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米大統領選の行方が仮想通貨の将来にも影響する可能性

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  • 2024.05.29.

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米国では今年の11月5日にアメリカ合衆国大統領および副大統領を選ぶための選挙がおこなわれます。

民主党からはジョー・バイデン現大統領が再選を狙っており、共和党からは2020年の大統領選挙で敗北したドナルド・トランプ元大統領が返り咲きを狙っています。

 

実は、今回の大統領選挙は米国における仮想通貨の行く末を大きく左右する選挙であり、両候補も仮想通貨支持層を無視できない状況にあることがニュースによって明らかになってきています。

 

両候補の仮想通貨に対する考えや動きなどについて、最近のニュースを交えながらご説明しましょう。

 

ジョー・バイデン現大統領陣営の仮想通貨に対する動向

ジョー・バイデン大統領によって21年2月3日にSEC(米証券取引委員会)委員長に任命されたGary Gensler(ゲイリー・ゲンスラー)委員長は、仮想通貨の大半は証券法の対象となる可能性があると主張していました。

 

そのため現在では多くの機関投資家が参入しているビットコイン現物ETFに対しても、裁判所の判決がでるまで承認せず、判決結果を受けてからやっと2024年1月10日に承認する運びとなったことは記憶に新しいでしょう。

 

イーサリアム現物ETFの承認

SECのゲイリー・ゲンスラー委員長が、仮想通貨の大半は証券法の対象の可能性があると主張していたため、仮想通貨業界ではイーサリアム現物ETFは承認されないのではないかとの見方が一般的でした。

しかし2024年5月23日、SECは突如としてイーサリアム現物ETFの承認を発表しました。

SEC イーサリアム現物ETF承認

画像引用:SEC

 

突如としてイーサリアム現物ETFを承認した理由

それまで頑ななほど承認を拒み続けてきたにもかかわらず、突如としてイーサリアム現物ETFを承認した理由とはどのようなものなのでしょうか。

 

このことについて米国のソフトウェア企業Consensys(コンセンシス)のCEOであり、イーサリアムの共同創設者でもあるJoseph Lubin(ジョセフ・ルービン)氏は、次の選挙に勝ちたいがための政治的な決定で、ホワイトハウスからSECに要請があったために承認されたのではないかとの考えを明らかにしています。

 

つまり、バイデン陣営はこれまで仮想通貨を敵視してきたものの、選挙直前の今は有権者から嫌われることをしたくなく何としても選挙に勝ちたいという思惑がそうさせたとみているわけです。

 

仮想通貨規制に政治的な逆風も

バイデン陣営が有権者から嫌われたくないと考える背景には、政治的な逆風も影響しているようです。

 

2024年5月8日、米国連邦議会下院でSECが発行した「顧客の仮想通貨を保管する企業は、それらを貸借対照表に「負債」として計上するよう義務付ける会計公報121号(SAB121)」について、それを覆す決議を228対182で可決しました。

さらに2024年5月16日には、上院でも60対38で同様に可決していました。

すなわちバイデン陣営であるSECの主張が、下院と上院の両方で覆されたわけです。

 

共和党の上院議員の中には、バイデン政権とSEC委員長が仮想通貨を扱ってきた方法をはっきりと非難すると断言している議員もいました。

また少数ではあるものの、可決に賛成している民主党議員もみられました。

 

ジョー・バイデン大統領はこの可決に対し、拒否権を発動することもできたのですが、結果的に拒否権は発動させていません。

もしジョー・バイデン大統領が拒否権を発動させていたとすると、それを無効にするためには3分の2の多数決が必要となりますが、この多数決に至るのは難しいと考えられています。

 

このような政治的逆風も、バイデン陣営の仮想通貨に対する考えを柔軟化させることにつながっているのかもしれません。

 

ドナルド・トランプ元大統領陣営の仮想通貨に対する動向

ドナルド・トランプ元大統領は、もともと仮想通貨に対して否定的な見方をしていましたが、選挙対策なのか、それとも考えが転換したのかは不明ですが、現在では仮想通貨を擁護する立場での言動が目立っています。

 

仮想通貨を支持する声明を発表

ドナルド・トランプ元大統領は2024年5月26日、自ら立ち上げたソーシャル・メディア・プラットフォームであるTruth Socialを通じ、仮想通貨を支持する声明を発表しました。

Donald J. Trump Posts From His Truth Social X 仮想通貨支持

画像引用:Donald J. Trump Posts From His Truth Social X

 

私は暗号通貨企業や、この新しく急成長している業界に関連するすべてのものに対して非常に前向きでオープンな考えを持っています。

我が国はこの分野のリーダーにならなければなりません。

2位は存在しません。

一方、我が国史上最悪の大統領である悪徳ジョー・バイデンは、我が国がゆっくりと苦痛に満ちた死を迎えることを望んでいます。

私にはそんなことは絶対に起こりません!

引用:Donald J. Trump Posts From His Truth Social X(Google翻訳)

 

つまり、仮想通貨業界や急速に発展するイノベーションの分野で、米国がリーダーとして産業全体を牽引していけば、国際的な競争力の維持だけでなく、経済的な優位性も確保し続けることができると述べているわけです。

また現在のジョー・バイデン政権では、米国はゆっくりと滅んでいく旨も訴えています。

 

リバタリアン党全国大会でも仮想通貨支持発言

米国における2大政党に続く三番目の政党であるリバタリアン党の全国大会が2024年5月25日に開催され、登壇したドナルド・トランプ元大統領は仮想通貨を支持することを訴えました。

リバタリアン党全国大会 トランプ仮想通貨支持

画像引用:Bitcoin Magazine X

 

速報: USドナルド・トランプ氏、「暗号通貨とBitcoinの未来は米国で作られることを保証する」

「私は国の5000万人の仮想通貨保有者の自己管理の権利を支持する」

引用:Bitcoin Magazine X(Google翻訳)

 

仮想通貨に否定的な民主党議員を批判

リバタリアン党全国大会の演説では、仮想通貨に否定的な民主党のElizabeth Warren(エリザベス・ウォーレン)上院議員に対して、仮想通貨業界に近づくことを許さないとも述べています。

 

エリザベス・ウォーレン上院議員は仮想通貨業界に対して非常に厳しい姿勢をとることで知られており、これまでにも仮想通貨業界にデジタル資産マネーロンダリング防止法を適用する法案を提出しています。

 

この法案には仮想通貨取引の検証や保護、仲介をおこなう仮想通貨業者に対し、顧客確認要件を含め、銀行機密法による義務を課すこと。

そして個人が管理するウォレットに対し、顧客確認を義務付ける規則を設けること。

また外国銀行口座の報告規則と同様に、オフショア口座を通じて約140万円(10,000ドル)を超える仮想通貨取引した場合の報告書の提出義務化などが盛り込まれていました。

 

ビットコインによる米国政府債務の解決を模索

トランプ陣営の仮想通貨補佐官を務めているBitcoin MagazineのDavid Bailey(デイビッド・ベイリー)CEOが2024年5月26日、トランプ元大統領から米国政府が抱える債務問題の解決にビットコインが活用できないかどうかを尋ねられたと発言しました。

 

活用アイデアは幾つかあるものの、この時トランプ元大統領とは初対面であったことに加え、このことについて話す準備ができていなかったと説明しています。

 

ただこの発言からは、トランプ元大統領が選挙に勝った時には、具体的に仮想通貨を戦略的に展開しようと考えていることが読み取れます。

 

仮想通貨による政治献金の受け入れ

トランプ陣営は2024年5月21日、仮想通貨による政治献金の受付を開始しました。

donaldjtrump.com トランプ仮想通貨での献金

画像引用:donaldjtrump.com

 

このサイトからは、ビットコインやイーサリアム、ソラナ、ドージコイン、シバイヌ、リップル)などで献金を受け付けていることが分かります。

またこのページには以下のような言葉が並べられています。

 

暗号通貨の受け入れを開始

トランプ大統領がアメリカの自由と革新の擁護者として成功を収めていることを実証し、私たちは暗号通貨でキャンペーンに貢献する機会を誇りを持って提供します。

バイデンの失敗から国を救うには、あなたのサポートが必要です。

バイデンが私たち全員に規制と官僚主義を課す中、トランプ大統領はアメリカを再び偉大にする新しいテクノロジーを受け入れる準備ができています。

引用:donaldjtrump.com(Google翻訳)

 

まとめ

米国で今年11月5日におこなわれる大統領選挙の候補者2人について、仮想通貨に対する姿勢が分かるニュースをご紹介しました。

 

両候補が選挙戦に勝つための手段としてではなく、どれほど真剣に仮想通貨の有用性や将来性を捉えているかは、このニュースからだけでは読み取ることはできませんが、少なくともドナルド・トランプ元大統領が仮想通貨に前向きであることだけは分かるでしょう。

そして大統領選挙の行方が、仮想通貨の将来を左右する可能性もあることは理解いただけるはずです。

 

今年11月の米大統領選挙には注目しておく必要がありそうです。

 

 

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