ビットコイン価格は今後しばらく低迷する可能性も?
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- 2022.02.24.
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ビットコイン価格は2021年11月上旬以降、下落が続き、2022年に入ってからは2月にやや盛り返すかと思われましたが、その後は下落傾向に陥っていました。
そして2022年2月24日、懸念されていたロシアによるウクライナ攻撃が始まった途端、ビットコイン価格は再び下落傾向が強まっています。
以前、ビットコインは国債や金などと同等の安全資産だといわれていましたが、現在では株などと同じリスク資産的な位置付けになりつつあるといわれています。
そのため、ロシアによるウクライナ侵攻危機によって低迷を続け、攻撃が始まった途端に更なる下落に結びついたのでしょう。
このビットコイン価格の下落傾向はいつまで続くのでしょうか。
ビットコインの今後については、色々な関係者が低迷の可能性について言及しています。
これら一連の流れや、今後の低迷論について詳しくご説明しましょう。
ロシア攻撃報道とほぼ同時にビットコイン価格が下落
ロシアによるウクライナ侵攻危機がこれまで何度も取りざたされ、その度にビットコイン価格は下落していました。
EU各国や米などはウクライナ侵攻を回避するようロシアに働きかけてきており、プーチン大統領もそれに応えるようなコメントを出してはいましたが、2022年2月24日未明、ついにウクライナへの空爆を開始しました。
空爆はウクライナの制空権を掌握するためのものであり、攻撃機が発着できないよう、空港などの施設が狙われているようですが、現時点のニュースではロシアがウクライナ軍の防空システムを制圧し、制空権を完全に掌握したのではないかと報じられています。
また今後は、ロシアの地上部隊がウクライナに進攻してくるとみられています。
このニュースが報じられたのは2022年2月24日未明でしたが、その報道があった途端、ビットコイン価格は大きく下落しました。
下のチャートは2022年2月24日17時50分頃のtradingviewBTCUSDのものです。
赤丸で示した部分はロシアによる空爆報道があったタイミングです。
画像引用:tradingviewBTCUSD 1日
ビットコイン価格が空爆報道で大幅下落する理由
ではどうしてロシアによるウクライナ空爆報道で、ビットコイン価格は大幅に下落したのでしょうか。
幾つかの理由が指摘されていますが、まずひとつはビットコインの資産としての位置付けが変化してきたということです。
以前のビットコインはデジタルゴールドと呼ばれていました。
これは、有事の際にはリスクがないゴールドを資産にするといわれるように、ビットコインもゴールドと同じリスクのない安全な資産であると考えられていました。
しかし現在では株などと同じように、値動きが大きくて利益を得ることが期待できるものの、損失を出してしまう可能性もあるリスク資産として受け止められています。
つまり、ロシアによるウクライナ攻撃が現実のものとなったため、世界経済が混乱するのではと考え、リスク資産であるビットコインが売られて下落してしまったというわけです。
そしてもうひとつの理由として挙げられるのが、これまでビットコイン価格低迷が続いていたため、売り圧力が高まっているというものです。
仮想通貨データ分析企業Glassnodeが分析したデータによると、ビットコインの保有所の内、短期保有者のほとんどが1BTCあたり42,000ドルから50,000ドルで購入しているとみられ、現在の価格帯では損失額が膨らんでしまうとみられています。
画像引用:Glassnode「the-week-onchain-week-08-2022」
また厄介なことに、現在ビットコインを保有している全ての人々のうち、およそ4分の1以上の人が損失を抱えていると考えられるとのことです。
つまり現在の価格帯が続けば続くほど、売り圧力が高まる一方であることも、今回の下落に拍車をかけているといえるわけです。
今後ビットコインに強気相場は来るのか?
価格が低迷している状況下でロシアによるウクライナ攻撃は、ビットコインの価格をさらに下落させましたが、今後ビットコイン価格が2021年11月のように強気相場に戻ることはあるのでしょうか。
またもし戻るとしたら、それはいったいいつなのでしょうか。
このことに対して、幾つかの意見が報道されていますのでご紹介しましょう。
仮想通貨取引所Huobiの共同経営者Du Jun氏の意見
仮想通貨取引所Houbiの共同経営者であるDu Jun(ドゥ・ジュン)氏は、ビットコインの半減期をポイントとした価格変動サイクルに注目し、これまでと同じサイクルで価格変動するなら、2024年もしくは2025年にならなければ強気相場は訪れないと主張しています。
画像引用:CNBC.com
ドゥ・ジュン氏が主張している半減期後の価格変動サイクルとは、半減期の翌年に高値に達するというサイクルのことを指しています。
例えば2016年の半減期をみると、2017年には最高値を更新しており、2020年の半減期でも翌2021年に最高値を更新しています。
そしてドゥ・ジュン氏は、現在のビットコインを取り巻く環境として新型コロナの蔓延だけでなく、ロシアによるウクライナ攻撃などを挙げ、ビットコイン価格が影響を受ける要因があるので正確な予想は非常に難しいと説明しています。
ただ半減期後の価格変動サイクルが今後も続くとするなら、現在のビットコインは弱気市場の初期であると説明し、強気相場が訪れるのは2024年もしくは2025年初めになるのではないかと述べています。
Metaの元暗号化責任者David Marcus氏の意見
フェイスブックの親会社Meta(メタ)の元暗号化ユニットの責任者であるDavid Marcus(デビット・マーカス)氏も、ビットコイン価格の低迷が続くこのような状況を仮想通貨の冬の時代と表現し、以下のようなツイートをしています。
画像引用:David Marcus Twitter
最高の起業家がより良い会社を築くのは、暗号通貨の冬の間です。
これは、実際の問題の解決とトークンのポンピングに焦点を当てるときです。
引用:David Marcus Twitter Google翻訳
つまりデビット・マーカス氏は、価格が上昇しないうちにビットコインなどが抱える問題を解決するべきであり、それができる会社ほど良い会社であると説明しています。
すなわち、ビットコインの冬の期間はいずれ終わりを告げ、大きく上昇することを前提として説明しているわけです。
技術調査会社L’ATELIER のCOO、Nadya Ivanova氏の意見
ハイテク技術の調査会社であるL’ATELIER(ラトリエ)のCOOであるNadya Ivanova(ナディア・イワノワ)氏は、仮想通貨の冬が来ているとは確信できないものの、現在は市場が冷え込んでいる期間であるが、それ自体が悪いものとはいえないと判断しているようです。
例えば2021年に注目を浴び始めたNFTを代表とするデジタル資産への投資で、利益を上げることばかりに熱中していたようだが、冷却期間はファンダメンタルを構築する良い機会にできると説明しています。
つまり短期的に利益を上げる手法として注目されているが、より意味のあるものに進化していける期間として受け止めるべきであると提言しているわけです。
まとめ
ビットコイン価格がロシアのウクライナ攻撃によって大きく下落したこと。
さらに、以前から続いている市場の低迷は上昇に転じることはあるのかについて、幾つかの主張をご紹介しました。
戦争が勃発した以上、しばらくリスク資産の低迷は続くでしょう。
またロシアが起こした戦争が、他の国々にどれほどの影響を及ぼしていくのか、現時点では未知数です。
影響する国々や範囲が広がるほど、ビットコイン価格にも影響は及んでくるでしょう。
仮想通貨FXの取引きに際しては、しばらくの間、世界情勢に注目しておく必要がありそうです。