今後ビットコイン価格に影響しそうな事柄について
- ビットコイン
- 2021.11.13.
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- 今後ビットコイン価格に影響しそうな事柄について
2021年11月10日に史上最高値を更新したビットコインは、高値更新してしばらくすると大きく下落し始めました。
それまで順調に推移していたのにもかかわらず、一気に下落してしまった背景にはロングポジションでの利益確定の動きがあったことに加え、中国・恒大集団のデフォルト危機が大きく関わっているともいわれています。
中国・恒大集団のデフォルト危機がどうしてビットコイン価格に影響してくるのでしょうか。
また中国・恒大集団の危機的状況は未だ脱しておらず、その理由を理解しておかなければ今後の仮想通貨FX取引にも影響が出てくる可能性があります。
さらに、11月中旬にはビットコインの大型アップグレードが控えており、これもビットコイン価格に影響することが予想されています。
今後、ビットコイン価格に影響しそうな事柄2点について、詳しくご説明しましょう。
ビットコイン価格突然の下落とその理由
68,800ドルと史上最高値を更新していたビットコインが、11月10日に大きく反発し、6000ドルほどの幅で一気に下落しました。
画像引用:2021.11.11時点tradingview 「BITSTAMP」BTCUSD 5日間
順調に価格が上昇していたビットコインが突然これほどまでに下落した背景には、大きく分けると2つの要素があるといわれています。
1.利益確定の動きとロングポジション清算
高値を更新したタイミングで、ビットコインを取引していた多くの人々が利益確定の動きに出たとされています。
つまり保有していたビットコインを売却したか、仮想通貨FXの場合はロングポジションを決済したということです。
それによってビットコイン価格が急激に下落し、多数のロングポジションが清算されていました。
清算されたロングポジションは、およそ6400万ドル(日本円にしておよそ73億円)相当で、史上最高値を記録した、わずか2時間ほど後に清算されてしまいました。
これらによってビットコイン価格に大きな影響が出たということです。
2. 中国・恒大集団のデフォルト危機
ビットコインの利益確定の動きに拍車をかけたのではないかといわれているのが、中国の不動産開発最大手である恒大集団のデフォルト(債務不履行)危機です。
中国・恒大集団は経営危機が表面化してから、利払いができるのかどうかが世界中から注目されていました。
もし利払いができずにデフォルトとなってしまうと中国国内だけでなく、世界の経済に大きな影響を与えてしまうからです。
そして中国・恒大集団はドル建て社債の利払いに関して、11月10日に支払い猶予期限を迎えることになっており、支払いができるのかどうかに注目が集まっていました。
このようなタイミングで、「中国・恒大集団がデフォルトをおこなった」との情報が駆け巡りました。
この情報は全くのデマであり、実際には利払いはおこなわれたことが報道されましたが、このデマがビットコインの利益確定の動きに拍車をかけたことは否めません。
ビットコイン利益確定の動きに拍車をかけた背景
中国・恒大集団のデフォルトに関するデマ情報がビットコイン価格にまで影響を与えたのはどうしてでしょうか。
それはビットコインに金融資産としての価値が高まってきていることが挙げられます。
新型コロナの感染拡大後、各国では経済支援のために大幅な金融緩和政策を実施しています。
これによりインフレが懸念されていますが、インフレ対策としてこれまではGOLD(金)への投資が重要視されていましたが、ビットコインの資産価値がGOLDと変わらないものになり、なおかつ今後の発展性も期待できることから、ビットコイン需要が高まっています。
つまり中国・恒大集団にデフォルト危機があるため、ビットコインへの投資が高まっていたタイミングで史上最高値の更新とデフォルトのデマが重なったというわけです。
それゆえに利益確定の動きに拍車がかかったということでしょう。
ビットコインのアップグレードがまもなく実施
ビットコインの大型アップグレードであるTaproot(タップルート)が、予定では日本時間の11月14日頃に実施されます。
このタップルートのアップグレードでは、プライバシーやウォレット機能の強化、スマートコントラクトでの機能の拡張だけでなく、トランザクション時のデータ量を縮小できることによって手数料が少なくて済むなど、大きな特徴があります。
前回のアップグレード時の状況
前回ビットコインがアップグレードしたのは2017年8月でしたが、その際にはスケーラビリティ問題についてマイナー同士の意見が分かれたことにより、ビットコインキャッシュが生まれた経緯がありました。
そしてこれらのことが影響し、ビットコイン価格が乱高下する事態にもなっていました。
今回のアップグレードの状況
前回のアップグレードではマイナー間の意見の違いによる覇権争いが影響し、結果的にビットコインキャッシュが誕生しましたが、しばらくの間ビットコイン価格は不安定になっていました。
そこで今回はこのようなことが起きないよう、マイナーの合意形成が丁寧に実行され、2021年6月の時点ではおよそ90%のマイナーに支持されていることが分かっています。
すわなち2017年の時のような混乱は起きず、アップグレードが実装される可能性が高いということです。
今後のビットコイン価格に対する影響は
では上で説明した事柄は、ビットコインに対してどのように影響すると考えられるのでしょうか。
ビットコインアップグレードの価格への影響
ビットコインのアップグレードに関しては、多少の乱高下はあると考えられるものの、ビットコインの利用価値を高めるはずです。
このアップグレードによって、ビットコイン価格は上昇につながっていくものと考えられます。
中国・恒大集団デフォルト危機の価格への影響
画像引用:中国・恒大集団
一方、中国・恒大集団のデフォルト危機については、11月10日の利払いは何とか終えることができましたが、今後も社債の利払いや償還が続き、厳しい状況にあることは変わりません。
また中国の地元メディアが2021年11月11日に報じたところによると、中国・恒大集団の創業者である許家印(きょ かいん)氏が所有している2つの豪邸を抵当に入れたことが明らかになりました。
この2つの豪邸の価値はおよそ8億香港ドル、日本円にしておよそ116億円の価値だと報じられています。
さらに、これとは別の自宅も抵当に入っていることも明らかになっているなど、創業者が自宅を抵当に入れなければならないほど苦しい状況であることが明らかになっています。
11月10日のビットコイン価格下落の一因として中国・恒大集団のデフォルト危機があるならば、今後もしデフォルトとなってしまった場合には、ビットコイン価格が大きく下落する可能性もあるでしょう。
まとめ
2021年11月10日にビットコイン価格が大きく下落した原因についてと、今後の価格に対して影響を及ぼす可能性のある事柄についてご説明しました。
ご説明したように、ビットコインは価格が大きく下落する可能性だけでなく、大きく上昇していく可能性の両方が備わっているのが実情です。
そしてもし価格が上昇していったとしても、今回のように利益確定の動きも考えられます。
つまりしばらくは非常に不安定な動きになるのではないかと予想されます。
仮想通貨FXはしばらくの間、慎重な取引が必要になるでしょう。