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SEC委員長の発言から仮想通貨への厳しい対応継続が明らかに

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  • 2023.09.14.

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以前から米SEC(証券取引委員会)のGary Gensler(ゲイリー・ゲンスラー)委員長の仮想通貨に対する厳しい姿勢は何度となく報道されていました。

本サイトのニュース記事でも、これまで何度も取り上げてきましたが、具体的な規制のガイドラインを示さないまま締め付けることだけに終始するSECとゲイリー・ゲンスラー委員長に対しては、仮想通貨業界からの批判が多く噴出していました。

さらには、ゲイリー・ゲンスラー委員長の解任を求める声まで出てくる始末でした。

 

しかし現在もゲイリー・ゲンスラー氏は米SECの委員長の職にとどまり、仮想通貨に対する不当ともいえる厳しい対応を続けており、2023年9月12日に開催された米上院銀行住宅都市委員会の席上でも仮想通貨に対する厳しい姿勢の継続を示唆する発言をおこなっていました。

 

ゲイリー・ゲンスラー委員長は米上院銀行住宅都市委員会の席上でどのような発言をしていたのでしょうか。

ニュース記事を参考にご説明しましょう。

 

ゲイリー・ゲンスラー委員長が米上院公聴会に出席

米SECのゲイリー・ゲンスラー委員長が2023年9月12日に開催された米上院銀行住宅都市委員会の公聴会において、仮想通貨に対する厳しい姿勢の継続を改めて示しました。

画像引用:banking.senate.gov

 

今回開催された米上院銀行住宅都市委員会の公聴会は、仮想通貨に焦点を当てたものではなく、あくまでもSECの監督であったため、ゲイリー・ゲンスラー委員長は株式市場やAI(人工知能)についても考え方を説明していますが、説明の中に仮想通貨に対する項を加えて自らの考えを説明していました。

 

ほとんどの仮想通貨は有価証券であると主張

今回の米上院銀行住宅都市委員会の公聴会開催前に、ゲイリー・ゲンスラー委員長は自らの主張、つまり公聴会で説明する内容をまとめた文書を提出していました。

画像引用:banking.senate.gov

 

この文書の中では、仮想通貨のほとんどは投資契約である可能性が非常に高いため、それらは有価証券にあたると説明されています。

さらに仮想通貨を取り扱う仮想通貨取引所は、有価証券の取引を仲介するために証券法の適用となり、登録するなどの要件を満たさなければならないにもかかわらず、今の仮想通貨市場においては証券法が守られているとはいえないと主張しています。

 

そしてこれまでのSECの実績として、ルール作りを通して「仮想通貨証券市場」に対応してきたことの例として、従来の証券法はDeFi(分散型金融)に対しても適用可能であることを議決して明確化してきたことを挙げていました。

 

係争中の案件に対してはコメントしないことも説明

この文書内では、SECやゲイリー・ゲンスラー委員長の仮想通貨に対する考え方、つまり有価証券であることやその考えに沿ったこれまでの行動を説明していたものの、コインベースやバイナンス、リップル社などと係争している裁判についてはコメントしないと説明しています。

 

すなわち裁判について、事前に公聴会で質問しないよう、釘を刺しているわけです。

 

AI(人工知能)を活用して詐欺や不正操作を監視

今回の公聴会の席上、ゲイリー・ゲンスラー委員長は、SECではAI(人工知能)の技術を使って金融における詐欺や不正操作を監視していると述べました。

そして現在は市場のパターンを探すため、既に一部の市場など監視を実行していると説明しています。

 

なお、議会に対して2024年の予算を増額して申請していたのは、このAI(人工知能)技術の活用が目的のひとつだったとも説明していますが、大幅増額の全ての目的は明らかにされていません。

 

公聴会でのゲイリー・ゲンスラー委員長に対する質問

今回の公聴会では、ゲイリー・ゲンスラー委員長に対する質問も投げかけられました。

質問をしたのはビル・ハガティ上院議員で、質問内容は現物ビットコインETFに関するものでした。

 

現物ビットコインETFについて質問を投げかけたのには理由があります。

SECは2021年から複数のビットコイン先物ETFを承認していましたが、その一方で、ビットコイン現物を直接保有するETFは却下しており、GBTC(グレースケール・ビットコイン・トラスト)がETFに転換することも却下していました。

 

グレースケール社は、ビットコイン先物ETFは承認されているのに、現物ETFの承認を却下することはSECが恣意的におこなっていることであり、投資家に対しても損害を与えていると訴えていました。

この訴えに対してコロンビア特別区控訴裁判所は、SECの判断について恣意的なものであるとグレースケール社の訴えを認め、SECに対して再審査するよう命じています。

 

このような背景があったため、ビル・ハガティ上院議員は「SECはビットコイン現物ETFの承認にはどのようなことを考慮するのか」と質問しています。

 

この質問に対し、ゲイリー・ゲンスラー委員長は「現在、判決内容を精査しているところである」と述べただけで、質問された現物ビットコインETFを認めるための条件については回答せずに逃げた形になっています。

 

コインベースは委員長のコメントに対する影響を指摘

ゲイリー・ゲンスラー委員長の公聴会での発言内容文書を受け、現在SECと係争中である仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)はレポートを公表しています。

画像引用:coinbase

 

そのレポートでは、SECの規制によって米国の世界でのリーダーシップが弱体化していることを指摘しています。

 

また明確な基準がはっきりしないままの規制が続くことにより、米国以外でWeb3の開発が進み、開発関係者は100万人、非開発関係者は300万人の計400万人の雇用が失われる危険があることも指摘しています。

このことの裏付けとして、Web3開発における米国の世界でのシェアは、過去5年の間で40%から29%に減少していることを示しています。

 

ゲイリー・ゲンスラー委員長の仮想通貨敵視と今後

今回のニュースだけでなく、これまでのゲイリー・ゲンスラー委員長の行動や発言からは、米国において仮想通貨は必要ないと考えていることが読み取れます。

 

しかし世界中が仮想通貨に注目し、活用することに注力しつつある現在、明確な基準がないまま締め付けることだけに終始してしまうと、コインベースのレポートにあったように、米国の世界におけるリーダーシップは弱体化し、いずれは他国にリーダーシップを奪われてしまう可能性もあります。

 

Yahoo!finance(Yahoo!ファイナンス)が2023年9月9日に報じたところによると、コインベースのCEOであるBrian Armstrong(ブライアン・アームストロング)氏がYahoo!ファイナンスのインタビューを受けた際、2024年の大統領選についても言及しており、その中でSECの委員長が交代する可能性もあることを述べていました。

 

これは次回の大統領選で共和党が勝利し、バイデン政権が交代になればという条件付きではありますが、ブライアン・アームストロングCEOは「2024年の大統領選は、暗号資産に対する立場を問う選挙になる」と述べています。

 

まとめ

SECのゲイリー・ゲンスラー委員長が2023年9月12日の開催された公聴会に出席した際に発言した内容についてご説明させていただきました。

 

SECが現在おこなっている、明確な基準のない締め付けは米国のリーダーシップを弱体化させるだけでなく、仮想通貨の存在の意味や意義を不透明なものにしてしまいます。

もちろん詐欺や不正な取引、犯罪などに仮想通貨が利用されることは、あってはならないことであり、それらが起きないようにしっかりした規制を設ける必要はあるでしょう。

しかし何でも締め付けるだけの規制では、未来に向けての発展はあり得ません。

 

一刻も早く、米国での不必要な「制限」は撤廃して欲しいものです。

 

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

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