日本の仮想通貨取引は30代がメイン
- 仮想通貨関連
- 2019.09.27.
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日本国内の仮想通貨取引所におけるビットコイン取引高は2017年12月の58,685.16億円(取引高は月の取引数量×平均価格での算出、以下も同様)をピークに下がり続け、2019年7月には15,487.21億円とやや持ち直しましたが、同年8月は10,990.79億円と減少しています。
しかし少なくなったとはいえ、ビットコインだけで10,990.79億円の取引高があることは、仮想通貨取引が日本でも定着してきていることを表しているのかもしれません。
そんな仮想通貨取引を支えているのは30代の人々であるというデータが発表されました。
また最も取引されている地域やデバイスについても発表されています。
このニュースについて、データを紹介しながらご説明しましょう。
BitbankのCOOがユーザー分析を発表
2019年9月25日、日本の仮想通貨取引所bitbankの最高執行責任者である三原弘之COOが、bitbankのユーザー分析の結果を発表しました。
画像引用:medium.com
月別登録者のbitbank取引高
このデータ分析の中で、2017年9月~2019年9月の間にbitbankへ登録した人がどれほどの額の取引をしているかが掲載されています。
画像引用:medium.com
このbitbankのデータからは、ビットコインがこれまでの中で最も高額になった2017年12月に、bitbankに登録した人の取引高が最大になっていることが分かります。
ちなみに、この時の取引高は1,170.42億円となっています。
その後登録した人たちの取引高は下がり続け、2018年3月に登録した人の取引高は244.4億円まで下がりますが、同年4月5月と盛り返すものの、6月以降は減少し続けています。
2019年に入ってから登録した人も取引高が伸びることはなく、2019年7月には2.77億円、8月は4億円と低迷し続けていることが分かります。
9月はまだ途中段階の集計でもあり、0.05億円という少ない取引高になっていますが、ここから爆発的に取引高が伸びる可能性は少ないでしょう。
このデータからは2017年12月にbitbankへ登録した人が、最も多くの金額を取引しているということが分かります。
ただしこれらのデータには登録者数が記載されていませんので、一人当たりの取引額の変化は把握できませんが、おそらく2017年12月に登録した人が最も多く取引きしているのではないかと推測されます。
また三原弘之COO のデータに関するコメントから、bitbankに最近登録した人が取引にそれほど積極的ではないことが記述されています。
年齢別のbitbank取引高
三原弘之COOが発表したデータ内には、年齢別のbitbank取引高も掲載されています。
画像引用:medium.com
このグラフを見ると、30代の取引高が最も多いことが一目瞭然で、20代40代がそれよりも少ないことが分かります。
また20代の前半の取引高は少ないですが、後半になると一気に取引高が増えていることが分かります。
そして50代になると取引高は減っていき、60代以降は取引高が非常に少ないことが分かります。
このデータから見ると、bitbankでは30代の人々が最も仮想通貨取引をおこなっていますが、国内の仮想通貨取引所全体での年代比率はどうなっているのでしょうか。
JVCEA発表の年齢別取引状況
国内の仮想通貨取引所が加盟している一般社団法人日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)が、2018年4月に仮想通貨取引をしている年齢層を発表しています。
このデータは仮想通貨の現物取引と証拠金・信用・先物取引の2つの区分で、年代別の人数を調べたものです。
現物取引の年代別人数
画像引用:金融庁
現物取引をしている人は30代が圧倒的に多く、次いで20代、40代の順になっています。
ところが、40代から50代になると一気に人数が減ってしまっています。
証拠金取引などの年代別人数
画像引用:金融庁
証拠金・信用・先物取引でも30代が最も多い層となっていますが、特徴的なのは二番目に多いのが40代であることです。
その次に20代、50代の順になっています。
現物取引と異なるのは、20代の人数がそれほど多くなく40代が多いこと、そして50代も取引をしている人が多いことが挙げられます。
三原COO発表のデータとの一致
Bitbankの三原COOが発表したデータのコメントとして、以下の内容が書かれていました。
「暗号はミレニアル世代のためのもの」とよく言われますが、日本でも同様です。
引用:medium.com Google翻訳による和訳
Bitbankのデータだけでなく、JVCEAの発表したデータにおいても、現物取引と証拠金取引などの両方で30代が最も仮想通貨取引に取り組んでいることが分かりました。
つまり三原COOのコメント通り、仮想通貨は1981年から1996年の間に生まれたミレニアル世代が主に取り組んでいるというわけです。
地域別のbitbank取引高
bitbankのデータには、地域別の取引高が記されています。
画像引用:medium.com
このデータを見ると、東京からの取引が圧倒的で32.61%と、2番目の大阪の6.52%を大きく引き離しています。
3番目が神奈川で6.02%です。
つまり全取引の3割以上を東京が占めているわけです。
また意外なのが愛知の3.82%で、7番目という順位です。
単純な都市の大きさから考えると、愛知が3番目か4番目に入りそうですが、意外と仮想通貨取引に対しては厳しい目で見ているのかもしれません。
デバイス別のbitbank取引高
ではデバイス別に見ると、取引高はどうなるのでしょう。
つまりどのデバイスを使って取引している人が多いかということです。
画像引用:medium.com
このデータによるとAndroidアプリが24.22%となり、全取引のおよそ4分の1を占めています。
またiPhoneアプリは13.98%であり、38.2%がスマホアプリからのアクセスとなります。
これにiPhone-Safariの8.69%とAndroid-Chromeの4.42%を加えると51.31%となり、半数以上がスマホかモバイルからアクセスしている計算になります。
このことに関して三原COOは報告書の中で、以下のようにコメントしています。
急速で非常に不安定な価格変動と市場が年中無休で開かれていることを考えると、日本のトレーダーはモバイルデバイスがいつでもどこでも取引できるため、より便利だと感じています。
引用:medium.com Google翻訳による和訳
つまり、仮想通貨取引はいつでもどこでも取引ができるデバイスが有利であり、トレーダーもそのことを十分理解して使用しているということになります。
仮想通貨取引のメインとなる人物像
これまで説明してきた、bitbankのデータを基にした三原COOの報告書の内容をまとめると、仮想通貨取引をしている最も多い人物像は、30代で東京都内に住み、スマホかモバイルを使って取引している人ということになります。
まとめ
bitbankの三原COOが発表したデータに加え、JVCEA発表のデータについてもご説明しました。
ミレニアル世代が仮想通貨に関心が高く、実際に取引している人も多いのは、日本だけでなく世界的な傾向のようです。
しかし高齢化の現代において、ミレニアル世代だけが仮想通貨を取引していても、決して仮想通貨の地位や取引高が向上したり、増えることはないでしょう。
ミレニアル世代を中心として、40代50代の人々にも取り組んでもらえるようにしていかねばなりません。
そのためには株などの取引と同様の信頼性が仮想通貨取引にも必要になってくるはずです。
仮想通貨に関連した詐欺や流出事件などがなくなっていけば、中高年の人々にも関心を持ってもらえるのではないでしょうか。
それは仮想通貨業界全体の課題なのかもしれません。