投資会社が2020年のリブラとBTC価格などを予想
- 仮想通貨関連
- 2019.12.17.
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2019年も残り半月と少なくなってきました。
今年の仮想通貨FXの収支はいかがだったでしょうか。
2019年の仮想通貨を振り返ってみると、大きな出来事が巻き起こった1年でした。
特にフェイスブックの仮想通貨リブラや中国のデジタル人民元など、今後の仮想通貨業界に大きく影響する出来事がありました。
では2020年の仮想通貨業界はどうなっていくのでしょうか。
仮想通貨ジャンルのベンチャーキャピタルが2020年の仮想通貨関連の出来事について、大胆に予想しています。
その中でも注目しておくべき項目について、現状なども含めながらご紹介しましょう。
Blockchain Capitalが2020年の仮想通貨業界を予想
米サンフランシスコを拠点として仮想通貨のジャンルに特化し、ビットコインやブロックチェーン技術を活用するスタートアップを専門としているベンチャーキャピタルであるBlockchain Capital社が、2020年の仮想通貨業界の予想を発表しました。
画像引用:Blockchain Capital
Blockchain Capital社は2013年創業のまだ若い企業ですが、既に75を超える企業やプロジェクトに投資しています。
その中にはCoinbaseやRippleも含まれており、2016年のファンド額はおよそ13億円でしたが、2018年には150億にまで拡大するなど急成長を遂げていることから信頼度が高く、また注目度も高いベンチャーキャピタルです。
Blockchain Capitalの予想内容
Blockchain Capital社が2020年の仮想通貨に関して予想した内容は、以下のようなものです。
画像引用:State of Crypto 2019
予想された2020年の仮想通貨業界は、細かなものもありますが、大きな分野では3つの変革があると捉えているようです。
まず1つは仮想通貨リブラなどのステーブルコインに関してです。
そして2つ目が、DeFi(Decentralized Finance platforms)と呼ばれる分散型金融プラットフォームに関して。
3つ目が仮想通貨の規制に関してです。
これら以外にも変革とはいえないですが、多くの人が最も興味を持つ内容として、ビットコイン価格についても言及しています。
仮想通貨リブラに対する予想
Blockchain Capital社の予想の中に、仮想通貨リブラに関する以下のような記述があります。
3.中国との競争に直面して、リブラはドルに支えられた青信号を受け取る、安定したコイン
引用:State of Crypto 2019 をGoogle翻訳
これはつまり、フェイスブックの仮想通貨リブラに青信号、すなわちGOのサインが出ると予想しているということです。
ご存知のように仮想通貨リブラに対する逆風はすさまじく、特にヨーロッパや米では批判の嵐でした。
これらの逆風のせいなのか、ホワイトペーパー公開時にリブラを発行するリブラ協会のメンバー企業として記述されていたVisaとMastercardは、協会から離脱することが発表されています。
離脱の原因として考えられるのは、批判の大きさが企業イメージにマイナスに働くと考慮したからでしょう。
現在のホワイトペーパーからは、この2社の名前は削除されています。
そしてもうひとつ、リブラのホワイトペーパーから削除されている項目があります。
それが、投資家への配当に関する項目です。
以前は、リブラのエコシステムに資本提供した投資家に対して配当がある旨が記述されていましたが、現在のホワイトペーパーでは削除されています。
画像引用:libra
これらの方向転換が功を奏したのでしょうか、2019年12月12日のニュース記事「米が仮想通貨リブラに対して軟化姿勢にシフト?」でも記述したように、トランプ大統領が夕食会にマーク・ザッカーバーグ氏を招いたり、ムニューシン米財務長官のリブラに対する発言のニュアンスが変わりつつあります。
もちろんトランプ大統領やムニューシン米財務長官の発言が変わってきている背景には、中国のデジタル人民元の存在があることは間違いないでしょう。
これらのことからBlockchain Capital社は、仮想通貨リブラへの風当たりが大きく変化すると読んでいるのでしょう。
SECのテレグラムとKikへの訴訟を予想
Blockchain Capital社の予想の中には、以下のような記述があります。
4.連邦判事が暗号化事件でSECに対して規則を制定
引用:State of Crypto 2019 をGoogle翻訳
これはSEC(米証券取引委員会)が「テレグラム」や「Kik」が実施したICOに対し、証券法違反にあたると申し立てたことについての予想です。
この事件はテレグラムやKikが独自トークンを販売して、米の投資家から資金を集めた際に、トークンそのものに対する説明や運営している事業や財務状況、トークン購入のリスクなどを十分に説明していないとSECから配布停止を申し立てられているものです。
Blockchain Capital社の予想はSECの主張が認められず、上記のような独自トークン販売は違法ではないと連邦判事が判断するということで、これはすなわちICOに対する規制そのものが、枠組みごと変わってしまうことを意味しているわけです。
DeFiの今後に関する予想
Blockchain Capital社の予想では、近年注目されているDeFi(Decentralized Finance)分散型金融についても言及しており、以下のように2項目が記述されています。
2.DeFiでロックされた値は50億ドルに達する
10.KYC / AMLは、Defiの主な規制の戦場になります
引用:State of Crypto 2019 をGoogle翻訳
DeFiとはブロックチェーンを仮想通貨だけでなく、証券や保険、デリバティブ取引、レンディングなどに応用することで、中央管理者が不要の分散型である金融プラットフォームということになります。
ブロックチェーンを活用しているために、透明性が高いというのが大きな特徴です。
つまりBlockchain Capital社は、このDeFiで運用される資金が50億ドル、日本円にしておよそ5,400億円が突破するほど活性化すると予測しているわけです。
またその分、本人確認(KYC)やマネーロンダリング対策(AML)が厳しくなることを示唆しています。
ビットコイン価格の最高値更新を予想
そしてBlockchain Capital社はビットコイン価格についても予想しています。
12.ビットコインの価格が史上最高値を超える
引用:State of Crypto 2019 をGoogle翻訳
ビットコインの価格が最高値になったのは、2017年12月です。
tradingviewのデータによると最高値を更新したのは12月1日で、価格は日本円で1,673,600円となっています。
ちなみに、2019年12月17日早朝のビットコイン価格は、下のチャートの通りで、tradingviewでのBTCJPY価格は755,541円となっています。
つまり最高値を更新するためには、現状価格から倍以上値上がりしなければならないことになります。
画像引用:tradingview BTCJPY 1ヶ月チャート
Blockchain Capital社の予想は正しいのか
Blockchain Capital社の予想には、予想の根拠となる要素が記述されているものと、何も根拠が書かれずにそのまま予想だけが書かれているものが混在しています。
特に、多くの人が最も関心を持っているであろうビットコイン価格が最高値を更新するという予想には、何も根拠らしきものが書かれていません。
そのため説得力は若干乏しいものの、他の根拠が記述されている予想項目やBlockchain Capital社がベンチャーキャピタルを事業としていることなどから、耳を傾ける価値はあるのではないかと考えられます。
まとめ
Blockchain Capital社が予想した2020年の仮想通貨状況についてご説明しました。
予想の内容を一言でまとめると、2020年は仮想通貨やブロックチェーンが今以上に価値を高め、世の中で活用される存在になっていくことを描いているようです。
この予想が当たるかどうかは別にしても、仮想通貨やブロックチェーンは、今まで以上に生活を便利で豊かなものにするために生まれてきたものであるはずです。
2020年は、それらが少しでも理想に近づいていることを実感できる年になって欲しいものです。