ビットコインが多くの人に利用され易い環境へ
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- 2021.06.26.
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ビットコインは多くの人に知名度は高いものの、実際に取引したり、日常生活の買い物などで使っている人はそれほど多くありません。
ビットコインは機関投資家をはじめ、一般投資家や資産運用に関心のある人たちが主に取引しているのが実情です。
また最近は大手企業がビットコインを購入するケースも増えてきています。
つまりビットコインはまだ多くの人が活用するものになっていないということです。
しかしここに来て一般の人々がビットコインの取引をしやすくなるだけでなく、日常の買い物や経済・金融活動にも参加しやすくなる環境が整いつつあります。
その顕著な例として、2021年6月8日にビットコインを法定通貨として認めたエルサルバドルの動きがあります。
そしてもうひとつは米のNYDIG(New York Digital Investment Group)による一般消費者を対象にしたビットコインの売買・保有サービスの機能を提供できるようにする動きです。
ビットコインがこれまで以上の多くの人々に利用されるようになると、価格変動は小さくなり、安定してくることが考えられます。
仮想通貨FXを取引するうえで是非知っておくべき情報でしょう。
このエルサルバドルと米国の2つの動きについて、詳しくご説明しましょう。
エルサルバドルで全成人に30ドル分のBTCを配布
中米の国、エルサルバドルは2021年6月8日にビットコインを法定通貨にすることを法律で定めました。
そして6月25日には、エルサルバドルの国民のうち全ての成人市民に対し、1人あたり30ドル分のビットコインを無料配布することを発表しました。
画像引用:Documenting Bitcoin Twitter
エルサルバドル大統領@NayibBukeleはウォレットアプリの登録された各市民が無料でBitcoin$ 30を受け取れることを発表しました 。
「ウォレットアプリは携帯接続があればどこでも動作し、アプリの携帯プランを用意する必要はありません。」
引用:Documenting Bitcoin Twitter Google翻訳
エルサルバドル政府のビットコイン購入の影響
エルサルバドルの成人の人口については色々な説があり、450万人という説や、470万人という説、650万人という説などがあります。
もし成人人口が650万人だったとすると、1億9500万ドル分のビットコインが配布されることになります。
つまりエルサルバドル政府がビットコインを配布するためには、それだけの額のビットコインを購入しなければならないことになります。
またその行為がビットコイン市場に対し、買い圧力を与えることにもなるわけです。
影響はそれだけにとどまりません。
エルサルバドルの全成人が、ビットコインのネットワークに一気に参加してくるのです。
彼らがビットコインをどのように活用するかはまだ不明ですが、世界のビットコインユーザーが2.5%増えることが確実視されています。
エルサルバドルでビットコインが法定通貨になる意味
エルサルバドル政府がビットコインを法定通貨に定めたということにはどのような意味があるのでしょうか。
法定通貨に定められたということは、エルサルバドル国内で販売されているもの全てをビットコインで売買できるということになります。
さらにもっと大きな効果があります。
それはエルサルバドルではおよそ70%の人々が銀行口座を保有していないといわれており、それだけの人々が何らかの金融サービスを受けることができないということでもあります。
しかし今後は全ての人々が銀行口座を持たなくても、ビットコインを通じて経済活動や金融活動ができるようになるわけです。
もちろんビットコイン市場に参入することも可能です。
米の機関投資家向け企業が提携で一般向けサービスを支援
これまで機関投資家だけを対象にしてビットコインに対する技術でのサービスや投資サービスを提供していた米のNYDIG(New York Digital Investment Group)が、一般ユーザーをエンドユーザーに持つデジタルソリューション企業や決済企業と提携することを2021年6月25日に発表しました。
画像引用:NYDIG
提携した企業と一般消費者にとってのメリット
NYDIGはQ2社とFiserv社という、米でも主要なフィンテック企業2社と提携しました。
この2つの企業についてと、提携したことにより一般消費者にどのようなメリットが生じるのかをご説明しましょう。
画像引用:businesswire.com
デジタルソリューション企業Q2社との提携
NYDIG が提携を発表したQ2社は、米国を中心として多くの金融機関にデジタルソリューションを提供しており、その提供先は米国の銀行TOP100のおよそ3割にものぼります。
また大手銀行だけでなく、中小銀行や信用組合など450以上の金融機関に対してもオンラインバンキングソフトを提供している実績があります。
そしてこれらのプラットフォームに登録し利用しているエンドユーザーは一般消費者であり、その数は実に1,830万人以上だといわれています。
NYDIGとQ2社が提携したことにより、Q2社はNYDIG が持っているビットコイン取引のためのプラットフォームを利用できることになります。
すなわちQ2社がデジタルソリューションを提供している金融機関の顧客である一般消費者が、ビットコインの取引や保管などを自分の口座がある銀行でできるようになるということです。
これにより、多くの一般ユーザーがビットコインを取引しやすくなるため、ビットコインのネットワークを成長させることができるようになるはずです。
決済企業Fiserv社との提携
決済フィンテック企業であるFiserv社は、電子商取引やデジタルバンキングだけでなく、POSソリューションなども提供しており、Q2社と同様に多くの顧客に採用されています。
Fiserv社のデジタルバンキングを採用している金融機関はおよそ1万にものぼり、その金融機関でデジタルバンキングを活用している一般消費者は1億人にも達します。
さらに世界中の小売業者とも提携しており、その数はおよそ600万ともいわれています。
NYDIGとFiserv社が提携したことで、これだけの人数の一般消費者がNYDIGのビットコイン取引プラットフォームを、口座のある銀行からオンラインなどで利用でき、ビットコインの取引や保管ができるようになるわけです。
この提携によって一般消費者がビットコインの取引などをオンラインでできるようになりますが、同時に銀行にとっても大きな意味があります。
それは銀行が顧客にとって金融活動するために重要な位置付けとして存在し続けることができるということです。
これらの動きがビットコイン価格に与える影響とは
エルサルバドルでの全成人に対するビットコイン配布と、米のビットコイン投資サービス企業が一般消費者向けのサービスを視野に入れた提携をおこなったことについてご説明しました。
これはどちらも一般消費者が簡単にビットコインを取引できる環境が整ってきているということになります。
これまでビットコインはクジラと呼ばれる大口投資家や機関投資家、一部の企業などがビットコインを大量に購入した・売却したことによって価格が大きく変動していました。
すなわち、まだまだビットコイン市場への参入者が少なかったということです。
しかし今後は、ビットコイン市場に参入してくる一般消費者は一気に増えていくでしょう。
そうなると、これまで価格に影響を与えていたクジラや機関投資家の影響は少なくなっていくはずです。
ビットコイン価格は安定的になっていき、いずれは誰もが日常の買い物でも使える存在になっていくのかもしれません。
まとめ
ビットコイン市場に一般消費者が大量になだれ込んでくるまでにはまだ多少の時間はかかるでしょう。
仮想通貨FXは価格変動が大きいゆえにリスクもあるものの、利益が大きいのが魅力といえます。
もちろん将来、価格が安定的になっても多少の変動はあるでしょうが、今のように大きな変動は望めなくなる可能性が高くなります。
すなわちリスクも少なくなりますが、利益も薄くなってしまうということです。
仮想通貨FXで大きな利益を狙うのであれば、あまり時間的猶予は残されていないのかもしれません。
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