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非常時にはゴールドに担保されたトークンが有利?

  • 仮想通貨関連
  • 2020.03.01.

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  • 非常時にはゴールドに担保されたトークンが有利?

Arcane Research

画像引用:Arcane Research

新型コロナウイルスの猛威は治まる様子もなく、世界中に拡大を続けています。

日本経済新聞のデータによると、2020年2月29日現在の世界における全感染患者数は85,055人で、死亡者数は2,906人となっています。

現時点では、新型コロナウイルスに対する明確な治療法などは確立されておらず、予防に頼るしか方法がないため、感染患者数はまだまだ増えることが予想されています。

 

一方、2月29日22時過ぎのtradingviewBTCJPYのチャートによるとビットコイン価格は93万円台を推移しており、2月24日以降の下落傾向はまだ続いています。

ビットコインが安全資産であるとの説はケースバイケースであり、新型コロナウイルスの前にはビットコインの安全資産説も崩れ去ったようです。

 

しかしこのような状況でも、需要が好調に推移している仮想通貨があると分析企業Arcane Research社が指摘していることが報道されました。

それはどのような通貨で、どうして好調なのでしょうか。

 

このニュースについて詳しくご説明しましょう。

 

ゴールドを担保したトークン需要が好調

2019年12月末に中国で発生した新型コロナウイルスによって、世界の株価は大きく低迷し、それまで安全資産であるとされてきたビットコインも価格を大きく下げています。

しかしゴールド「金」の価格は比較的安定しており、安全資産といわれ続けてきた面目躍如といえます。

 

ノルウェーの仮想通貨分析企業であるArcane Research社(アーケイン・リサーチ)の週刊レポートによると、数ある仮想通貨の中でも金を担保にしたトークンの需要が高まっていると報告されています。

 

Arcane Research社が注目しているのはXAUT

Arcane Research社が特に注目しているのはXAUT(テザー・ゴールド)です。

テザー・ゴールドは、ステーブルコインとして有名なUSDT(テザー)を発行しているテザー社が2020年1月24日から発行している、金を裏付けとした仮想通貨です。

Tether Twitter

画像引用:Tether Twitter

 

テザー・ゴールドは1XAUTが金1トロイオンスを担保としており、担保されている金はスイスで安全な環境の下、保管されているとのことです。

またブロックチェーンはイーサリアムのERC20とトロンのTRC20を使用し、発行されています。

 

1ヶ月で4倍になったXAUTの供給量

Arcane Research社がテザー・ゴールドに注目する理由は、供給量の急激な伸び方にありました。

 

2020年1月24日に発行を開始したテザー・ゴールドの供給量は、当初およそ4,000トークンしかありませんでしたが、発行から1ヶ月経った2月24日の供給量は16,000トークンと400%の伸び率がありました。

 

この急激な伸び率の背景には、取引される商品であるコモディティを担保としたトークンには需要が大きいことを示していると説明するとともに、同様のコモディティを担保とした仮想通貨は、今後のトレンドになる可能性があるのではないかとも述べています。

Arcane Research

画像引用:Arcane Research

 

ビットコイン価格とゴールド価格

ビットコイン価格の推移はどうなっているでしょうか。

以下のチャートは2020年3月1日のtradingviewBTCJPY1ヶ月チャートです。

前日の2月29日には92万円台にまで落ち込んでいましたが、3月1日1時過ぎの時点では93万円台で推移しています。

tradingviewBTCJPY1ヶ月チャート

画像引用:tradingviewBTCJPY1ヶ月チャート

 

この値動きに対してベテラントレーダーからは、ビットコインはまだ弱気相場が続いており、強気のトレンドにはなっていないとの声が挙がっています。

またArcane Research社は8,800ドル付近にある200日間移動平均線がキーになると述べており、ここで反発して価格が上昇した場合には、今度は9,300ドルがレジスタンスラインになるだろうと予測しています。

しかしもし8,800ドルを下回った場合には、8,000ドル付近まで値下がりする可能性を指摘しています。

 

ではゴールド価格の推移はどうなっているのでしょうか。

以下のチャートは2020年2月28日時点の楽天証券の金価格3ヶ月チャートです。

 

これによると、2月25日に最も高値をつけていましたが、そこからやや値下がりはしているものの、相変わらず高値を保った状態になっています。

このゴールド価格チャートをみると、新型コロナウイルスは世界的な有事であり、金が有事の際の安全資産として有効であることが証明されていることが分かるでしょう。

 

またテザー・ゴールドの供給量が急激に伸びた背景には、新型コロナウイルスによる金相場の高騰も影響していることはほぼ間違いないでしょう。

楽天証券 金3ヶ月チャート

画像引用:楽天証券 金3ヶ月チャート

 

テザー・ゴールドに対する不安

Arcane Research社の分析結果を見ていると、テザー・ゴールドはビットコインよりも有事の際の安全資産といえる要素が多いことが分かります。

 

ではテザー・ゴールドがビットコインに取って代わることができるのでしょうか。

テザー・ゴールドを発行しているテザー社は、米ドルにペッグしているUSDT(テザー)を発行しています。

USDTは米ドルと等価交換が保証されているステーブルコインで、テザー社はいつでもUSDTを米ドルに交換できるとしていましたが、実際にはUSDTの発行量に応じた米ドルを保管していないことが分かっています。

 

またUSDTが大量に発行されるとビットコイン価格が大きく上昇していたことから、USDTを発行したことで得た米ドルで、大量のビットコインを私的購入していたのではないかという疑惑も存在しています。

 

すなわち、ステーブルコイン発行企業としての信頼度に疑問符が付くということであり、テザー・ゴールドも1XAUTあたり金1トロイオンスが間違いなく保管されているのか、不安を感じてしまうのも事実でしょう。

 

コモディティ担保トークンはトレンドになる?

Arcane Research社が説明している「コモディティを担保とした仮想通貨が今後のトレンド」は、確かにトレンドとなりうることが考えられます。

また担保するコモディティの特性が、その仮想通貨の特徴にもなるため、これまでにないユニークな仮想通貨が出来上がる可能性もあります。

 

ただコモディティ担保トークンがトレンドになるかどうかは、テザー・ゴールドが今後どのように展開されるかが重要になってきます。

USDTのように、発行企業に対して疑問符が付くようであれば、今後出てくるコモディティ担保トークンも同様に見られてしまう可能性があるのではないでしょうか。

テザー社は、コモディティ担保トークンの先駆けとして、多くの人々からの信頼が得られるよう事業展開して欲しいものです。

 

まとめ

新型コロナウイルスによって株価が低迷し、ビットコインをはじめとする仮想通貨の価格までもが下落する中にあって、4倍もの供給量を達成できたテザー・ゴールドに関してご説明しました。

 

テザー・ゴールドはコモディティが金であることが強みといえる仮想通貨です。

今後コモディティ担保トークンがトレンドになるかどうかは、テザー社の今後の動き次第といえますが、新型コロナウイルスによって大きな注目を集めたことは間違いありません。

テザー社には、この多くの人からの注目を活かして、仮想通貨業界全体の発展につないでもらいましょう。

 

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

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