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米より欧州の機関投資家の方が暗号資産に高い関心

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  • 2020.06.12.

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ビットコインなどの仮想通貨の値動きに大きな影響を与えるものに、機関投資家の存在があります。

機関投資家とは個人の投資家らから託された資金を運用することで利益を上げている法人などを指しますが、一般の人々が仮想通貨FXなどに投資するのとは比較にならないほどの多額の資金を運用しています。

そのため機関投資家が仮想通貨市場に参入してくるかどうかは、仮想通貨の値動きに大きな影響を及ぼします。

 

近年では機関投資家の仮想通貨市場参入が高まっているとされていますが、実際にはどの程度の機関投資家が関心を持ち、参入しているのでしょうか。

また米と欧州での違いはあるのでしょうか。

 

米の投資信託運用企業が、これらの疑問に応えるような調査結果をリリースしました。

非常に興味深いデータが発表されていますので、この内容についてご紹介しましょう。

 

米国とヨーロッパの機関投資家を対象に調査

米の投資信託運用企業であるFidelity Investments(フィデリティ・インベストメンツ)グループの中で、デジタル資産のカストディサービスを提供しているFidelity Digital Assets(フィデリティ・デジタル・アセッツ)が、米国とヨーロッパの774の機関投資家を対象に、デジタル資産に関する調査を実施した結果を、2020年6月9日にリリースしました。

Fidelity DIGITAL ASSETS 調査レポート

画像引用:Fidelity DIGITAL ASSETS

 

この調査は、2019年11月から2020年3月上旬にかけて実施されたもので、財務アドバイザーやファミリーオフィス、年金、仮想通貨に加え、従来からあるヘッジファンド、資産投資家、寄付および財団などを対象にしたものです。

 

デジタル資産保有率は欧州が高い

調査を実施した全対象者のうち、36%の機関投資家が今現在デジタル資産に投資していると答えています。

また米国と欧州別にデジタル資産に投資している割合をみると、米国では27%にとどまっていますが、欧州では45%とかなりの開きがあります。

さらにデジタル資産に興味を持っている機関投資家は、米国では74%でしたが、欧州では82%にも上っています。

 

これはつまり米国よりも欧州の機関投資家の方が、現状ではデジタル資産に積極的であるということになります。

 

暗号資産先物への取り組み率

現在デジタル資産に投資している36%の機関投資家のうち、暗号資産先物に取り組んでいる機関投資家は22%に上ります。

この割合は、2019年に9%であったことを考えると、急速に増えていることが読み取れます。

 

この背景についてFidelity Digital Assetsは、暗号資産の先物取引を提供している業者が急激に増えたことがあるのではないかと分析しています。

 

富裕層もデジタル資産に積極的投資

さらにこの調査報告リリースでは、富裕層の個人投資家だけでなく、超富裕層の個人やその家族全体の資産をまとめて運用管理するファミリーオフィスまでもが、デジタル資産に対して積極的に投資し始めていることが記述されています。

 

すなわち、超富裕層に接している機関投資家までがデジタル資産の価値を認めているということになります。

 

デジタル資産に関心を持つ理由とは

「デジタル資産保有率は欧州が高い」の項で説明したように、調査対象となった機関投資家のうち80%近くがデジタル資産に興味を持っていますが、その理由についても調査されています。

 

デジタル資産に興味を持つ理由は3つ挙げられています。

まず1つが、デジタル資産は他の資産クラスと相関関係がないというもので、この意見は36%を占めています。

 

2つ目が、デジタル資産には革新的な技術が使われているからというもので、34%の割合でした。

 

3つ目が、価値が上昇する高い潜在性があるというもので、33%の意見を占めました。

 

調査報告リリースで挙げられている理由については、これまでも仮想通貨を資産としてポートフォリオに含めるべき根拠として、以前から挙げられていたものです。

つまり、今になって機関投資家がこの理由に説得力を感じたということなのでしょう。

 

この調査で明らかになっていない点

Fidelity Digital Assetsの調査報告は、米国と欧州の機関投資家のデジタル資産に対する認識が分かる非常に興味深い内容ですが、今回の調査では明らかになっていない点が幾つかあります。

 

それは米国と欧州の機関投資家のデジタル資産に対する積極性の違いです。

デジタル資産に投資している割合は米国で27%、欧州では45%。

またデジタル資産に興味を持っている割合も、米国の74%に対して、欧州では82%と開きがあります。

このような差が生じている理由が何なのかは、今回の調査では明らかになっていません。

 

加えて、機関投資家が取り組んでいる暗号資産先物の内容や、プラットフォームについても明らかになっておらず、調査内容にも含まれていなかったようです。

これらのことが明らかになってくると、さらに興味深い調査報告になってくるはずです。

 

調査を実施したFidelity Digital Assetsについて

この調査を実施したFidelity Digital Assetsの規模や実績などを理解すると、この調査内容にも信頼性が感じられるはずですので、ご紹介しておきましょう。

Fidelity Digital Assets

画像引用:Fidelity Digital Assets

 

Fidelity Digital Assetsは米の投資信託運用企業Fidelity Investmentsのグループ企業で、デジタル資産のカストディサービスに加えて、カストディプラットフォームと統合した取引サービス、さらに専門のチームによるサポートまでを提供しています。

 

Fidelity Investmentsは1930年設立のフィデリティ・ファンドが前身で、300以上にも上る基金と2500万人以上の投資家との取引を誇っています。

同社のプレスリリースでは運用資産額は7.9兆ドルとなっており、世界でも最大規模の投資信託運用企業だといえます。

 

まとめ

世界でも最大規模の投資信託運用企業のグループ会社であるFidelity Digital Assets社がリリースした、米国と欧州の機関投資家に対する調査結果についてご説明しました。

米国と欧州の機関投資家のデジタル資産に対する関心が高まりつつある現状と、どんな点に魅力を感じているのかが理解いただけたでしょう。

 

機関投資家の仮想通貨市場への参入は、価格に大きな影響を与えます。

この報告書の内容をみる限りでは、今後ますます仮想通貨市場に参入してくる機関投資家が増える可能性は高いでしょう。

 

また欧州と比較して、米国の機関投資家のデジタル資産への積極性が低い理由も、いずれ明らかになるはずです。

その理由が明らかになり、問題点が解消されれば、欧州と同程度の積極性で仮想通貨市場に参入してくるでしょう。

その時、仮想通貨市場は今まで以上に活性化し、価格も高騰していくことが考えられます。

米国の機関投資家の動向には今後注意しておく必要があるでしょう。

 

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

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