放置ビットコインが半減期を経て価格を押し上げか
- ビットコイン
- 2020.04.30.
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- 放置ビットコインが半減期を経て価格を押し上げか
ビットコインの半減期までもう2週間を切りました。
2020年4月30日19時過ぎのビットコイン価格は、tradingviewをみると94万円台にまで上昇してきています。
このまま半減期までのおよそ10日で、価格はどうなるのでしょうか。
このまま上昇し続けるのでしょうか。
仮想通貨関連のニュースなどでは、ビットコインの半減期に向けての情報が多く並んでいます。
ビットコインの半減期は4年に1度の大きなイベントであり、仮想通貨FXに取り組む方にとっても大きな関心事であり、ニュースもそれに関したことが増えるのは当然かもしれません。
では半減期が終わるとビットコイン価格はどうなっていくのでしょうか。
このことに関連したニュースはそれほど多くありません。
半減期後のビットコイン価格についての興味深い報道として、市場に出回ることがないビットコインが増えつつあるとのニュースが報道されました。
市場に出回らないビットコインが増えると、半減期後の価格にどう影響するのでしょうか。
このニュースや関連した情報について、詳しくご説明しましょう。
市場に出回らないビットコインが増加
ビットコインは全ての供給量のうち、市場に出回っている分は比較的少ないことを仮想通貨分析企業であるCoin Metrics社が、2020年4月28日に公開したレポートの中で報告しました。
画像引用:Coin Metrics’ State of the Network
Coin Metrics社は報告の中で、流通していないビットコインが存在していることを挙げ、5年以上の期間で移動していないのが410万BTCあると述べています。
これはつまり、ビットコインは既にこれまでの間で1,800万BTC以上発行されているはずにもかかわらず、1,400万BTC分しか動いていないということになります。
もちろん発行されたビットコインの全てに動きがあること自体は不自然で、保管してあったウォレットアドレスを忘れてしまったり、紛失してしまうケースもあるでしょう。
また犯罪に利用された結果、押収されていて動かしようがないものもあるはずです。
しかしCoin Metrics社の報告の中では、年々移動していないビットコインが増えてきていることを指摘しています。
以下のグラフはビットコインの供給量と動いているビットコインの総量をあらわしたものです。
赤線のグラフは供給量を示しており、黄色線のグラフは動かされているビットコインの総量です。
このグラフをみると、年々その差が広がっていることが分かります。
画像引用:Coin Metrics’ State of the Network
2年間移動しないビットコインも増加
ビットコインの全供給量のうち、動かされていないビットコインの量が増えてきていることを指摘しているのはCoin Metrics社だけではありません。
仮想通貨分析企業INTOTHEBLOCK社も同様の分析結果を発表しています。
画像引用:intotheblock Twitter
INTOTHEBLOCK社はTwitterの中で、既に発行されたビットコインのうち43.06%が2年間動かされていないと述べています。
そしてこの割合は、昨年より10.6%増えていることも指摘しています。
また5年以上もの間、動かされていないビットコインは401万BTCで、これは全発行数の22.02%になること。
3年から5年の間、移動していないものは104万BTCで、5.6%。
さらに2年から3年移動していないのが282万BTCにも上るとしています。
ビットコインを長期保有しているクジラの存在
ビットコインの全発行量のうち、長い間動くことがないビットコインの割合が増えてきている要因として、前述のCoin Metrics社はビットコインクジラの存在を指摘しています。
画像引用:Coin Metrics Twitter
Coin Metrics社のTwitterによると、68,000BTCを所有しているビットコインクジラは、その大量のビットコインを最後に動かしたのは2015年4月であり、2020年4月の時点で5年間もの間ビットコインを動かしていないことになると説明しています。
そしてこれ以外のビットコインクジラにおいても、平均で4.7年もの間ビットコインを動かしていないことを指摘しています。
また新型コロナウイルスの感染拡大でビットコイン価格が急落した2020年3月でも、ほとんどのビットコインクジラは保有しているビットコインを動かしていないことが明らかになっています。
増えつつある機関投資家のビットコイン投資
近年ではビットコインをはじめとする仮想通貨インフラは非常に充実しつつあります。
先物取引所やカストディアンなど、これまで金融機関として信頼を積んできた企業が手掛けるなどの動きもあり、信頼性も高まってきています。
またビットコイン自体がその信頼度を高めてきたこともあって、仮想通貨取引に投資の専門家、いわゆる機関投資家が参加することも増えてきました。
このことは、仮想通貨分析企業も認めている事実であり、本サイトでもこれまで何度か取り上げてきました。
機関投資家はその投資額も半端ではなく、しかも長期的視点で仮想通貨投資をみていることが特徴でもあり、動かないビットコインが増えている原因とも考えられます。
ビットコイン大量保有者が長期保有する理由
ビットコインクジラや機関投資家がどうしてビットコインを長期保管するのでしょうか。
これに関しては明確なエビデンスがあるわけではありませんが、考えられる理由が幾つかあります。
それはクジラをはじめ機関投資家がビットコインを大量に購入すると、全発行数より、市場に出回るビットコイン量は少なくなります。
これはビットコインそのものの供給量が減るのと同義になります。
つまり希少価値が高まることで、価格が下落しにくくなる効果が期待できるわけです。
さらに「市場に出回らないビットコインが増加」の項でもご説明した、動かないビットコインとしてウォレットアドレスを忘れた、紛失した、押収されたなどのケースでは、今後市場に出てくる可能性は低く、動かないビットコイン総量は年々増えていくことになります。
またビットコインは、発行枚数があらかじめ決められています。
ビットコインは最初から2,100万枚が発行の上限として決められているため、動かないビットコインの割合が高くなると、ますます価格は下落しにくくなっていくことが考えられます。
ビットコインクジラなどのビットコイン大量保有者は、ただ持っているだけで価格がどんどん下落しにくくなっていくという構図が読み取れるわけです。
さらに半減期がビットコインの希少性を高める
ビットコインクジラなどのビットコイン大量保有者にとって、さらに今後有利に展開する理由があります。
それが半減期の存在です。
ご存知のように半減期は、マイナーのマイニング報酬が半分になってしまうことを指します。
マイニング報酬が半分になってしまうと、これまでのようにビットコインをマイニングしていては採算が取れなくなるため、結果的にマイニングされるビットコイン総量は減っていきます。
すなわち、市場に出回るビットコイン量が減ることになります。
「ビットコイン大量保有者が長期保有する理由」の項でご説明した、市場に出回るビットコイン量が減る理由に、さらに半減期も加わるわけです。
こうなるとビットコインクジラなどの大量保有者が持っているビットコインは、ますます下落しにくくなるといえます。
まとめ
長期間動くことのないビットコインはどんな人たちが、どんな理由で長期保管しているか。
そしてあと10日ほどで半減期を迎えることにより、長期保管している目的がより達成しやすい環境になることをご説明しました。
ビットコインの生みの親であるサトシナカモトが、ビットコインクジラや機関投資家などのこのような動きを考慮していたのかどうかは不明ですが、ビットコインはまもなく迎える半減期によってますます希少価値が高まっていくことが予想されます。
これがそのまま価格に反映されるとすれば、ビットコインは今までにない価格に達する可能性があるのかもしれません。