通貨と株取引や通貨FXを比較すると、仮想通貨取引の市場規模は少数の人々しか参加しておらず、非常に小さな市場ということになります。
小さな市場に大口の取引が入ってくれば、それだけで価格は大きく変動してしまいます。
そのために短時間で価格が大きく上がったり、下がったりしてしまいます。
また株取引などでは到底できない価格操作もしやすく、クジラも介入しやすい市場ということがいえます。
少しの値動きに反応してしまう
2019年9月27日に公開したニュース記事「日本の仮想通貨取引は30代がメイン」でも紹介したように、仮想通貨取引はミレニアル世代が主に活躍しています。
ミレニアル世代は就職難の時代に成人になり、可処分所得が少ない人が多い傾向にあります。
このような人たちが仮想通貨取引のメインであるということは、少ない可処分所得でやりくりしている人が多く、どうしても長期的な取引はしづらくなってしまいます。
その結果、損失を恐れて少しの値動きで決済してしまう傾向が強くなり、それが本来は少しの値動きであったものを過剰な値動きに増幅してしまいます。
価格変動が大きくなるのはどんな時か
仮想通貨のボラティリティが大きい理由をご説明しましたが、では具体的にどんな時に値動きが大きくなるのでしょうか。
それは大きく区分すると3つあります。
1つは取引所における新規上場です。
上場される仮想通貨が、値上がりの期待されている仮想通貨であれば取引は集中し、多くのトレーダーが投資してくる可能性が高まります。
2つ目に、仮想通貨市場関係者や企業からの何らかの発表です。
例えばフェイスブックの仮想通貨リブラのような世界的規模の仮想通貨に関する計画が発表されると、ポジティブなニュースとしてとらえられます。
また企業が仮想通貨を活用した画期的なビジネスプランを発表すると、ポジティブなニュースとしてとらえられる可能性があります。
3つ目に金融関係者や政治家の発言が挙げられます。
金融関係者や政治家が仮想通貨に対して積極的に取り組む姿勢を見せると、それだけで仮想通貨市場はポジティブに感じ、ボラティリティも大きくなる傾向にあります。
一方、仮想通貨を規制する旨の発言などは、ネガティブな発言としてとらえられ、それだけで大きく値下がりする可能性もあります。
仮想通貨FXで大きな利益を出すなら今
仮想通貨市場は株取引などと比較すると歴史の浅い市場です。
今後は仮想通貨取引に対してより多くの規制が施行されてくるでしょうし、流出などのリスクも減っていくとともに、仮想通貨取引に取り組むトレーダーも増えてくるでしょう。
今よりも安全で確実な投資対象になっていくことは間違いありません。
しかしそうなってくると、どうしてもボラティリティは低くなってきます。
これまでの仮想通貨取引はボラティリティの大きさがリスクであり、メリットにもなっていたわけですが、それがリスクが少なくてメリットも少ないものに変化していくのです。
このような状況をどう考えるかは仮想通貨に取り組む人それぞれの考え方ではありますが、もしボラティリティの大きさを活用して大きな利益を生みたいと考えるのであれば、ボラティリティの大きな今のうちにしっかり取引きしておくべきではないでしょうか。
仮想通貨のボラティリティは、いずれ必ず低くなってしまうことを覚えておいてください。
まとめ
仮想通貨のボラティリティがどうして大きいのか、その理由についてご説明しました。
ボラティリティの大きさはリスクではあるものの、そのことを十分理解したうえで対策を立てて取り組むのであれば、多くのメリットを生み出してくれる可能性があります。
これから仮想通貨FXなどに取り組むのであれば、ボラティリティの大きさを味方につける自分なりの取引方法を発見してみてください。
そうすれば、ボラティリティの大きさがより多くの利益を生み出してくれるはずです。