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2022年の後半は仮想通貨にとって試練になるとの説

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  • 2022.09.08.

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KPMG「Pulse of Fintechレポート」

画像引用:KPMG「Pulse of Fintech」

2021年11月初旬に760万円台を記録していたビットコインは、2022年9月7日現在、270万円台を推移しています。

つまり1年も経たないうちに半分以下の価値になってしまったということです。

この背景には色々な要素がありますが、明らかに仮想通貨を取り巻く環境が悪化しているということでしょう。

 

しかし、この悪化した状況が2022年後半にはさらに悪化するのではないかとの予測を、世界4大会計事務所(Big4)のひとつであるKPMGがレポートの中で発表しました。

 

このニュースについて詳しくご説明しましょう。

 

KPMGが仮想通貨市場への投資減速を予想

イギリスで設立され、会計監査と税務、経営コンサルティングで154ケ国に専門家を抱える世界4大会計事務所のうちのひとつであるKPMGが、経済レポート「Pulse of Fintech(Google翻訳:フィンテックの鼓動)」の2022年上半期版を発表しました。

 

そのレポート内では仮想通貨についても触れており、仮想通貨やNFTをこれまで取引していた一般投資家が、今年後半にかけて市場から離れていくだろうと記述していることが話題になっています。

 

また現在の仮想通貨は一般投資家ではなく、機関投資家の動きが大きく影響していることから、仮想通貨市場はマクロ経済において試練の年になるだろうとも主張しています。

 

下の画像は、経済レポート「Pulse of Fintech」内の、「仮想通貨とブロックチェーンへの投資は2021年の最高値から落ち込み、他のすべての年を上回っています(Google翻訳)」とのタイトルが付けられた項に書かれた、「ブロックチェーンと暗号化におけるグローバルな投資活動 (VC、PE、M&A) の合計額」を示したグラフです。

仮想通貨とブロックチェーンへの投資額推移

画像引用:KPMG 「Pulse of Fintech H1’22」

 

このグラフの2022年度のデータは今年上半期までのもので、仮想通貨企業の資金調達額は142億ドル(日本円にしておよそ2兆円)となっています。

 

そして上半期の時点でこの調達額にとどまっているということは、2021年の資金調達額である321億ドル(日本円にしておよそ4.6兆円)には及ばないであろうことが分かります。

 

資金調達額が2021年に及ばない理由

2022年の仮想通貨企業の資金調達額が、2021年に及ばない理由についてもこのレポートでは記述されています。

 

KPMGはその理由として、2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻、そして新型コロナを契機とした金融緩和政策によるインフレに加え、テラエコシステムのテラ(UST/LUNA)の暴落・崩壊を挙げています。

 

それでも2021年以外よりは高い資金調達額

上記の理由で資金調達額は2021年より低いペースであるものの、グラフにある2019年や2020年と比較すると、2022年の仮想通貨企業の資金調達額は高まりつつあることが分かります。

 

2022年におこなわれた資金調達の中でも特に大きなものとして、KPMGは以下の4つを例に挙げています。

 

  1. ドイツを拠点とする企業VCであるTrade Republicによる 11 億ドル(日本円で1,584億円)の資金調達。
  2. 米国を拠点とする資産運用企業であるFireblocks による 5 億 5000 万ドル(日本円で800億円)の調達。
  3. バハマを拠点とする 仮想通貨取引所FTXによる5億ドル(日本円で720億円)の調達。
  4. イーサリアム専門のブロックチェーンソフトウェア企業であるConsenSys による 4 億 5000 万ドル(日本円で640億円)の資金調達。

 

仮想通貨市場が低迷している中でもこれほど大きな額を投資する背景について、KPMGは以下のように説明しています。

 

これはスペースの成熟度の高まりと 投資を引き付けるテクノロジーとソリューションの幅広さ。

引用:KPMG 「Pulse of Fintech H1’22」(Google翻訳)

 

すなわち仮想通貨業界全体が以前より成熟してきているということに加え、投資を引き付けるだけの新しい技術や解決策が登場してきているため、魅力的に映っているということになります。

 

投資を引き付けるものとは

ではKPMGが指摘する、投資する側にとって魅力的な新しい技術や解決策とはどのようなものなのでしょうか。

 

KPMGは、インフラ分野がそれにあたり、その中でも仮想通貨のコンプライアンスに関するものや、取引の追跡技術に関するものが魅力的に映ると述べています。

 

これは以前から仮想通貨のネガティブ部分として指摘されていた点であり、それを解決できる技術が開発されれば仮想通貨はより使いやすくなるため、魅力的だということでしょう。

つまり、仮想通貨の利便性や優位性をより引き出すことができる技術が構築できれば、仮想通貨は今以上に広まっていくと考えているわけです。

 

このことを裏付ける要素として、仮想通貨の利点を理解している企業が現在注目しているのはステーブルコインであるとも、KPMGは説明しています。

ステーブルコインにはコスト面だけでなく、素早い送金、可視化できること、流動性の高さなど、仮想通貨に必要な利点が備わっていると理解しているからです。

 

投資を引き付けたために起こっていること

仮想通貨に投資が引き寄せられてきたことは、仮想通貨市場にも変化をもたらしています。

 

以前、仮想通貨は伝統的資産と真逆の位置付け、つまり投資リスクが非常に高いものであると認識されており、両者に相関関係はないといわれていました。

 

しかし投資、すなわち機関投資家を引き付けたことにより、仮想通貨の位置付けに変化が見られ、伝統的資産と似た動きを示すようになってきました。

その例としてKPMGが挙げていたのがNASDAQ指数です。

 

例えばビットコインの値動きとNASDAQ指数は近年、非常に良く似た動きを示しており、2022年4月には相関係数が「0.70」と、これまでで最高の値を示していました。

 

今年後半の仮想通貨の試練とは

仮想通貨は一般投資家による投資が減る一方で、機関投資家による投資が増え、伝統的資産との関連性が高まってくるのですが、KPMGはそれが2022年後半にさらに強い傾向となると説明しているわけです。

 

そうなると、仮想通貨はマクロ経済に強い影響を受けるということになってきます。

 

例えば2022年8月26日、アメリカ・ワイオミング州のジャクソンホールで行われた年次シンポジウム(通称ジャクソンホール会議)においてFRBのパウエル議長が、高いインフレ率に対して利上げを継続していく意思を示しました。

 

そのことでNASDAQは3.9%下落し、S&P500も3.4%下落しました。

そして、ビットコインもこれらと同じように大きく下落しました。

すなわち伝統的資産と同じ動きを示したということです。

 

パウエル議長の意思表示だけでなく、日本を除く世界の多くの国々がインフレ対策としての利上げを実施し続けているため、今後も伝統的資産は下落する可能性があるといえます。

 

仮想通貨の試練とは、伝統的資産と同じように動いた場合、果たしてその価値をとどめておくことができるのかということなのでしょう。

 

まとめ

世界4大会計事務所のひとつ、KPMGが示したレポート内にあった、2022年後半は仮想通貨にとって試練であるとの説についてご紹介しました。

 

仮想通貨はしばらくの間、値下がりする可能性はあるものの、その存在意義は失うことはないはずです。

ただ今以上に値下がりが続くと、一般投資家は仮想通貨市場から退出してしまう可能性もあります。

 

もちろん今後、伝統的資産との関係性が薄くなるケースがあるかもしれませんが、現時点での先行きは不透明です。

しばらくは主要各国の金融政策に注目しておくべきでしょう。

 

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

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