ビットコイン5万ドル突破の背景と今後の予想
- ビットコイン
- 2021.10.08.
- ニュース
- ビットコイン5万ドル突破の背景と今後の予想
2021年10月5日頃から少しづつ上昇し始めていたビットコイン価格は、翌6日の午後に入って一気に上昇し、2021年10月8日現在は55,000ドルを突破しています。
2021年9月には中国の仮想通貨全面禁止などがあり、40,000ドル付近まで落ち込んでいたことを考えると、驚異的な上昇だといえます。
ほぼ毎年9月にはビットコイン価格が下落していたことが指摘されていましたが、急激な回復の背景にはクジラの存在があることが指摘されています。
事実、クジラがわずか数分の間に膨大な量のビットコインを購入したことが明らかになっています。
そして仮想通貨FXに取り組んでいる方が最も気になるのは、今後の値動きです。
これだけ一気に上昇したビットコイン価格は今後、どのように動いていくのでしょうか。
今後の値動きに関しては、Bloombergのアナリストが非常に興味深い主張を発表しています。
これらのことに関して詳しくご説明しましょう。
ビットコイン価格上昇の背景にクジラの存在
ここまで短期間にビットコイン価格が上昇した背景には、クジラと呼ばれる機関投資家や大口投資家の存在があったことが指摘されています。
JPモルガンが機関投資家によるインフレヘッジを指摘
ニューヨークに本社を置くグローバル総合金融サービス会社であるJPモルガンが、2021年10月7日に自社の顧客に対し、ビットコインに関するメモを送っていたことが明らかになりました。
そのメモの内容がMARKETS INSIDERによって同日、報じられています。
画像引用:business insider.com
この報道によると、JPモルガンは現在ビットコイン価格が上昇しているのは、機関投資家によるインフレヘッジ手段であると指摘しているようです。
JPモルガンは、投資家のインフレに対する懸念が再燃してきており、その懸念がビットコインをリスクヘッジ手段として活用することに関心が高まってきていると主張しているのです。
さらにJPモルガンは以下のようにも主張していることが報じられています。
機関投資家はおそらくビットコインを金よりも優れたインフレヘッジと見なしているようだ
引用:business insider.com Google翻訳
つまり機関投資家はインフレヘッジ時の対策として、GOLDよりビットコインにメリットを感じているということであり、ここ数週間で金からビットコインに資金が流入する傾向が現れていると述べているわけです。
そしてそのことを裏付けるデータとして、100億ドル以上が金ETFから流出していること、さらに200億ドル以上がビットコインファンドに流入していることも明らかにしています。
クジラによる短時間でのビットコイン大量購入
2021年10月6日の13時11分から16分のわずか5分の間に、クジラがおよそ16億ドル(日本円でおよそ1,800億円)分のビットコインを、中央集権型取引所の現物市場で購入していたことが明らかになりました。
このことは主要仮想通貨取引所の資金流入・流出などのオンチェーンデータを配信している市場データプロバイダーであるCryptoQuantによって明らかになりました。
画像引用:coindesk CryptoQuant
一般的に仮想通貨を大量に購入する時にはOTC(店頭)市場で購入されますが、今回の大量購入は取引所で購入されています。
OTC(店頭)市場で購入された場合にはビットコイン価格に影響を及ぼす恐れはありませんが、取引所で購入した場合にはその動きが即座に価格に反映され、ビットコイン価格が上昇していきます。
単純にビットコインを購入したいだけであればOTC(店頭)市場で購入すれば良いものを、わざわざ大量購入が明らかになってしまう取引所で購入しているわけです。
このことについてCryptoQuantの共同創業者で、CEOでもあるKi Young Ju(キ・ヨン・ジュ)氏はこの行為について、価格を上昇させ、他の投資家の関心を高める意図があるのではないかと推測しています。
急激な価格上昇が投資家のFOMOへ
FOMO(Fear of Missing Out)とは、見逃したり、取り残されたりすることへの不安のことですが、今回のビットコイン価格急上昇は、ビットコインを投資対象にしている人々をFOMO状態にしたことになります。
つまり、ビットコインの高騰で利益を得るチャンスを失うのではないかと危機感を抱かせたわけです。
今回のOTC(店頭)市場でのビットコイン大量購入は即座に市場価格に反映され、投資家は危機感を抱き、ビットコインに関心が向いたはずです。
そして2021年10月6日にビットコイン価格が54,000ドルを超えたことで、ビットコイン市場はこれまでと一転し、強気市場に変化しています。
誰がこれだけのビットコインを取引所で購入したのかは明らかにはなっていませんが、もし価格の上昇だけでなく、他の投資家の関心を高める意図があったとすれば、その目的は十分達成できているといえるでしょう。
今後は5万ドルがサポートラインになるとの予想
仮想通貨FXに取り組む人々は、一気にここまで高騰したビットコイン価格が今後どのような動きをしていくのか、その指標となる要素が欲しいところでしょう。
そして指標となり得るひとつの主張が、Bloomberg が発行している2021年10月版「Bloomberg Crypto Outlook」に掲載されています。
画像引用:Bloomberg
「Bloomberg Crypto Outlook」内で、同社のシニア コモディティ ストラテジストであるMike McGlone(マイク・マッグローン)氏は、2021年5月の価格急落後に突破されることのなかったレジスタンスである5万ドルラインが、この第四半期でサポートラインになろうとしているようであると主張しています。
そしてビットコインと昔からある株式市場指数を比較すると、現在のビットコイン価格はまだまだ割引価格といえると述べています。
また一般的に株式市場価格が上昇するということは、ビットコイン価格の維持にもつながるが、もし株式市場が大きく下落したとすれば、それはデジタル資産の基盤を今以上に強固なものにする可能性も指摘しています。
まとめ
ビットコイン価格が急騰した背景にクジラの存在があることに加え、クジラが価格高騰を狙って取引所でビットコインを購入していたこと、さらに今後は5万ドルがサポートラインになる可能性についてもご説明しました。
ビットコイン価格はやはりクジラの影響を強く受けるものであることが分かりましたが、理由はともあれ、今は強気市場であることは変わりません。
またこれまで突破できなかった5万ドルがもしサポートラインになるのであれば、仮想通貨FXにおいても活用できるはずです。
もちろん5万ドルサポートラインは、あくまでもBloombergのストラテジストによる予想でしかありませんが、現状のチャートをみている限り、信憑性は高いと考えられます。
ビットコインは2021年中には、悪くても135,000ドルに達すると予想している専門家も見受けられます。
しばらくの間、利益を出しづらかった仮想通貨FXで、やっと利益を出しやすいタイミングが整ったのかもしれません。
関連するコンテンツ
- トランプ氏の大統領選勝利による仮想通貨への波及効果
- 米大統領選の勝利者によってビットコイン価格が変化する?
- ビットコインが65,000ドルのレジスタンスを突破し10月末には最高値更新か?
- トランプ氏とハリス氏、2人の米大統領候補の仮想通貨をめぐる報道
- 今のビットコインは安値だが強気相場はあと1年続く可能性
- トランプ候補がビットコインの戦略的準備金計画を発表するとどうなる?
- ビットコイン価格はしばらくは下落してもその後に上昇?
- 2027年までに日本の機関投資家の半数以上が仮想通貨投資の意向
- FRB利下げが今年は1回でもビットコイン価格は大幅上昇との説
- 今後ビットコイン現物ETFがよりBTC価格に影響を及ぼす可能性