ビットコイン2021年年末に向けた下落要素と上昇要素
- ビットコイン
- 2021.12.03.
- ニュース
- ビットコイン2021年年末に向けた下落要素と上昇要素
2021年のビットコインの値動きは、年明け早々から価格が上昇したものの、1月末にはやや下落し、その後4月まで多少の上下はあったものの700万円近くまで値上がりしていきました。
7月には大きく下落しましたが、11月には史上最高値を更新し、そこから現在はジリジリと下落しつつあります。
そして2021年12月2日22時現在は638万円付近を推移しています。
2021年も残すところ1ヶ月となりましたが、年末にかけてビットコイン価格はどう動くのでしょうか。
ビットコイン価格に関するニュースによると、下落するのではないかとの予想だけでなく、年末にかけて上昇が期待できるとの内容もあり、専門家の見解も統一されていないようです。
ただ、これらの情報を知識として知っておくことは仮想通貨FXを取引するのに非常に重要であり、参考になるはずです。
そこでこれから年末にかけてビットコイン価格が下落するのではないかといわれている要素、そして上昇するのではないかという要素の全てをご紹介しましょう。
ビットコイン価格が下落につながる要因
ビットコイン価格が下落することにつながるのではないかといわれている情報をご説明します。
新型コロナのオミクロン株による懸念
新型コロナウイルスの変異株であるオミクロン株による感染が世界中で広がりを見せています。
オミクロン株は2021年11月9日に南アフリカで初めて確認され、同月26日にはWHO(世界保健機構)がVOC(懸念される変異株)に分類することを発表しました。
この懸念の根底にあるのが、感染力の強さとワクチンや現在主流となっている治療薬が効かない可能性です。
そして米国で、このオミクロン株による感染が2021年12月2日に発見されると同時に、米での株価は急落し、NYダウも400ドル値下がりしました。
またやや落ち着きを取り戻しつつあった世界経済も、先行きの不透明感が強まり、投資家の心理状態を示す「VIX指数」(恐怖指数)も「Fear(恐怖)」寄りに傾き、12月2日は32にまで達しました。
なお12月3日時点でのFearは31になっています。
これらの影響を受け、ビットコインだけでなくイーサリアムなどの仮想通貨が下落傾向に陥ってしまいました。
これはオミクロン株による感染が以前のように拡大した時のことを考え、手元に資金を確保しておきたいことや、仮想通貨を現金化しておこうとする動きといえます。
画像引用:alternative 「Crypto Fear & Greed Index Over Time」 1month
一部の投資家にビットコイン売却準備の動き
これまで新型コロナウイルス対策として実施されてきたロックダウンなどの施策は、効果は期待できるものの、政府が経済的支援をおこなわなければなりません。
オミクロン株によって政府がまた経済的支援を実施しなくてはならなくなるかもしれないわけです。
これまで実施されてきた経済的支援や金融緩和政策によって、世界経済はインフレ傾向にあり、オミクロン株がインフレに拍車をかけることになるかもしれません。
ビットコインは資産価値を保存する手段であることは、世界的にも認識されつつありますが、全ての投資家が資産としてビットコインなどの仮想通貨を活用しているとはまだまだ言えない状態です。
また資産としてビットコインを保有している投資家も、現時点ではビットコインを売却してはいないものの、いつでも売却できる準備は整えているようです。
Glassnodeが発表しているデータによると、仮想通貨の中央集権型取引所に2021年11月27日から11月末までの間で、2万4950BTCが移動されていることが明らかになっています。
画像引用:coindesk「Glassnode」
投資家がビットコインを長期的に保管する場合、ウォレットに保管しておくのが一般的です。
しかしウォレットからビットコインを仮想通貨取引所に移動させるのは、売却するつもりがあるからだと考えられます。
つまり、いつでも売却することができる、すなわち価格が下落する可能性があるということになります。
そしてこのデータでは2万4950BTCの移動だけが明らかになっていますが、この動きが加速していくと、ビットコイン価格は大きく下落してしまうかもしれないわけです。
年末年始の手仕舞い売りの可能性
年末年始は仮想通貨市場だけでなく、株式市場でも閑散相場になる可能性があります。
さらにビットコインの2021年は史上最高値を更新するなど、大きく価格が上昇した1年でした。
すなわち大きな利益を得た投資家も存在しているといえ、税額を確定するためにも手仕舞いとして「売り」が増える可能性があります。
ビットコイン価格が上昇につながる要因
では2021年の年末に向け、ビットコイン価格が上昇する要因としてどのようなものが挙げられるのでしょうか。
オミクロン株に対するワクチンの有効性の立証
オミクロン株に対する懸念が世界経済に先行きの不透明感をもたらしているために、ビットコインをはじめとする仮想通貨の価格が下落しているとするならば、オミクロン株は懸念するほどのものでないことが分かれば、ビットコイン価格の下落に歯止めがかかるはずです。
オミクロン株については未だ不明な点が多く、真逆の内容が報道されているのが実情です。
例えば新型コロナワクチンのモデルナは、CEOであるStéphane Bancel(ステファン・バンセル)氏がファイナンシャルタイムズの取材で、今のワクチンでは効果が低いと考えられると述べています。
さらにオミクロン株に効果のあるワクチンを大量に製造できるようになるには数か月の単位で時間が必要であることも説明していることが明らかになっています。
一方、米ファイザー製薬の先進国市場向けワクチン担当であるRalf Rene Reinert(ラルフ・レネ・ライナート)バイスプレジデントは、2021年12月2日のBloombergテレビジョンのインタビューで、同社のワクチンの効果がオミクロン株で低下するとは考えていないことを明らかにしました。
画像引用:Bloomberg
ただこの考えは、過去のベータ株やデルタ株の時にワクチンを更新する過程で有効性が実証されていたことによる推測であること。
オミクロン株への効果がはっきりとするには2~3週間ほどかかることも説明しています。
もし米ファイザー製薬の主張が正しいとするならば、オミクロン株に対する懸念は解消される可能性があり、世界経済だけでなくビットコイン価格の弱気市場も強気市場に転じていく可能性があります。
サンタクロースラリーの到来
サンタクロースラリーとは株式市場で用いられる用語で、12月最後の5営業日と翌年1月の最初の2営業日に価格上昇がみられる現象のことを指します。
しかし近年のビットコインなど仮想通貨市場ではサンタクロースラリーが起こっており、12月に入ってから価格が上昇することが注目されてきました。
このサンタクロースラリーは、下落基調にある現在のビットコインでも起こる可能性はあるのでしょうか。
現在のビットコインが下落基調にあることについて、仮想通貨市場データプロバイダーであるGlassnodeは同社のウィークリーレポート内で、現在のビットコイン価格が調整局面にあるのは通常のことであり、2021年の値動きの中でも深刻になるほどのものではないとの認識を示しています。
またこの調整は間もなく終了することも予想しています。
資産運用マネージメント企業「8848 Invest」の共同創業者であるNikita Rudenia(ニキータ・ルデニア)氏はGlassnodeと同様の考えを持っており、年末に向けて強気市場になること、年末までに7万ドルになるというサンタクロースラリーを予想しています。
まとめ
2021年も残り1ヶ月となり、ビットコイン価格の動きが気になるところでしょう。
ビットコインがどのような動きを示すのか、下落する可能性に言及した情報だけでなく、上昇する可能性に言及した情報を共にご紹介しました。
これから年末に向けてどのような動きになるのかは分かりませんが、ビットコイン関連のニュースをみている限りでは意見が分かれているようですが、これらの情報を知っているだけでも仮想通貨FXの取引の参考にはなるはずです。
年末に向けて、是非大きな利益につないでください。