お問い合わせ

仮想通貨と暗号資産やデジタル通貨の違いとは

  • 考察
  • 2019.12.08.

ビットコインに代表される仮想通貨は、金融庁によって2018年12月から暗号資産と呼称を改めると発表されました。

改称直後に書かれた色々な記事では、暗号資産という表現になっているものも多いですが、最近はまた仮想通貨という表現が増えてきたようにも見受けられます。

 

それ以外にも、最近はデジタル通貨という表現も見受けられるようになってきました。

特に中国がデジタル人民元を発表してからは、デジタル通貨という表現を使った報道を多く見かけます。

 

では仮想通貨や暗号資産、デジタル通貨は違うものなのでしょうか。

これらの違いを理解している人はまだまだ少なく、同義語として扱われているケースも多いようです。

 

多くの人が混同しやすい仮想通貨と暗号資産、そしてデジタル通貨の違いについて、詳しくご説明しましょう。

 

仮想通貨とはどういうものか

仮想通貨取引や仮想通貨FXなどの名称で利用されている「仮想通貨」とはそもそもどういうものなのでしょうか。

 

「仮想通貨」を英訳すると「Virtual currency」となりますが、以前は「暗号通貨」の英訳「Crypto currency」とも呼ばれていました。

しかしながらこのどちらも「通貨」という表現が使われていたためか、国際会議の場などでは「暗号資産」(英訳では「Crypto asset」)という表現が使われる場面も増えてきました。

 

この呼称の変更には大きな意味があります。

それは仮想通貨には「通貨」という名前が付いているものの、実際には通貨ではないからです。

このことについて、順を追って説明しましょう。

 

仮想通貨の大きな特徴

仮想通貨の大きな特徴は、ブロックチェーン技術を活用したデータであるという点です。

つまり通貨と呼ぶものの、現物や形がなく、ブロックチェーン上のデータのみが存在しているということです。

データであるからこそ簡単に送金や受金ができるので、モノを買う時の支払いも一瞬でできてしまうなど、通貨的な使い方も可能なわけです。

 

通貨との決定的な違い

では仮想通貨と一般的に通貨と呼ばれる「円」や「ドル」などとの違いは何でしょうか。

上で説明したように、現物や形がないということもありますが、それ以外に決定的な違いがあります。

それは、国や中央銀行など公的機関からの価値の裏付けがないものであるということです。

 

通貨という言葉を大辞林第三版で調べてみると、以下のように書かれています。

 

流通手段・支払い手段として機能する貨幣。本位貨幣・銀行券・補助貨幣・政府紙幣などや、取引の決済に使われる預金通貨をさす。広義には貨幣と同義。法貨。

引用:大辞林 第三版

 

このように通貨は、法律によって通用する力を与えられたものを指しますが、仮想通貨には法律的に何の力も与えられていません。

だからこそ仮想通貨には「通貨」という名前が付けられてものの、実際には「通貨」と位置づけることはできないということになります。

 

暗号資産と仮想通貨

では金融庁が2018年12月から呼称を改めた暗号資産と仮想通貨は、同じものを指し、単に呼び方が変わっただけなのでしょうか。

 

暗号資産と呼ぶ意味

金融庁が仮想通貨を暗号資産と呼称変更したことにはしっかりとした背景があります。

それは仮想通貨のブロックチェーンが関わっています。

 

ブロックチェーンにはその取引に関するデータが記録されています。

いつ、誰がどういう取引をしたのかが全て記録されており、このデータを改ざんすることはできません。

また、例えば契約書や決済タイミングの指定などのデータと紐づけすることもできます。

これらは「スマートコントラクト」と呼ばれる機能ですが、この紐づけされたデータ自体にも価値を持たせることができます。

 

例えば、不動産登記や病院などのカルテ、個人情報など以外にも、音楽データや電子書籍などの著作権を管理することも可能になります。

 

これらができるブロックチェーンを使っているからこそ、通貨ではなく「資産」であり、これらの情報が暗号化されているために「暗号資産」と呼称を変更したのです。

 

仮想通貨は暗号資産に含まれるもの

暗号資産と呼称変更された意味が分かると、仮想通貨と暗号資産の位置付けが異なることはすぐに理解できるでしょう。

 

すなわち、仮想通貨は暗号資産に含まれる狭義の呼び方であり、暗号資産の呼称はより広い活用を視野に入れた呼び方であるということです。

 

では、これまで使われていた「仮想通貨取引」や「仮想通貨FX」などの呼び方はどうなるかというと、狭義の「仮想通貨」という呼び方で全く問題ないということになります。

 

デジタル通貨とはどういうもの

仮想通貨と暗号資産の意味の違いについてご説明しましたが、ではデジタル通貨とはどういうものなのでしょう。

仮想通貨とデジタル通貨では何が違うのか、ご説明します。

 

デジタル通貨の位置付け

デジタル通貨はCBDC(Central Bank Digital Currency)とも呼ばれることがあります。

日本の中央銀行である日本銀行にデジタル通貨に関する説明が掲載されていますので、ご紹介します。

日本銀行 デジタル通貨について

画像引用:日本銀行

 

一般に「中央銀行発行デジタル通貨(CBDC:Central Bank Digital Currency)」とは、次の3つを満たすものであると言われています。(1)デジタル化されていること、(2)円などの法定通貨建てであること、(3)中央銀行の債務として発行されること。

引用:日本銀行

 

この通りデジタル通貨は、中央銀行がその責任において、その国の法定通貨建てで、デジタル化して発行するものを指します。

 

ビットコインなどの仮想通貨は、発行に際して中央銀行は関与しておらず、民間企業などが発行しています。

その時点で、仮想通貨はデジタル通貨ではないことが分かるでしょう。

 

リブラなどのステーブルコインの位置付け

仮想通貨の中にも法定通貨建てのものがあります。

ステーブルコインと呼ばれる、法定通貨と価値を同じくするものです。

近年話題になっているフェイスブックの仮想通貨リブラなどはその筆頭でしょう。

それ以外にも、きな臭い噂はありますがテザー(USDT)もステーブルコインとして知られています。

 

これらのステーブルコインがデジタル通貨なのかというと、中央銀行が発行に責任を負わないものであるため、デジタル通貨と呼ぶことはできません。

やはり仮想通貨という区分に属することになります。

 

中国のデジタル人民元はどう位置付けるか

デジタル通貨として今話題になっているものの代表として、中国のデジタル人民元があります。

 

中国のデジタル人民元は、中国の中央銀行である人民銀行が債務として発行するものであり、人民元建てで、デジタル化されたものであることから、正真正銘のデジタル通貨であるといえます。

 

ただ一般的に言われるデジタル通貨が、キャッシュレス化やスピード決済などを主な目的にしているのに比べると、中国のデジタル人民元は違ったところに狙いがあるようです。

2019年12月7日のニュース記事「米と欧州とのデジタル通貨に対する取り組み姿勢の落差」内でも触れていますが、デジタル人民元は自国民の管理と米ドルへの対抗を目論んでいるようです。

 

まとめ

仮想通貨とデジタル通貨、そして暗号資産との違いについてご説明しました。

これらの区別がつかない状態で仮想通貨やデジタル通貨、暗号資産に関するニュースをみても、事実がはっきり認識できなかったり、ニュース性の高さが理解できないケースも出てくるかもしれません。

今回の記事が、そのようなことのなくなる一助になれば幸いです。

 

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

リスク警告

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

Copyright ©   BitcoinFXpro All Rights Reserved.