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米政治家に翻弄される仮想通貨の将来を左右する大統領選挙

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  • 2023.06.13.

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  • 米政治家に翻弄される仮想通貨の将来を左右する大統領選挙

最大手の仮想通貨取引所であるBinanceと米の大手仮想通貨取引所CoinbaseがSEC(米証券取引委員会)によって次々と提訴されたことで、仮想通貨市場は大きな影響を受けています。

アルトコインは下落基調となり、ビットコインも低迷し続けるなど、米国の仮想通貨市場に与える影響の大きさが分かります。

 

このような背景には米国での仮想通貨に対する規制の曖昧さがあります。

仮想通貨規制が曖昧であることはおそらく誰もが分かっているはずですが、米国はどうしてこれほど曖昧な規制のまま仮想通貨を締め付けようとするのでしょうか。

 

このことに関連したニュースを交えながらご説明しましょう。

 

米議会内で仮想通貨に否定的意見と肯定的意見

米議会の中でも仮想通貨に対して否定的な意見を主張する議員もいれば、肯定的な意見を述べる議員も存在しています。

それぞれの主張や行動などについてご紹介しましょう。

 

脱税を防ぐための仮想通貨取引の報告システム発令の要求

米民主党の下院議員であるブラッド・シャーマン議員とスティーブン・リンチ議員が、2人の連名で米財務省と米内国歳入庁(IRS)に対し、仮想通貨の取引追跡を定める規則を早く公布することを求める書簡を提出しました。

IRSへの仮想通貨取引追跡規則公布に関する書簡

画像引用:sherman.house.gov

 

2人の議員が提出した書簡に書かれていたのは、2020年当時、仮想通貨取引の追跡できる仕組みがなかったため、翌年のインフラ法改正ではブローカーが自らの顧客の仮想通貨取引を追跡して米内国歳入庁に報告することが盛り込まれていたことを指摘しています。

 

さたに米財務省はこの規則について、規則として正式に発令するまでは顧客の取引を追跡しなくても良いと保留していますが、2023年2月には取引の追跡に関する規則レビューが終わっているにもかかわらず、その後の進展がないことを追求しており、一刻も早く公布するよう求めています。

 

そもそもこの規則の前提には、仮想通貨取引が脱税につながっているという考えがありますが、2人の議員は仮想通貨反対派であり、仮想通貨を締め付けるための行動だといえます。

 

仮想通貨の革新性と規則を両立させる規則明確化の動き

一方で、仮想通貨を締め付けるのではなく、仮想通貨の革新的な要素を認めつつ、規則を明確にしようという、仮想通貨賛成派の動きもあります。

 

シンシア・ルミス上院議員(共和党)やカーステン・ギリブランド上院議員(民主党)らの超党派議員による仮想通貨包括的規制案がそれにあたります。

 

この規制案はResponsible Financial Innovation Act(略称RFIA、「責任ある金融革新法」)と呼ばれており、仮想通貨が証券かどうかの定義やトークンを明確に分類すること、仮想通貨に対する規制の不確実さをなくすことで、仮想通貨による革新性を向上させることを目指したものです。

また仮想通貨を規制する機関の役割分担に加え、仮想通貨への課税の改正なども含まれています。

 

この動き以外にも、米下院の共和党幹部らが2023年6月2日に仮想通貨規制の明確化のための法律草案を発表しています。

この草案は金融サービス委員会パトリック・マクヘンリー委員長と、農業委員会グレン・トンプソン委員長によって起草されたものです。

 

この草案は、現在の仮想通貨に対する規制はイノベーションを妨げるだけでなく、消費者保護につながっていないとし、仮想通貨市場に参加する者と消費者の双方が機能する枠組みが確立されなければならないという考えに基づいています。

 

仮想通貨反対派であるSECによる仮想通貨の締め付け

仮想通貨反対派の筆頭として挙げられるのが、米証券取引委員会(SEC)のGary Gensler(ゲリー・ゲンスラー)委員長でしょう。

 

ゲリー・ゲンスラー委員長は、2023年6月6日のCNBC「Squawk on the street」(スクワーク・オン・ザ・ストリート)に出演し、その中で非常に過激な発言をしています。

CNBC ゲリー・ゲンスラー委員長 

画像引用:CNBC

 

その発言とは「We don’t need more digital currency」というもので、訳すと「私たちはもうデジタル通貨は必要ない」というものでした。

 

さらにゲリー・ゲンスラー委員長は、仮想通貨の取引プラットフォームは、自らを取引所と呼ぶが、多くの機能を混同していると指摘しています。

そして伝統的な金融の世界で、証券取引所がヘッジファンドを運営し、市場を形成しているのを見たことはないと、仮想通貨取引所を否定していました。

 

加えて、デジタルでの投資についても言及し、今はもうすでに米ドルやユーロ、円などの法定通貨もデジタル化されているので、投資ができるようになっているとも述べています。

 

ゲリー・ゲンスラー委員長と大統領選挙

ゲリー・ゲンスラー委員長は民主党の急進左派Elizabeth Warren(エリザベス・ウォーレン)上院議員との結びつきが非常に強いことで知られています。

 

実はエリザベス・ウォーレン上院議員は、「アンチクリプト軍団」を作ることを政治キャンペーンとして目標にしており、2023年3月には最大手仮想通貨取引所Binanceに対しての財務やコンプライアンス、リスク管理などに関する詳細を求める書簡を送りつけていました。

さらにその書簡に対するBinanceの回答に対しても嘘ではないかとの疑念を抱き、米国司法省(DOJ)に嘘をついたかどうか調査するよう要請していることが、2023年6月8日のブルームバーグの報道によって明らかになっています。

 

つまりゲリー・ゲンスラー委員長はエリザベス・ウォーレン上院議員などとともに、アンチクリプト主義だということです。

 

しかしゲリー・ゲンスラー委員長は選挙でSECの委員長に選ばれたわけではなく、バイデン大統領によって任命されて委員長職に就いています。

つまりバイデン大統領は、ゲリー・ゲンスラー委員長のアンチクリプト主義を承認している可能性もあるわけです。

 

前回バイデン氏に投票したことを後悔する仮想通貨分析企業創業者

前回の大統領選挙で、バイデン大統領に票を投じたことを後悔しているのが、仮想通貨分析企業であるMessariのRyan Selkis(ライアン・セルキス)氏です。

 

ライアン・セルキス氏は2023年6月12日、以下の内容をツイートしています。

Ryan Selkis Twitter

画像引用:Ryan Selkis Twitter

 

私は依然としてシングルイシューの有権者です。 2年前と同じです。

しかし、もし民主党の極論者が仮想通貨を禁止し、私と私の家族を国外に追いやりたいのであれば、私の唯一の焦点は、今後18か月かけて彼らを疎外して打倒することに取り組むことになるだろう。

とてもシンプルです。

引用:Ryan Selkis Twitter Google翻訳

 

バイデン大統領は2024年11月5日に行われる大統領選挙に出馬することを正式に表明していますが、バイデン大統領がゲリー・ゲンスラー委員長一派のアンチクリプト主義を認めているのだとすれば、大統領が交代しなければ米国の仮想通貨市場は衰退の一途をたどるのかもしれません。

 

まとめ

仮想通貨は危険な面ばかりではなく、革新的な側面も存在しているはずです。

そのことを見ようともせずに、ひたすら抑え込むことだけに注力していくと、米国は世界の流れに取り残されてしまうかもしれません。

 

そしてその流れを変えることができるのは、2024年11月の大統領選挙だということをご説明しました。

 

大統領選挙の結果が、米国の世界での位置付けを変えてしまう可能性も十分あるでしょう。

大きな波が訪れるのかもしれません。

 

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

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