仮想通貨FXチャート分析の手法39【一目均衡表&MACD】
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仮想通貨FX入門では様々なテクニカル指標の解説、取引に際して必ず行うべきことや厳守すること、テクニカル指標の併用の手法等様々仮想通貨FXトレーダーの役に立つ情報を詳しく解説しています。
なぜここまでテクニカル分析を集中して解説しているかというのは理由があります。
それは仮想通貨の世界では外国為替のように各国の政策金利に連動する金利もなく、そのため各国の金融政策が通貨の変動に影響を与えるようなものではないため、ファンダメンタルズ分析があまり機能しないと言われているからです。
商品相場と同様の見方として考えられており、そのためテクニカル分析が必須の知識となります。
テクニカル分析はテクニカル指標によっては単体で取引判断を行うことも可能なものがいくつかありますが、どれをとっても単体のテクニカル指標で勝てる程甘い世界ではありません。
必ず必要なことは、テクニカル指標を併用してより精緻な分析ができるよう工夫することです。
もちろん併用したからと言って確実に勝てるロジックというものはなかなかなく、仮想通貨FXのトレーダーは勝率の高いテクニカル指標の組み合わせを日々考えている状況です。
ここでは併用の手法を代表例としてご紹介しています。
今回は「一目均衡表とMACD」を利用した仮想通貨FXの取引手法をご紹介します。
一目均衡表とMACDを利用した取引手法
一目均衡表とMACDをおさらい
仮想通貨FX入門では、それぞれのテクニカル指標の解説を別の記事で記載しているため、全く基礎知識がないということであればまずそちらをご覧ください。
簡単に2つのテクニカル指標がどのようなテクニカル指標だったかをおさらいします。
一目均衡表:都新聞の商況部長として活躍した細田悟一氏が考案したテクニカル指標となります。
1936年に一目山人というペンネームで発表したテクニカル指標で海外のトレーダーからも愛用されており、「ichimoku」という日本の名前がそのまま浸透しています。
一目均衡表の基本的な見方は相場は「売り手」と「買い手」の均衡が崩れた方向へ動くということが前提として作られています。
方向感が完全に出てトレンドが発生した場合相場の行方というものは誰が見ても判断がつく、という考え方がベースとなっています。
つまり一度方向性が確認できてしまえば中期的に継続しやすいということです。相場のパワーバランスを眺めながら、「いつ相場が変化するのか」「いつ目標値が達成されるのか」など、「いつ」といった「時間軸」を重視して相場の動向を判断するということです。
MACD:2本の移動平均線(MACDとそれを単純移動平均化したシグナルの2本のライン)を用いることで相場の周期とタイミングを捉える指標です。トレンドフォロー型のトレーダーから愛用されており、トレンドの方向性を見たり、トレンドの初期段階を把握するために用いられます。
一目均衡表とMACDを併用したトレード手法
それでは今回の本題に入っていきたいと思います。
一目均衡表とMACDの設定は最初から設定されているものでいいでしょう。
では実際のチャートをご覧頂きながらこのトレード手法を解説したいと思います。
下記はbybitのBTCUSDの4時間足のチャートになります。
この手法で重要なポイントをまず最初に整理したいと思います。
①基準線を転換線がゴールデンクロスorデットクロスしていること
②三役好転や三役逆転が確認できること
③MACDが一目均衡表と同じ方向でゴールデンクロスやデットクロスしていること
④MACDの位置が0を基準としてチャート上の一目均衡表の方向性と合致していること
この4点が重要なものとなります。
②の三役好転、三役逆転についてはなかなかこの条件に合致しないケースが多いので、これが確認できればベターという認識でいいでしょう。
では最初のポイントである①がどの位置かというと最初の青い○印となります。
ここで基準線を転換線がゴールデンクロスしていることがわかると思います。
その点が確認できたら目線をMACDに移します。
MACDの位置とゴールデンクロスが完成しているかをチェックしてください。
ここで上の条件である③、④が当てはまっていればロングポジションを構築しエントリーすることとなります。
そしてエントリーした際にすぐに行うべき必須の行動があります。
それは「ストップロスの注文をいれておくこと」です。
これについては、どの記事にも記載していますが、何度もお伝えしてもなかなか行動に移せない仮想通貨FXのトレーダーがあまりにも多いため、常に記載しています。
この重要性は2017年の秋口からスタートした大相場をチェックしたら意味は理解できると思います。
2017年にスタートしたビットコインのバブルと言われた上昇相場は何倍にも価格が上昇していることがわかると思います。
もしもここで値ごろ感からのショートポジションを途中で持った場合に損切りせずに耐え切れることができたかというと不可能に近いでしょう。
外国為替と違い、数年という浅い歴史しかなくどこまでいけば高値付近なのか?という位置が全く不透明なマーケットです。
そのため必ずストップロスは必須であり、これができない限り99勝1敗の1回の負けであっという間に全財産を失うことも可能でしょう。
仮想通貨はストップロスが必須ということを頭に刷り込んでください。
では上記のチャートからどの位置でストップロスの注文を入れるべきかというと、先行スパン2と割れたラインが最初の目安と言えるでしょう。
このように注文を置いておくことで損失は限定的となり、万が一ストップロスが発動して損失を被った場合でも、やり直しが効く損失となるでしょう。
では次にポジションを積み増すポイントについて解説します。
積み増すポジションは移動平均線の手法と似ており、基準線のラインまでローソク足が戻ってきて積み増すということでルールづけしましょう。
そして積み増した後に行うことは、ストップロスの注文を引き上げです。
損失をコントロールすることは損益を伸ばすと同様に重要なことのため忘れないようにしましょう。
ではそのストップロスの注文を積み増しした後どこに置いておくべきかですが、それは基準線を割れた位置がベストと言えます。
先ほどのように先行スパン2を割れた位置の場合、上記のようにトレンドが出ると、価格の差が大きくなるため、ここまで我慢することはリスクリワードの観点から得策ではありません。
そのため基準線を割れたら諦めるというシンプルなルールを設定する方が心理的な不安を軽減されるでしょう。
では最後に利益確定のタイミングについて参考となる動きを紹介します。
上記のチャートの最後の青の○印2つをご覧下さい。
最初の○印の位置はチャート上では天井の位置となります。
そして次の青色はその前の青色の時間につけた天井を上回っているものの、MACDの位置は天井を切り下げているのがわかると思います。
つまりダイバージェンスが発生しているということです。
そしてもう1つパワーバランスが崩れかけている所作がMACDのデットクロスとなります。
この2つが揃うと再度上昇トレンドに転換するのは難しくなってきているため一度利益確定をすることをお勧めします。
このように一目均衡表ではわからないパワーバランスの変化を教えてくれるのがMACD等オシレーターのテクニカル指標になるため、併用することが勝率をあげることにつながるわけです。
あくまでいい位置でエントリーすることも大事ですが、それ以上に難しいのは利益確定のタイミングです。
ここを誤るといくらコストのいい位置でエントリーしたとしても水の泡になる可能性があります。
特にベテランのトレーダーになるにつれてこの難しさが理解できると言われており、利益確定の効率化を測る指標を慣れてくれば併せて考えるべきでしょう。
以上が一目均衡表とMACDのトレード手法となります。
一目均衡表は色々なオシレーター系テクニカル指標と相性がいいため、色々試して見るといいでしょう。